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HP OpenView News 【38-02】
新連載登場!続・アポロ13とITIL-1-

Vol.38 (2006.05.18発行)

HP OpenView News TOP

Vol.38 TOP

【38-01】
HP OpenViewのビジネスパートナー様ご紹介 第13弾

【38-02】
続・アポロ13とITIL-1-

【38-03】
シリーズ“HP OpenView講座”vol.21
新入社員の方必読!IT運用管理入門講座

【38-04】
Network Node Manager ver.7.51ご紹介

【38-05】
AssetCenterご紹介

【38-06】
Internet Services で行う Web アプリケーション管理

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今、注目の情報満載!ニュース、イベント、セミナー情報

HP OpenView Newsのご紹介

HP OpenView

ITSMとITIL

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続・アポロ13とITIL - 1 -

以前、このHP OpenView Newsでご紹介した「アポロ13とITIL」シリーズ。
ITIL理論をアポロ13の物語に照らし合わせ、リリース管理、インシデント管理、 構成管理の3つのポイントをご紹介しました。

多くの読者の方のご要望にお応えし、「続・アポロ13とITIL」と題して、更にITIL理論を掘り下げたいと思います。


*バックナンバー HP OpenView News (vol.23〜vol.25 「アポロ13とITIL」)は こちらから

プロアクティブなアクションは効果的

宇宙飛行中に酸素タンクの爆発が起きたために、アポロ13は月面着陸どころか地球への帰還も危ぶまれる状況に置かれます。遠い宇宙空間での、次から次へと起こる様々な問題や障害に対し、宇宙船内でも地上でも必死にアクションを重ね、有効なワークアラウンドを考え出しては確実に実行していきます。
映画を観ていると、お見事としか言いようのない、すばらしい対応の連続で危機を乗り切っていくのですが、しかし、これらは、問題が発生するたびに対処をおこなうアクションを実行しているのです。 ITILではこれらのアクションを通常“リアクティブなアクション”と言います。サービスデスクの機能やインシデント管理のプロセスのなかでのアクションは、そのほとんどがリアクティブなアクションとされています。
「何かが起こったから何かをする」 IT運用の世界ではいつも見られる光景です。「ファイヤーファイティング(火消し作業)」と言ったり、日本では「モグラ叩き」と言う表現を使う場合も有ります。いずれにしてもあまり良い言葉としては使われていないようですね。
つまり、「何かが起こったから何かをする」のでは、あまり進歩が無いように感じられるということであり、本来あるべき姿は、「何も起こらないために何かをする」ということなのでしょう。
リアクティブな状況ですと、例えば自分の電話が鳴ったりすると、今度はいったい何事が起こったのか、自分で対応してワークアラウンドを作ったり、復旧させることができるのか?といつもびくびくしていなければならず、あまり気持ちのいいものではないですよね。

さて、映画の場面に戻りますが、様々な危機を乗り越えて、いよいよ地球の大気圏へ突入する準備にとりかかる場面では、3人の宇宙飛行士が月着陸船から司令船へと乗り移ることになります。先に1名の飛行士が司令船に移り、司令船の限られた電力でコンピュータを再起動させ、準備が整ったところで残りの2名の飛行士が司令船に乗り移り、月着陸船を切り離します。
3名がそろったところで、先に乗り移っていた飛行士が切り離しの為のスイッチをON にしようとすると、そこには「NO」とかかれた紙切れが1枚貼り付けてありました。それを見た船長が、「これは何だ」と聞くと、「残り2人が月着陸船に残っている状態で、間違って切り離してしまっては絶対にいけない、その間違いを起こさない為だ」と答える場面があります。「NO」と書かれた貼り紙を見て、他の2名の飛行士との間には、危機をここまで一緒に乗り越えてきたという信頼感が生まれるという、一瞬ですが印象に残る場面です。

この「NO」と書かれた紙を貼り付けるアクションですが、ITILでは“プロアクティブなアクション”と言います。「問題を起こさないように、事前に何かをする」ことです。プリベンティブ(予防的)なアクションとも言いますね。過去の事例を解析して、対策をおこなったわけです。もしかしたら最近の証券取引関係で発生した事故は、このアポロ13を参考にすれば防げたかも知れなかったですね。

ITILでは、このプロアクティブなアクションをどんどん実施していこうという考え方があります。特にサービスサポートの中の、問題管理というプロセスには、何かが起こったから、その根本原因を突き止めて対処するというリアクティブなアクションと、過去にどのような事が起こったのか、それらに対するアクションはどのようなものだったのか、どのような問い合わせがあったのか等々を解析し、評価し、そして問題が将来起こるかも知れない項目には対応をする、と言うプロアクティブなアクションがあります。
プロアクティブなアクションを確実に実行していくと、発生する障害や問題を防ぐことになります。障害や問題が発生する回数が減ると、サービスデスクにかかってくる障害報告や問い合わせなどの電話の回数が減り、サービスデスクにかかってくる電話の回数が減ると、障害や問題に対応する為のリアクティブなアクション(作業)が減ります。リアクティブなアクションが減ると、その分、プロアクティブなアクションを更に行うことができるようになり、どんどん良い循環に入っていくことができるのです。そうなれば、IT運用が担当するシステムの信頼性や可用性を改善する事が可能になり、エンドユーザや顧客(ビジネスに責任と権限をもったビジネス側のマネージャ)の満足度が向上することになり、何よりも、システム障害や問題が起因するビジネスへの負のインパクトを減らすことに大きく貢献することになるのです。

リアクティブなアクション、すなわち、ファイアーファイティングが続いている時は、IT運用要員の志気は高いとは言えません。しかし、プロアクティブなアクションが続き、システムの信頼性や可用性が改善され、ユーザや顧客の満足度が高まり、評価されるようになると、IT運用要員の志気は高まっていきます。志気の高い組織の生産性は、悪い組織と比べたら比較にならないほど良いものです。
そして、志気の高い組織がさらにプロアクティブなアクションを続けていくと、今度は、ビジネスにどうしたら貢献できるのかを考えるようになります。IT運用としてビジネスに貢献するためのアクションやビジネスへの価値ある提案など、IT運用組織としての成熟度が高まっていき、最終的にIT運用組織として「ビジネス目標を達成させる文化」を持つようになるのです。ビジネスの成功要因としての役割を果たすようなIT運用組織へと成長すれば、その企業はITをどんどん活用してビジネスを伸ばしていくことになるでしょう。
アポロ13では、宇宙に飛び立ってから起こる障害や問題に対処するリアクティブなアクションが多いのですが、よく観てみると、プロアクティブなアクションも行われていたのですね。おかげで、間違って2人の宇宙飛行士を月着陸船に残したまま、司令船と切り離してしまい、「彼らが地球へ戻るすべを失う」という事故を未然に防ぐことができたわけです。

ITILを実践することを考えると、大掛かりなことを考える方が多いようですが、実は映画のように、小さな改善を重ねて行く事が非常に大切です。「スモール・ステップ・クイック・ウイン」即ち、「小さく始めて早く結果を出す」と言うことが大切でありITILを実践の成功の秘訣であることはITIL自身に書かれています。

プロアクティブなアクションは問題管理だけで行われるものではありません、ITILのほとんどの機能やプロセスで実行する事が可能です。どんどんプロアクティブなアクションを実行して、IT運用の成熟度を高め、文化を変えていってください。

次号は、アポロ13から可用性管理を考えてみたいと思います。
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