| 以上のような、現在求められている並列処理技術の特徴を、この当時からすでに考慮していたのです。
こういったマルチプロセシング技術を元に、旧タンデムコンピューターズは最初にOLTP市場への参入を狙います。ノンストップで24時間365日稼働し続け、絶えず複数のユーザーからのトランザクションに応えることを要求されるOLTPは、旧タンデムコンピューターズのCEOトレイビックが考える「止まらないコンピュータ」にもっとも適した分野でした。
1975年にはフォールト・トレラント・コンピュータ「NonStop System」を発表します。1つのシステムにCPUを複数台備えている商用コンピュータは世界初で、2CPUから最大16CPUまでの拡張性を持ったものでした。
「NonStop System」は、CPUをはじめとするハードウェアの構成要素をすべて完全に多重化しており、万一どれかが故障しても自動的に別のコンポーネントがその機能を引き継いで処理を継続するアーキテクチャです。当時主流であった、汎用機を2台設置するホットスタンバイ方式と比較して以下のような点が特徴でした。
- 故障が発生しても、手動で切り替えたり特殊なソフトウェアを用意する必要がなく、自動で障害部分を切り離せる
- オンライン業務を停止せず継続したままで故障部分の交換・保守作業を行なえる
「NonStop System」は、発表と同時に業界で大きな話題を集め、翌1976年には2CPUの第1号機を米国最大の銀行であったシティバンクに納入。それを皮切りに、銀行、証券など金融機関に次々と導入されていきました。 1981年には、拡張性を備えたエントリーレベルの「NonStop IIシステム」を発表。小規模での運用開始が可能かつ大幅な成長に伴う拡張に対応したシステムでした。同様に、中規模向けの「TXP」(1983年発表)、大規模向けの「VLX」(1986発表)と、順調にラインアップの拡充と機能の向上とが図られていきます。
また1987年にはオフィス用分散システムの「CLX」、1989年には最上位機種としてオンライン専用メインフレーム「NonStop Cyclone」が発表されました。 |