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- ストレージ選択の概要
ストレージを選択する場合には、サーバの用途や利用目的で検討する必要があります。その理由として、サーバの用途や利用目的により、ストレージに対するパフォーマンス要求や、必要とされる容量、および必要な障害対応レベルが大幅に変わってくるためです。
それらのパフォーマンス要求や必要容量、障害対応レベルに応じて、ストレージの構成を行うことになります。その際には、ストレージオプションとして提供されているディスク装置やアレイコントローラ、テープ装置を選択するだけではなく、RAIDなどの特性を理解することで、より適切な構成を作ることができるようになります。
また、ストレージの構成方法として、サーバに直接接続するDASを利用する場合と、ネットワークによって複数のサーバ間でストレージを共有するNASやSANを利用する場合があります。1台のサーバで利用する場合には、DASを利用する方法が一般的です。なお、NASやSANで構成を考えるときにも、必要とされる要件からDASでまず基本的な構成を検討し、NASやSANに置き換えると良いでしょう。
- ストレージ選択の基本的な考え方
サーバで構成されるディスクストレージは、一部を除き、RAID構成を組むことが一般的です。RAID構成を適切に構成することで、一台のディスクを使ったときに比べて高いパフォーマンスを発揮させることや、大容量のディスク構成、そして高い信頼性を実現することができます。
一般に、RAIDボリュームを構成するディスク台数が増えると、そのボリュームで処理できるパフォーマンスは上がり、サポートできる容量も増えます。しかし、ディスク台数が増えることにより、コストが上昇し、そのRAIDボリュームでの障害が発生する確率も高くなります。また、RAIDボリュームを構成するRAIDレベルによって、同じディスク台数でも、パフォーマンスや対障害性などが変わってきます。このようなRAID構成をサーバの用途や利用目的に合わせて構成できるかどうかということは、非常に重要なことになります。
| ディスク台数 |
少 |
多 |
| パフォーマンス(高いほうが良い) |
低 |
高 |
| 容量(大きいほうが良い) |
小 |
大 |
| コスト(小さいほうが良い) |
小 |
大 |
| ディスク障害の可能性(低いほうが良い) |
低 |
高 |
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| RAIDを構成するディスク台数による影響 |
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構成の上で、大まかな目安として、RAIDの利用例の表などをベースにして検討すると良いでしょう。
RAIDの実現方法や特徴などについては、「1.3.6.
RAID」に記載しておりますので、併せてご覧ください。
| 使用用途の例 |
必要とされる機能、特徴
◎:特に重要、
○:重要、
―:重要でない
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利用されるRAID構成
○:よく利用、
△:場合によって利用 |
| OS起動用ディスク |
データ保護 |
○ |
○RAID1
○RAID5 |
| 容量 |
― |
| パフォーマンス |
― |
ファイルサーバやメールサーバの
データディスク |
データ保護 |
○ |
○RAID5
△RAID6 |
| 容量 |
○ |
| パフォーマンス |
○ |
| 参照中心データベースのデータディスク |
データ保護 |
○ |
○RAID5
○RAID6 |
| 容量 |
○ |
| パフォーマンス(読み込み) |
◎ |
| 更新中心データベースのデータディスク |
データ保護 |
○ |
○RAID1+0(パフォーマンス重視)
△RAID5(コスト重視) |
| 容量 |
○ |
| パフォーマンス(書き込み) |
◎ |
アプリケーションサーバのデータディスク
(メモリアクセス中心) |
データ保護 |
○ |
○RAID5
○RAID1(容量が小さい場合) |
| 容量 |
― |
| パフォーマンス |
― |
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| RAIDの利用例 |
RAIDを構成する場合、OS機能でRAIDを構成するソフトウェアRAIDと、RAID専用のハードウェアを使用したハードウェアRAIDを利用できます。ハードウェアRAIDには、ホットプラグでのディスク交換やスペアディスクによるデータ保護機能、アクセラレータ(キャッシュ)とRAID専用プロセッサによるパフォーマンス向上などといった、多くのメリットがあります。そのため、ほとんどの構成でハードウェアRAIDが利用されています。
- DASでのストレージ構成
HP ProLiantのDAS構成では、RAID専用コントローラのSmartアレイコントローラを利用したRAID構成が一般的に使用されています。このRAID構成により、起動領域やデータ領域の保護などを行えるとともに、パフォーマンス向上が期待できます。ただし、価格的に困難な場合やデータ保護をあまり重要視しない場合などでは、RAID機能を持たないSCSIコントローラなどを使って構成する場合もあります。
Smartアレイコントローラには、SASもしくはSATAディスクを利用できるモデルとSCSIディスクを利用するモデルを用意しており、RAIDを構成するディスクに応じて対応するアレイコントローラを選択します。Smartアレイコントローラには、どちらのディスクタイプにも、用途に応じて最適なモデルを選択できるように、低価格のモデルから高性能なモデルまで幅広く用意しています。
Smartアレイコントローラの各モデルでは、搭載するアクセラレータのキャッシュ容量やモデルなどによって、構成できるRAIDレベルが異なる場合があります。比較的安価なオプションであるSmartアレイコントローラのBBWC(バッテリバックアップWriteキャッシュ)を追加することによって、構成可能なRAIDレベルを増やせることもあります。また、BBWCの追加によって、ディスク書き込み時のパフォーマンスが劇的に向上する場合もあるので、書き込みが多いディスクの場合には、コストパフォーマンスの高いアップグレード方法の1つといえます。なお、アレイコントローラの選択は、使用するディスクの種類や搭載するサーバに用意されている拡張スロットなどの条件によっても制約を受けるので、注意が必要です。
さらに、Smartアレイコントローラで、HP ProLiantサーバ内蔵のディスクだけではRAID構成として足りない場合、SAS/SATAもしくはSCSIの外付けのストレージにディスクを追加して構成するという方法もあります。(この接続形態を、直接接続ストレージ [Direct Attached Storage, DAS]と読んでいます。)なお、カタログスペックなどに記載されているSmartアレイコントローラの最大構成のディスク台数は、外付けのストレージに搭載されるディスク台数を含めているので、最大容量を必要とする場合には、外付けのストレージが必要になります。1つのSmartアレイコントローラのコントローラの配下にあるディスクは、内蔵と外付けにかかわらず、RAID構成を組めるようになっているので、最大構成のディスク台数のRAIDボリュームを作ることもできます。外付けのストレージには、ディスクの種類に応じて複数の製品が用意されています。
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| DL380G5とMSA50を組み合わせたDASの例 |
なお、サーバにコントローラを増設する上での注意点については、「2.2.3.
拡張カードの増設」を参照してください。
- 共有ストレージによる構成
HAクラスタなどで複数のサーバでディスクを共有しなければならない場合、SANストレージなどを利用して構成します。また、単体のサーバの場合でも、大容量の共有ストレージを利用して、サーバの統合などの検討を行う場合もあります。その場合には、SANやNASを利用して集約することが一般的です。共有ストレージは、一般的に導入コストは高くなりますが、集中してディスクの領域管理が行えるようになることやバックアップなどの集中化が行えるので、運用が容易になるなどのメリットがあります。
| 項目 |
DAS |
NAS |
SAN |
備考 |
| サーバ単体での利用 |
◎ |
○ |
○ |
NASやSANはコストが上がる |
| サーバ間で共有して利用 |
― |
◎ |
◎ |
|
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| ストレージ選択(DAS、NAS、SAN) |
- NASによる構成
NASとは、Windowsのファイル共有プロトコルであるCIFSや、Unixのファイル共有プロトコルであるNFSといった、ファイル共有サービスを提供する専用サーバです。ファイルサーバとも呼ばれます。サーバにネットワークアダプタを用意することで、NASとの接続を行えます。
NASの利用方法としては、サーバ起動用のストレージをDASで構成して、データ用領域にNASのファイル共有を使用します。このファイル共有で、データ領域に必要な容量のストレージを提供するといった構成が一般的です。
NASを利用することで、ネットワークを介して他のサーバなどとファイルを共有できるようになります。その共有の際も既存のネットワークを利用できるので、比較的低コストで構築できることがメリットです。また、データ共有の際の距離的な制限が比較的少ないというところも特徴として挙げられます。
現状のNASの利用では、CIFSやNFSを利用したファイルベースのデータ共有という形が一般的です。今後は、iSCSIプロトコルの標準化に伴い、これを利用した構成も増えると考えられます。iSCSIを利用することで、NASにおいても後述のSANと同様なブロックレベルでのディスク共有を行えるようになります。今まで難しかったNASのストレージからのサーバ起動や、ファイル共有サービスを介さないディスクマウントも行えるになります。また、iSCSIを利用する際に、CPUに負荷をほとんどかけずに処理ができるマルチファンクションNICを標準で付けているサーバが増えてきており、今後はiSCSIを利用してNASサーバのディスクを直接マウントするような構成も増えてくると考えられます。
HPでは、CIFSやNFSのファイルサービスに最適化したWindows
Storage Server 2003を、HP ProLiantにプリインストールしたNASを提供しています。
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| NAS(HP ProLiant DL380 Storage Server) |
- SANによる構成
SANとは、ファイバチャネルプロトコルを利用したストレージ専用のネットワークの総称です。このネットワークに接続されたSANストレージ自身をさす場合もあります。サーバにSAN用のHBAを追加して、SANとの接続を行います。ファイバチャネルを利用し、SANスイッチなどを経由してストレージ装置とFC(Fibre
Channel)プロトコルで通信します。
SANの利用方法としては、NASと同様にサーバ起動用のストレージをDASで構成して、データ領域として、SANストレージに持たせるような場合と、起動用のストレージもSAN上のストレージに持たせるような場合があります。後者はSANブート構成と呼ばれることもあります。
クラスタの共有ディスクとして、SANストレージは広く用いられており、一般的な構成となっています。SANを利用することで、高速で専用のネットワークを利用したストレージを複数のサーバで共有できます。SAN対応のディスク装置やバックアップ装置が、SANストレージとして用意されているので、今までDASで構成されていたストレージを統合するような場合にも使われています。
SAN専用のSANスイッチ、ファイバチャネルケーブル、SANストレージおよびサーバに搭載するSAN用HBAは比較的高価で、導入時のコストはNASなどに比べ高くなります。
HPでは、SANストレージとして、MSA1000およびMSA1500csというエントリモデルと、EVA4000/8000というミドルレンジモデル、xp10000などのハイエンドモデルを提供しています。また、SANスイッチやファイバチャネルケーブル、SAN用HBAも用途に応じて各種提供しています。
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SANの構成部品
画面右上から時計回りに
SANストレージ(MSA1000)、ファイバチャネルケーブル、ファイバチャネルHBA、SANスイッチ |
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