これまで品質向上のための有効な考え方と、具体的対処法について述べてきましたが、最後に、「ソフトウェア品質の最適化」実現の重要な視点として、自社が「今、どこまで品質管理を適切に行うことができているか」を知り、最適の対処を行うための方法、そして、実現のために有効な「体制づくり」について述べていきます。
まず、前者の「品質管理の取組み基準」についてですが、HPでは膨大な顧客事例の研究・リサーチ結果から、【ステージ0】 から 【ステージ4】 の5つの品質管理に関する成熟度レベルを設定しています。これは「ソフトウェア品質の最適化のためのソリューション導入プロセス」を提示するものでもあり、自社の対処状況を知るための指標となると同時に、「今後取り組むべきプロセスや方向性」も明確にわかるのが特長です。上のステージへレベルアップするほど、より効率的なソフトウェアの品質向上を達成することができ、それぞれの段階に応じたソリューションや製品の選択にも役立てることができます。

品質最適化の成熟度レベル
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【ステージ0: 手動プロセス】
品質管理ツールや自動化テストツールが導入されていない状態。手動によるテストが行われている。
【ステージ1: 基本部分の自動化】
プロジェクトレベルで品質管理ツールや自動化テストツールが導入され、テストの基本部分が自動化によって行われている。
【ステージ2: 共通ソフトウェア(ツール)の利用】
複数のプロジェクトで同じ品質管理ツールや自動化テストツールを導入することで、経済的効率化を実現している。
【ステージ3: 共有プロセスと専門知識・経験の活用】
品質管理や自動化に関するノウハウやナレッジを共有することで、品質管理に関するベストプラクティスを構築。全社レベルでの品質管理基盤の整備とテストプロセスの効率化を実現している。
【ステージ4: 品質管理サービスの提供】
テストプロセスを標準化するとともに、品質管理に関する人員、プロセス、ツールなどのテクノロジを集中化。品質管理に関するベストプラクティスをサービスとして提供し、全社的な品質の向上を図る体制が整っている。
ちなみに、HPが行った「テストプロセス管理」についてのアンケート調査によれば、60%以上の企業が何らかのテスト管理を実行していましたが、実際にテスト管理ツールを導入している企業はまだ全体の2割弱で、8割にあたる企業が【ステップ0】にとどまっており、ソフトウェア品質向上の鍵となるテスト管理の重要性は認識しているものの、ツールの導入などの本格的な取組みが遅れている、あるいは、テスト管理の重要性にまだ気づいていない企業も決して少なくないことが見てとれます。

ITシステムがビジネスにとって不可欠であり、ソフトウェアの質が企業価値を大きく左右する現在、「ソフトウェアの品質管理の重要性」を認識し、管理プロセスの構築と適切なツールの導入で、より効果的かつ効率的な品質管理体制へのレベルアップを図ることが重要です。企業にとって、品質向上、障害リスクの低減、コストの削減は避けて通れない課題であり、ビジネスにおける優位性を保つためにも、早めの決断と速やかな実行で、品質管理に取り組むことが、賢明な選択と言えるのではないでしょうか。 |