| 信頼性、柔軟性、コスト削減が新基幹システムのテーマに
第3世代となる基幹システムの構築プロジェクトには、長年ドトールコーヒーのシステム構築・運用を担ってきた丸紅情報システムズ株式会社とともに取り組むことになった。三上氏らから丸紅情報システムズへ提示された要件は、「システム全体の信頼性の向上」、「ビジネス環境の変化に対応できる柔軟性の獲得」、さらに「導入から運用段階までを含むITコスト削減」の3点である。
これらの要件をクリアするために丸紅情報システムズが用意した提案は、新基幹システムのITインフラストラクチャをブレード型サーバー「HP BladeSystem」とハイエンドストレージ「HP XP ディスクアレイ」によって構築するというものだった。丸紅情報システムズの高久隆氏は、その理由を次のように語る。
「旧システムではストレージの深刻なトラブルを2度経験していました。たった1本のディスク障害が、システム全停止につながる事故を引き起こしたのです。その教訓から、ストレージはハイパフォーマンスと高可用性を徹底的に追求し、まずシステム全体の信頼性を大きく底上げしようと考えました。」
同社の湯藤章人氏は次のように続ける。
「信頼性の大幅な強化を図ったうえで、システムの柔軟性・拡張性、省コストをいかに実現するか。この課題への解答が、HP BladeSystemとVMwareによるサーバー統合です。ブレード型サーバーの採用により導入を容易にしつつ、サーバー仮想化によってシステムのセットアップや変更の圧倒的なスピード化を実現します。複数のラックマウント型サーバーを0.6U相当のコンパクトなブレード1枚に統合することができますので、スペース効率も大幅に改善されます。」

高さ10UのHP BladeSystem c7000エンクロージャーには、最大16枚のサーバーブレードを収容できる。コンパクトなサーバーブレード「HP
ProLiant BL460c G6」は、高性能インテル® Xeon® プロセッサー 5500番台を2基8コア搭載。メモリ管理のオフロードなど、プロセッサー側で実装した仮想化支援機能により、複数の仮想サーバーを安定的に稼動させることができる。
「本番環境のサイジングは1コアあたり1仮想サーバーを基本とし、用途によって1〜4GBのメモリを割り当てました。データベースサーバーだけは仮想化せず、2枚のサーバーブレードをアクティブ・スタンバイのクラスター構成としています。」(湯藤氏)
インテル Xeon プロセッサーの性能向上は目覚ましい。4〜5年前に導入されたサーバーであれば、ゆうにその10倍を超えるパフォーマンスを発揮する。メモリさえ十分に確保しておけば、複数の仮想サーバーを統合しても安心して運用できる。
もちろん、Webサーバー、アプリケーションサーバーの可用性を高めるための工夫も施された。
「VMwareのクラスタリング機能であるVMware HAを使って、物理サーバーに障害が発生してもサービスを止めない仕組みを構築しました。ハイエンドのストレージシステムに見合うサーバー側の可用性を実現するために、ハイパーバイザーが備える最新のテクノロジーを存分に活用しています。」(湯藤氏)
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丸紅情報システムズ株式会社
ビジネスサービス事業本部
テクニカルサービス部
TS一課長 兼 ビジネス開発部
高久隆氏 |
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丸紅情報システムズ株式会社
ビジネスサービス事業本部
テクニカルサービス部
TS一課
主任 湯藤章人氏 |
HP BladeSystemによるサーバー統合で5ラックから2ラックへ削減
ドトールコーヒーが構築した第3世代基幹システムのITインフラストラクチャは、ハイエンドストレージHP XP ディスクアレイをベースに、HP
BladeSystemと仮想化テクノロジーを組み合わせることで、高い信頼性と拡張性・柔軟性を同時に手に入れた。もうひとつのテーマ、ITコスト削減にはどのような成果をもたらしたのか。
「まず、仮想化されたHP BladeSystemに複数のサーバーが統合されたことでサーバーが占めるスペースが大幅に削減されました。具体的には、5本あったデータセンターのサーバーラックを2本にまで減らすことができました。」(株式会社ドトールコーヒー 管理統轄本部 情報管理部 システム課 係長 田代和彦氏)
同時に実現された管理性の向上にも注目したい。
「ブレード型サーバーならではの扱いやすさ、拡張のしやすさはもちろんですが、ハードウェアの管理を『HP Systems Insight Manager(SIM)』に一本化し、管理情報を『HP
Operations Manager software』で統合的に管理できるようになったことが大きいと思います。リモート管理のレスポンスも良く使い勝手が向上しました。複数のツールを使い分けなければならなかった従来の環境と比べて、監視や管理の負荷が大幅に低減されています。」(湯藤氏)
HPサーバー製品の多くが標準で備えるSIMは、サーバーの稼動状況を常に監視し、深刻なシステムトラブルに至る前にハードウェア障害を検知・通報することができる。また、「HP
Insight Control」製品と組み合わせることで、物理サーバー環境と仮想サーバー環境をシームレスに管理できるだけでなく、インテリジェントな電力管理・温度管理も可能だ。 |