ITILでは、ITサービス運用組織の設置を「ローカル」にした場合と「リモート」にした場合とでの考え方が述べられています。
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「ローカル」とは顧客やユーザの拠点ごとにサービス組織を設置することとされており、顧客やユーザに物理的に近いところでサービスを提供できるので、地域に密着したそれぞれの拠点固有の問題にも対応でき、何か問題が発生した場合には直ぐに現場に出向く事ができます。しかし、拠点毎にITサービス運用組織を設置する事は、他の地域に対するサービスの提供は実現されないため、その分の人件費や設備費の上で不利になる場合が多くなるばかりか、日々のITサービス運用から得られるノウハウがITサービス運用組織全体で共有されにくいといった問題を抱えるといった弊害もあります。
一方、「リモート」とは顧客やユーザの拠点や場所にはこだわらず、場合によっては離れた場所にサービス組織を設置することとされており、「ローカル」のように地域に密着した問題には対応はできにくいことや、場合によってはそれぞれの国や地域による言葉、習慣、法律等の規制への対応が課題になることはありますが、例えばヒューストンにある管制センターがケープキャナベラル以外の地域からのロケット打ち上げにも対応できるなど、広範囲にわたり、一定のサービスが提供できるといった利点もあります。
さらにITILでは、「リモート」における運用組織の編成を「セントラル」または「バーチャル」に分け、その特性を説明しています。
「セントラル」とはITサービス運用組織をどこか一カ所に集約して組織化することで、運用のプロセスや手順およびサービスレベルを標準化しやすくなるという特徴があります。集約することにより、各支店や拠点毎にサービスレベルが違うと言った不満は解消されるようになります。また、主要な要員も集まることになるのでナレッジデータベースの構築を容易にし、要員同士のコミュニケーションが活発化しやすくなりますが、逆に一カ所に集めるための移動や引越しコストや、場合によっては一カ所に大きな設備(オフィス・住居など)を設置する必要が発生したりもします。
アポロ13では、ロケットの発射場所がケープキャナベラル、管制センターはヒューストンと「リモート」の形式を取り、更に組織をセントラル化することで、ITサービス要員のコミュニケーションが活性化し、ナレッジデータベースを共有させていくことができた結果、次々に引き起こるインシデントの解決に迅速に且つ的確に実践できたように感じられます。
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一方、運用組織を「バーチャル」にした場合ですが、これは散在するITサービス運用の要員をあたかも一カ所にまとめて運用を行っているかのように仮想化して組織化することをいいます。バーチャルな組織では、最新のテクノロジを活用して、地方に散在する主要な要員をあたかも一カ所にいるように運用させます。たまたま、ネットワークについて非常に詳しい要員が離れた地域にいたならば、物理的には離れていても、緊密な連携をもってインシデントやサービス要求にあたかも一ヶ所に2名の要員がいるかのように対応する事ができます。または、どちらか一方が休暇中でも他の地域のエキスパートが対応することも可能となります。拡大して考えると全世界的にバーチャルな組織を実現すれば、3交代制など深夜勤務させなくとも、24時間サポートを実現することも可能になるわけです。これは、事前にトレーニングやテクノロジツールの応用、作業の標準化や言葉の定義等一定のノウハウを持つことが前提とされているのですが、欧米の先進的なグローバル企業の幾つかはこのようなバーチャル組織を採用して24時間サポート(Follow the Sun)を実現しています。
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