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【49-01】今だからこそ問う、企業品質を高める
“戦略的品質管理”のすすめ

〜ソフトウェアの品質向上実現のためのアプローチと最新トレンドとは?〜
HP Software News vol.49 (2007.04.12発行)

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Vol.49 TOP

【49-01】
いまだからこそ問う、企業品質を高める“戦略的品質管理”のすすめ
〜ソフトウェア品質向上実現のためのアプローチと最新トレンドとは?〜

【49-02】
HP Software 製品開発の中枢を担う :インド・バンガロール レポート

【49-03】
HP Software Universe 2007 Asia Pacific in ブリスベン レポート

【49-04】
HP Smart Plug-in for SAP softwareと疎結合システムの“密”な関係

【49-05】
今、注目の情報満載!ニュース、イベント、セミナーご紹介

HP Software News 2008年9月号 発行
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金融機関や交通機関のシステム障害、ソフトウェアの不具合による家電製品の回収……。「高品質」の代名詞でもあった”メイド・イン・ジャパン”の信頼を揺るがすような事例が最近増えつつあります。理由の一つと考えられているのが、「ソフトウェアの品質低下」。多くの製品やサービスを支えるソフトウェア開発の現場で、今何が起こっているのか……? 本特集では問題が潜む「昨今の開発環境の劇的変化」と、状況を打開する「ソフトウェア品質向上の有効なアプローチ法」について探っていきます。

Chapter1 「品質」とは何か?

ソフトウェアの「質」が、製品やサービスの「質」を支える時代に

熾烈な競争に打ち勝ち、市場で受け入れられてきた、日本の工業製品。世界中で高い評価を得てきた最大のポイントが「“高品質”を“低コスト”で実現できる技術力」にあることは、万人が認めるところです。特に、生産工程の合理化や標準化、ムダを省いた工程管理といった「生産管理の優秀性」は群を抜いており、優れたノウハウの一部は「カイゼン」や「ジャストインタイム」のように海外にも輸出され、「管理システムの模範」として活用されています。

そんな輝かしい評価に、昨今暗雲がたれ込め始めています。公共交通機関や公共サービスなど社会インフラにおける「サービスの停止」、家電や工業製品の不具合による「大規模な回収」……など、企業が提供するサービスや製品の「品質」に起因した不祥事が目立って増えてきているのです。
『日経ものづくり』が行った調査  (*1)よると、「近年(ここ5年ほど)、日本製品の品質が全体として低下していると感じるか」との設問に、23%強が「強く感じる」と答え、「どちらかというと低下していると感じる」の54%強とあわせ、8割近くが「低下」に同意する回答を寄せているのです。日本人のDNAに受け継がれてきたであろう「モノづくりや品質へのこだわり」……それに対し人々が大きな不安を感じ始めているという事実は、製造やサービスに携る人にとって、少なからずショッキングなものでしょう。では、なぜ昨今、こうした事実が顕在化してきたのでしょうか。

この問題を語る前に、まず、「品質」という言葉の意味が、時代によって変化してきているという状況について説明しておきましょう。一つのヒントを示しているのが、先ほどの『日経ものづくり』の調査の続き(*1)に見ることが出来ます。
「品質低下を感じる原因は何か?」という質問に対し、半数強の人が「報道されるような重大な事故やトラブル」を挙げ、「故障が多い」など「製品そのもののトラブル」を挙げた人の4割弱という数字を大きく上回っています。これは何を意味しているかというと、多くの人々が品質を「製品そのもの」ではなく、「製品を含めたサービス全体」として捉え、評価を行うようになっているということです。
つまり、製品への評価の指標が「製品そのものの優劣」から「企業が提供するサービス全体の良し悪し」へとシフトしている……さらに視点を換えると、「品質」と捉えられる範疇が、「製品を出荷するまで」という企業の視点から、「サービスを享受するまで」というユーザーの視点へ変わってきているのではないか……そう分析することができるのです。

そして、このユーザーの評価の視点が変化していくに伴って、企業が高い品質を保つには、ずばり、質の高い製品やサービスを可能にする「業務プロセスの仕組みづくり」が対策のポイントとなります。そして、そのスムーズな遂行を多くの部分で支えるのが、「信頼できるソフトウェアで構築されたITシステム」となるのです。裏を返せば、業務プロセスにITが欠かせない昨今では、信頼できるソフトウェアなしに、顧客が求める「品質」を実現することは難しいということで、今や「ソフトウェアの精度や処理能力、可用性が、企業の品質を左右している」……そんな時代に突入していると言えるのです。
(*1)「日経ものづくりNEWS」の読者対象 参照「日経ものづくり(2007年1月号)」 

Chapter2 変化する品質管理環境

〜品質に影響を及ぼす3つの要因〜

では、ソフトウェアが企業の業務プロセスの中核的な役割を担おうとするなか、「その品質が安定しなくなっている要因」はどこにあるのでしょう。いくつかの企業の開発現場の方の声を通して見えてきたのは、「昨今のソフトウェア開発環境の劇的な変化が、その品質の良し悪しに大きな影響を及ぼしているのではないか」という事実です。そこでこの章では、ソフトウェアの開発環境の課題を「開発体制」「ビジネス要件」「システム要件」の3つのフェーズで考え、それぞれに関する実情が、ソフトウェアの品質にどんな影響を与えているのかについて考えていきます。

開発体制に関する課題

ソフトウェア開発に対するニーズ増加、多様化が進む昨今、開発作業を社外のパートナーやベンダーに委託する「アウトソーシング」を行うことが、ほとんどの企業で、ごく当たり前の方法論として定着してきています。独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)  が行った「プロジェクトの開発体制の外部委託率に関する調査」(*2)によると、調査対象企業におけるソフトウェア開発の外部委託比率は、平均「58.6%」であり、数的に最も多いのは「外部委託率90%以上」という企業で、今や「開発案件のほとんどがアウトソーシングで進められている」という実態が見てとれます。
(*2)「ソフトウェア開発データ白書2005」 日経BP社刊、監修;IPA、SEC 

さらに、ここ数年急速に進んでいるのが、人件費が相対的に安い海外企業(中国、インドなど)に開発を委託する「オフショア開発」で、社団法人 情報サービス産業協会(JISA)  の2004年の調査(*3)では「オフショア開発を行ったことがある」企業は23.1%に及び、その後も委託の度合いは発注額ベースでは毎年、倍々の勢いで伸びていると言われているのです。
(*3)社団法人情報サービス産業協会「JISA 報告書(16-J009)概要」  (PDF)

このような開発体制のシフトが、昨今のソフトウェアの品質に少なからず影響を与えている一因ではないか、と考えられています。もちろん、分散化した体制でも「開発および品質プロセスの管理」がきちんと行われれば問題はないのですが、これが不徹底な場合、何らかの形で歪みが出てしまうもの。品質向上のためには「開発と品質のプロセスをどう構築、標準化、および管理するか」「開発ツールやリソースの共有・共通化の仕組みをどう構築するか」「一つのチームとして円滑なコミュニケーションをとるために、言語の壁や商習慣、文化の違いをどう乗り越えるか」……といった課題をクリアしなければならず、分散化で生じるズレを極力解消していく必要があります。

ビジネス要件に関する課題

「限られた予算と時間で、高品質のものを」……ITが企業のビジネス戦略を支えるケースが急増するに従い、ソフトウェア開発も「ビジネスの課題や要求に応える」ことが重視されるようになり、ビジネス側のソフトウェア開発部門へのリクエストは、ますます厳しさを増す傾向にあります。 IPAがソフトウェア開発者を対象にした意識調査(*4)によると、「プロジェクトにどんな課題が課せられていると感じるか」という質問に、「品質向上」「開発期間短縮」「コスト削減」との答えが上位を占め、「開発技術や能力の向上」、「新技術・新製品の開発」といった回答をはるかに上回るという実情が浮き彫りになりました。
(*4) IPA 「2005/6/29-7/1 ソフトウェア開発環境展(SODEC)におけるアンケート」  (PDF)

こうした「予算」「納期」「質」というリクエストは、それぞれが「トレードオフ」の関係にあり、一つを立てればそれ以外が「犠牲」になる可能性が高いのが通常です。従来の開発単位の取り組みでは、こうした問題を、個人のスキルや“がんばり”に依存することで乗り切ってきた面が大きいのですが、ビジネス要件に応える大規模な案件となると、そうした小手先だけの対応ではもはや太刀打ちできません。もちろん、開発効率を考慮しながら「質の追求」も行わなければならないのですが、ITとビジネスの関係作りがまだ過渡期ということもあり、うまく回せていないケースが少なくないのが現状ではないでしょうか。この問題を解決するには、IT部門がビジネス的視点で課題解決に取り組む姿勢を持ち、全社的観点からの「プロジェクト管理」や「品質プロセス管理」のノウハウを身につけることが、必要になってくると考えられます。

システム要件に関する課題

業務プロセスの多くがIT化されている昨今では、それを支えるソフトウェアが単体で機能しているケースは極めて少なく、「多種多様なソフトウェアやシステムが連携しながら一つのサービスを提供する」複雑化されたIT環境が一般的。こうした状況が、「一つのソフトウェアの不具合によって、企業の重要な業務全体をストップさせてしまう」など、致命的なトラブルを瞬時に引き起こす可能性につながるのではないかと指摘されています。

ソフトウェアとその基盤となるシステムの複雑化によって、トラブルを引き起こす「リスク」も高まっているのであれば、これを回避するには、ソフトウェアが本番環境下で十分な品質を維持しながら問題なく動作するかどうかを、事前に検査できる環境が必要です。システム要件に合致した客観的な基準によるテストを、ソフトウェア開発を通して十分に行い、問題があれば改善できる環境を作り上げる……そうした環境を構築することで、開発されるソフトウェアの品質向上につながり、企業が顧客に提供するサービスの「品質」にも結びついていくのではないかと考えています。

Chapter3 品質向上を実現するには?

〜注目のアプローチ「統合品質管理ライフサイクル」について〜

ソフトウェアの開発環境の変化が、サービスの「品質」に少なからぬ影響を及ぼしていること、一方で、「ITでビジネスに応える」ニーズはますます高まっていること……いずれの事実も「ITが今、“ビジネスの中核”として機能すべきものになっている」ことを示すものに他なりません。IT部門には、当然、こうした課題に応えていく力が求められ、複雑化した企業全体のITを適切に管理し、リスクを未然に防ぐ体制を構築することが不可避となってきます。

では、こうした「ソフトウェアの適切な品質管理」を実現するために、何か有効なアプローチはあるのでしょうか。ここで一つの方法として注目されているのが、「統合品質管理ライフサイクル」というアプローチです。これは(1)品質保証および性能検証のためのテストプロセスの標準化、(2)テスト資産一元管理とテストの自動化、(3)客観的な評価基準による品質管理、といった3つの方法により、「全社的に統一されたソフトウェアの品質管理プロセスを構築する」というもので、全体を一元統制したオペレーションや管理を遂行。ソフトウェアテストに関わる各プロセス間の業務や、プロジェクトと業務間のコミュニケーションなどをスムーズにする他、変更や複雑なシステム要件に対応できる効率的なテストを実現し、ソフトウェアの品質向上に大きな力を発揮します。


品質・性能管理プロセス
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このコンセプトを実現する製品としてHP Softwareが提供しているのが、「HP Quality Center」と「HP Performance Center」です。これらのソリューションは、企業の全社的な品質向上を支えるソリューションとして、ITとビジネスの整合性を図ろうとする品質管理責任者の方々の大きな注目を集めています。次号では、このHP Quality CenterおよびHP Performance Centerがどんな機能を持ち、ビジネスの課題解決にどのように貢献できるのかについてご紹介していきます。どうぞお楽しみに。

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