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【51-01】企業品質を高める“戦略的品質管理”のすすめ
〜ソフトウェア品質向上のカギとなる“性能検証”と“体制作り”のノウハウ〜

HP Software News vol.51 (2007.06.14発行)

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Vol.51 TOP

【51-01】
企業品質を高める“戦略的品質管理”のすすめ
〜ソフトウェア品質向上のカギとなる“性能検証”と“体制作り”のノウハウ〜

【51-02】
【HP Software 製品情報】
機能テストの自動化は怖くない!
HP Functional Testing softwareで実現する、テストをX倍楽にする方法

【51-03】
【HP Software 製品情報】
サーバ仮想化シナリオで紹介
HP Softwareによる仮想化環境に対するパフォーマンス管理

【51-04】
【HP Software 製品紹介】
HP Select Audit software 〜あなたの組織のID管理とアクセス制御は万全ですか?〜

【51-05】
今、注目の情報満載!ニュース、イベント、セミナーご紹介

HP Software News 2008年9月号 発行
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HP Software News vol.49よりお届けしている「ソフトウェア品質向上術」。締めとなる今回は、品質管理の最終プロセスとなる「負荷・性能検証」の重要性と、統合負荷・性能検証ソリューションとして注目されるHP LoadRunner softwareおよび、これが含まれるHP Performance Centerの特長、さらに「あるべき品質管理」を目指す参考として、テストプロセス実行の指標となる品質最適化の「成熟度レベル」と、ソフトウェア開発の体制作りに有効とされるコンセプト「センター・オブ・エクセレンス」について解説します。

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【49-01】 今だからこそ問う、企業品質を高める“戦略的品質管理”のすすめ
【50-01】 統括管理で実現する、賢い「ソフトウェア品質向上術」

ビジネスへの影響を直接的に左右する「負荷・性能検証」

企業が「ソフトウェアの品質向上」を図るために必要な、テストプロセスの最終ステップとなる「負荷・性能検証」。まずは、その重要性についてご説明します。

ソフトウェアを高品質に保つには、設計・開発から本番稼働までの、適切な品質管理プロセスを構築する必要があり、このプロセスには、大きく分けて次の3つの管理があります。まず、ソフトウェアのビジネス要件やテスト要件を管理する「要求管理」、次に、機能的側面からソフトウェアの品質を最適化する「品質管理」。そして最終ステップとなるのが、システムとソフトウェアの性能(パフォーマンス)を最適化する「負荷・性能管理」です。この最終ステップは、本番稼働前に行われる「実稼働に直結したテストプロセス」で、システムカットオーバー(本番環境への移行)後に起こりがちな、「性能に起因するシステム障害によるビジネスリスクを未然に防ぐ」という大きな役割を担うことになります。

もし、十分な負荷・性能検証が行われないまま、本番稼働に突入すると、どんな問題が想定されるでしょうか。昨今、非常に多く見られるのが、「当初の予想を超えるアクセスでサーバ処理が追いつかなくなり、システム停止を余儀なくされる」ケース。このプロジェクトが社外にも広く利用を告知するような、ビジネス戦略上重要なものであればあるほど、ビジネス機会の損失、信頼の失墜、不具合修復にかかる膨大なコストなど、経営上の損失は計り知れないものとなってしまいます。もともと、システム性能の問題は、本稼動後に顕在化するケースが多いため、問題が露呈してから修復するというのが普通になってしまっています。これでは、解決までに多くの手間やコストがかかり、その場しのぎの対処療法を続けることによって、さらに深刻な問題やコスト増につながることも懸念されます。

こうしたリスクを未然に防ぐのが、本稼動前に実施する「負荷・性能テスト」です。一つ前のプロセスにあたる「機能テスト」が、機能的な不具合を早期に発見し、開発部門と協力することで、プロジェクトの遅延やコストオーバーを回避するのに対し、負荷・性能テストは「稼働後のトラブル回避」を目的とし、ビジネスへの影響を直接的に左右すると言う意味で、非常に大きな意義を持つと考えられます。

HP Performance Centerが、最終テスト実践を着実にバックアップ

では、負荷・性能検証をどのように進めていけばいいのでしょうか。HPでは、次のような4つのプロセスの実行を提唱しています。

  1. 負荷・性能テスト

  2. 高負荷時のシステム動作およびパフォーマンスの予測と検証。

  3. 性能診断・分析

  4. パフォーマンスに関する問題箇所を切り分け、性能の最適化に必要な情報を提供。

  5. 性能チューニング

  6. 性能問題の原因となるボトルネックを特定し、問題解決を実施。

  7. キャパシティプランニング

  8. 本稼働環境のシミュレーションを行い、要件に最適なキャパシティプランニングを実施。

上記の4つのプロセスを順次進めることで、最終的に「性能の最適化」を実現することができる、というのが、HPが数多くの事例や取組みから導き出した見解です。そして、これらの実行に最適なのが、HPの統合性能検証ソリューションであるHP Performance Centerです。HP Performance Centerは、負荷テストツールとして、世界で最も使われているHP LoadRunner softwareを中核とした統合性能管理ソリューションで、負荷テストを自動化するだけでなく、リソースやユーザの一元管理機能、24時間365日のアクセスでユーザの作業を効率化するグローバルマネジメント機能など、性能検証に関する管理機能を装備したエンタープライズソリューションです。多くのユーザが利用できる「優れた操作性」、問題の特定と修正に必要な情報を瞬時に提供できる「分析機能」、.NETやJ2EEなどの最新テクノロジ、Webシステムをはじめ、汎用機やERP/CRMなど、ほとんどの企業アプリケーション環境をカバーする「幅広いサポート機能」を備え、ソフトウェア最終テスト実践を着実にバックアップします。

では、このソリューション導入で、具体的にどんな課題を、どう解決することができるのでしょうか。以下、負荷・性能検証を進める上で想定される課題と、HP LoadRunner softwareおよびHP Performance Centerが果たす機能についてまとめます。

「時間的側面」の課題

負荷・性能検証は、品質管理プロセスの最終工程に当たります。そのため、前プロセスの進行状況の影響を受けることが多く、「納期優先で十分なテスト実施の時間を確保できない」という事態に陥りがちです。ビジネスにおけるITの役割がますます大きくなる一方、開発サイクルはより短くなる傾向にあり、品質保証のための時間確保はますます厳しい課題となりつつあります。

HP LoadRunner softwareによる解決法
負荷テストでは、ビジネスプロセスを記録するスクリプト作成に多くの時間を要することになりますが、HP Performance Centerの中核であるHP LoadRunner softwareは、この作業を簡素化するために直感的で分かりやすい「仮想ユーザジェネレーター機能」を装備しています。また、Webシステムをはじめ、ERPやCRMなど、さまざまなシステム環境に対応するための広範な仮想ユーザプロトコルを提供することで、スクリプト作成にかかる時間を大幅に短縮することができます。


リリースサイクルの短縮
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「リソース的側面」の課題

Web環境の広がりとともに、万単位のユーザを抱え、数百、数千のユーザが一斉に同時アクセスするといった状況が急増し、システムに極めて大きな負荷がかかることが珍しくなくなっています。正確な負荷・性能検証において、規模が大きくなればなるほど、膨大な人的リソースが必要ですが、そのための人員の確保やコスト負担が、企業を悩ませているケースが少なくないようです。また、数百、数千さらには数万人規模の大規模負荷や同時負荷のテストを、手作業で実施するのは現実的ではありません。

HP LoadRunner softwareによる解決法
HP LoadRunner softwareは、これまで手作業では実行できなかった大規模負荷、同時負荷の検証を、必要最小限のリソースと自動化で実現します。これにより大規模システムに対する負荷・性能検証が格段にスムーズになり、極めて正確な検証で、本稼動後の拡張性や可用性を事前に確認することができます。

「システム的側面」の課題

IT活用の活発化により業務システムが複雑化し、ソフトウェアの置かれる環境も従来の “汎用機だけ”という状況から、Webサーバや.NET、J2EEなど「新たな環境が増え続ける中での稼働」という状況に変化するなど、システム環境の複雑さが性能の診断やボトルネックの特定を困難にしています。

HP LoadRunner softwareによる解決法
幅広いサポート環境と卓越した性能分析・診断機能を持つHP LoadRunner softwareは、ネットワーク、ハードウェア、OS、ミドルウェアなどの状態をリアルタイムでモニタリングすることで、高負荷時のシステムの状態を明確に把握し、性能ボトルネックの迅速な特定と性能の改善を、本稼働前に実行することができます。


広範なサポート環境
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「キャパシティプランニング」の課題

通常のシステム環境では、実際に近い負荷環境を再現し、ソフトウェアの正確な負荷・性能データを取得することは非常に困難です。しかし、正確な情報入手ができなければ、費用対効果を適正化するためのキャパシティプランニングも難しくなってしまいます。

HP LoadRunner softwareによる解決法
実ユーザと同様の負荷を生成することで、限りなく本番環境に近い負荷・性能検証を実現できるのが、 HP LoadRunner softwareの特長の一つです。また、ほとんどの企業アプリケーションをカバーする幅広いサポート機能によって、エンドユーザ視点による負荷・性能検証ができるため、キャパシティプランニングに際して、最適な性能データを得ることができます。

品質管理プロセスの達成度を知る方法とは?

これまで品質向上のための有効な考え方と、具体的対処法について述べてきましたが、最後に、「ソフトウェア品質の最適化」実現の重要な視点として、自社が「今、どこまで品質管理を適切に行うことができているか」を知り、最適の対処を行うための方法、そして、実現のために有効な「体制づくり」について述べていきます。

まず、前者の「品質管理の取組み基準」についてですが、HPでは膨大な顧客事例の研究・リサーチ結果から、【ステージ0】 から 【ステージ4】 の5つの品質管理に関する成熟度レベルを設定しています。これは「ソフトウェア品質の最適化のためのソリューション導入プロセス」を提示するものでもあり、自社の対処状況を知るための指標となると同時に、「今後取り組むべきプロセスや方向性」も明確にわかるのが特長です。上のステージへレベルアップするほど、より効率的なソフトウェアの品質向上を達成することができ、それぞれの段階に応じたソリューションや製品の選択にも役立てることができます。


品質最適化の成熟度レベル
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【ステージ0: 手動プロセス】
品質管理ツールや自動化テストツールが導入されていない状態。手動によるテストが行われている。

【ステージ1: 基本部分の自動化】
プロジェクトレベルで品質管理ツールや自動化テストツールが導入され、テストの基本部分が自動化によって行われている。

【ステージ2: 共通ソフトウェア(ツール)の利用】
複数のプロジェクトで同じ品質管理ツールや自動化テストツールを導入することで、経済的効率化を実現している。

【ステージ3: 共有プロセスと専門知識・経験の活用】
品質管理や自動化に関するノウハウやナレッジを共有することで、品質管理に関するベストプラクティスを構築。全社レベルでの品質管理基盤の整備とテストプロセスの効率化を実現している。

【ステージ4: 品質管理サービスの提供】
テストプロセスを標準化するとともに、品質管理に関する人員、プロセス、ツールなどのテクノロジを集中化。品質管理に関するベストプラクティスをサービスとして提供し、全社的な品質の向上を図る体制が整っている。

ちなみに、HPが行った「テストプロセス管理」についてのアンケート調査によれば、60%以上の企業が何らかのテスト管理を実行していましたが、実際にテスト管理ツールを導入している企業はまだ全体の2割弱で、8割にあたる企業が【ステップ0】にとどまっており、ソフトウェア品質向上の鍵となるテスト管理の重要性は認識しているものの、ツールの導入などの本格的な取組みが遅れている、あるいは、テスト管理の重要性にまだ気づいていない企業も決して少なくないことが見てとれます。

ITシステムがビジネスにとって不可欠であり、ソフトウェアの質が企業価値を大きく左右する現在、「ソフトウェアの品質管理の重要性」を認識し、管理プロセスの構築と適切なツールの導入で、より効果的かつ効率的な品質管理体制へのレベルアップを図ることが重要です。企業にとって、品質向上、障害リスクの低減、コストの削減は避けて通れない課題であり、ビジネスにおける優位性を保つためにも、早めの決断と速やかな実行で、品質管理に取り組むことが、賢明な選択と言えるのではないでしょうか。

システム品質管理体制の理想型「センター・オブ・エクセレンス」

最後に、今まで述べてきた「品質管理の最適化」に必要な「体制作り」で、昨今、注目を集めている「センター・オブ・エクセレンス:Center of Excellence(以下CoE)」というコンセプトについてご説明しましょう。

CoEは「中核的研究拠点」と訳され、「ある特定の分野について、第一線の研究者が最先端の研究環境の中で、集中的に研究・開発を行う」という考え方を指します。もともとは産学連携などの政策の場で戦略として用いられてきたのですが、昨今は企業でも採用するところが増加。その基本的コンセプトは「組織的な能力向上を図るために、企業内外に十分なスキルやノウハウを備えた人材、ツール、方法論、ベストプラクティスなどを集結したグループ(組織・部門)を形成。業務遂行に必要なノウハウやリソースを適宜提供する」と定義されています。

これは言い換えれば、前述の「品質最適化の成熟度レベル」の、ステージ3、4段階に人(組織)を結びつけた形にあたるもので、そこで発揮されることになるのは「企業が標準化された品質・運用管理プロセスを持ち、サービスとして社内外に提供する」という機能。この体制は、多くの部門にまたがりながら、連携的な動きが必要なプロジェクト遂行に有効で、優れた手法や知識の蓄積を一部の組織だけでなく、組織全体で有効に活かすことで、企業は計り知れないメリットを享受することができると考えられています。


センター・オブ・エクセレンス
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ではこの手法を、企業のソフトウェア開発・運用に当てはめてみましょう。通常、開発・運用は、各プロジェクトやシステムごとに進められることが多く、品質管理や運用管理の手法や知識は、それぞれに蓄積され、他のプロジェクトやシステムに活用されるケースは極めて稀。これでは、各プロジェクトや部署で同じような失敗を繰り返し、無駄な手間、コスト、リソースの発生が日常化してしまいます。
※参考:CoEケーススタディ 〜CoEを実践した場合と実践しない場合〜
CIO がIT 責任者に新規ソフトウェアの開発を指示した場合、CoE体制の有無により、以下のようなプロセスの違いが想定されます。

CoEを実践した場合 CoEを実践しない場合
IT 責任者がCoE のプラクティスマネージャに支援を要請。クオリティ(品質)CoE マネージャが、プロジェクト・マネージャ、ソリューション・アーキテクト、各分野のドメイン・エキスパートに、プロジェクト品質のリーダーシップを任せる。 IT 責任者が、開発、品質保証(QA)、性能保障(PA)チームを召集。ソフトウェア開発者、テスト担当者、QA 、PAスペシャリストは、進行中のそれぞれのプロジェクトを一時離れることになる。
この体制により、クオリティCoE スタッフの提供する専門知識や技術、標準化されたツール、ベストプラクティスの活用が可能になり、ソフトウェア開発プロセスとテストプロセスの合理化を実現。結果、より短い時間でより高品質のソフトウェア配備が可能になる。 各担当者は、それぞれのツールと、プロセスやベストプラクティスに関する見解を持ち、互いの認識の相違や連携不足などの事態がしばしば発生。
なお、CoE スタッフはKPI(主要管理指標)を設定し、ソフトウェアが品質基準を満たしているか、カットオーバが可能かを客観的に検証。より強固なリスクの未然防止策を図ることができる。 結果、プロジェクト遂行に予定以上の時間とコストを要し、品質目標が十分に達成されないケースも少なくない。

また、初回で説明したように、昨今はソフトウェア開発が、いくつもの拠点で連動しながら展開される他、オフショアで行われる割合が増えている、という事情もあります。こうした状況で品質レベルの維持を図るには、IT部門が中心となって品質管理CoEを形成し、「プロジェクト単位でのテストから専門家組織によるテストへの変更」「設備投資と人的資源の統合・集約によるサービス提供の合理化」「経験及びスキルの蓄積によるサービス品質の向上」の3つのアプローチが有効だと考えられます。これによって企業は、品質管理をより効率的に低コストで実現でき、同時にこの部門に携る人に新しい「ITプロフェッショナル」としてのキャリアパスが開ける、組織に有能な人材を集めやすくなる……など、従来にはなかったメリットも発生。CoE体制がもたらす効果は、企業にとっても、ITに携る人にも、決して無視できないものと言えるのではないでしょうか。


品質に関するプロセスとリソースの集中化
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3回に渡り、ソフトウェアの品質管理について述べてきましたが、いかがでしたか? 競争優位を目指す以上、ソフトウェア品質管理の徹底は、これからの企業の不可避な課題。ぜひその重要性を認識し、賢明な解決方法で「ITによるビジネス最適化」を実践してみてください。

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