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【初めに】
アポロ13号の映画を観ていると再認識させられるのが構成管理の重要性です。次々と起こるインシデントに対し効果的なワークアラウンドを迅速に、しかも信頼できるものとして作り出すには正しい構成情報が不可欠です。
その後、宇宙飛行士3名が月着陸船へ緊急避難するのですが、もともとこの月着陸船は2名用に設計されており、従って飛行士が吐き出す二酸化炭素用のフィルターも2名用で設計されていました。時間がたてば船内の二酸化炭素の濃度は上昇してしまい、脳の思考回路が正常に回らなくなり最悪の場合は死に至ります。すぐに二酸化炭素を取り除くフィルターを指令船の物(3人用)と交換する必要があるのですが、指令船のフィルターは四角で着陸船にあるフィルターは筒型になっておりそのままでは交換取り付けができません。地上ではすぐに関係スタッフを集め、宇宙服、飛行計画書、タオル、ホース、ガムテープ、ゴミ袋などなど宇宙船内にあってかつ使えるものを全て大きな机に投げ出し全員で形の違うものの取り付け方法を考えます。
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このとき構成情報が大変役に立っていることがわかります。地上にいながらにして何が宇宙船内にあって、何に使えるのかが分かるので正確なワークアラウンドの検討が迅速に行われたわけです。したがって、ワークアラウンドすなわちインシデント管理には、正確な構成情報があればより効果的且つ正確なワークアラウンドが作成しやすいことがわかります。
地上要員の迅速な対応のおかげで3人の宇宙飛行士には正確なワークアラウンドが伝えられ、二酸化炭素の問題から逃れることができたのです。もっとも、二酸化炭素のフィルターが同じ形、標準仕様であればこの問題も小さなことで済んだかもしれませんね。標準化が全ての基本であることも学べます。
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さて、地球に再突入するためには燃料電池不足の為にシャットダウンさせた制御用コンピュータの再立ち上げが必要ですが、宇宙船にはもう十分な電力がなく、ぎりぎり最小限の電力でコンピュータを立ち上げなければなりません。そこで地上では予備の飛行士が地上に置かれた宇宙船のシミュレータを使って、コンピュータの再立ち上げの手順をテストを重ねながら模索します。このときも過去の構成情報から現在の状況へアップデートする為にわざわざ船内を暗くして、暖房も入れず実際と100%条件を同じくして実行します。
幸運にもコンピュータの再立ち上げの為の手順が見つけ出され、最終的に3人の宇宙飛行士は無事に地球に帰還することができました。
まさに一切の妥協を許さない、予算、コストにいとめをつけない状況の中でこそできたことかもしれませんが、これだけ詳細な構成情報があればIT運用の世界でも効率を最大化することができるでしょう。
ITILでは構成管理の目的を以下のように定義しています。
- ITサービスに含まれる全ての資産や構成を明確にすること
- 正確な構成情報と関連文書を提供し、他のサービス・マネジメント・プロセスを支援すること
- インシデント管理、問題管理、変更管理、リリース管理の信頼できる基盤を提供すること
- 照合を行い構成情報の検証と例外をくまなく修正すること
急速な技術革新と最近のビジネスにおける変化の大きさと速さの為に、IT運用における構成情報の管理は大変難しくなっています。コストに見合った形で、妥当でかつ正しい程度の広さと深さを持った構成情報を構築しなければなりません。放っておけばあまりにも詳細すぎて構成情報をメンテナンスするだけで大変な手間を要してしまいますし、少ない構成情報であればいざと言うときに役にたちません。
またITILでは構成管理の基本的な活動として以下の4つを挙げています。
- 計画立案
- 識別と構成要素
- コントロール
- ステータス
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すなわち構成管理の目的や適用範囲、ポリシーや手順作成からはじめて、相互関係や構成文書、識別やバージョンの割付などを行い、それらが常に正しい情報であるように日々コントロールを行い、必要なときにステータスが確認できるようにするということです。
コストに見合った形の構成管理を行うのはかなり高いハードルかもしれません。実際ITILに書かれている構成管理はかなり詳細で一般的なITユーザ企業としては手間がかかりすぎるかもしれませんし、ITILのとおりに実施できている企業もほとんどないのではないでしょうか。
ビジネスはITそのものであるという書き出しで始まるITILです。自社のビジネス要件にあわせた形で日々構成情報を進化させてゆけば良いのです。ITILの構成管理プロセスを参考にして、コストに見合った形の構成管理を目指してください。
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