COBITそのものについては、過去のHP OpenView Newsでも触れております(*2)ので、そちらをご参照いただくとして、ここでは、COBITが「ITガバナンスのためのプロセスとフレームワーク」としてどのように記述されているかをご説明します。
(*2)HP OpenView News vol.31-02 コンプライアンスとITマネジメント -3-
「経営にもITにもフレームワークは有効だ! 〜COSO,COBIT,ITILの関係
統制フレームワークとしてのCOBITには、4つの領域に34の統制目標が存在します。
(参考文献1.より)
その統制目標には、
1) COBITの概要記述
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ITガバナンスとの対応を含む |
2) 複数項目にブレークダウンされた詳細
3) プロセスとしてのインプットとアウトプット
4) 利害関係者別の責任分担表
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RACIチャート:Enterprise Architectureとの関連で、Activityごとに、各利害関係者の役割をResponsible, Accountable, Consulted, Informedの別に整理 |
5) ゴールとメトリクス
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Activity, Process, ITのゴール、KPI(Key Performance Indicator:重要成果達成指標)、そしてプロセス、ITのKGI(Key Goal Indicator:主要目標達成指標) |
6) 成熟度モデル
以上6つのプロセスが各項目について記載されています。
(尚、この1)〜6)の番号は便宜上本稿でのみ使用しています。)
5)と6)は計測のための項目で、特に6)の成熟度モデルが興味深いですが、各統制目標がどの程度達成されているかを測るための、おおまかな判断要件を示しており、またソフトウェア品質を管理する際のCMMI(*3)を参考に作られています。
(*3) CMMI (Capability Maturity Model Integration) :
米カーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所が公表したソフトウェア開発プロセスの改善モデルとアセスメント手法であるCMM(Capability Maturity Model)に、有識者の意見や多くのプロセス改善事例を反映させて作成された新しい能力成熟度モデルのこと。組織や企業のソフトウェアプロセスの成熟度を示すことができ、組織におけるソフトウェア開発などの能力を向上させたり、能力を客観的に判断するための指標として利用されている。 |
COBIT3.0でも同様の統制目標が設けられていましたが、COBIT4.0では、1)、2)、4)について追記変更され、よりハイレベルで、尚且つ34の統制目標がITGI( IT Governance Institute :ITガバナンス協会)により定義されたITガバナンスの5つのドメイン(*4)にそれぞれどう対応しているかについても五角形の絵を使って記述されています。
(*4)ITガバナンスの5つのドメイン (ITGI 「IT Governance Implementation Guide」より)
Alignment / Value Delivery / Risk Management / Resource Management / Performance Measurement
(こちら にCOBIT4.0とCOBIT3.0の違いが記述されています。ご参考まで。)
では、具体的にはどのようなことが書かれているのでしょうか。例えばこれら34の統制目標のうち、「変更の管理について」はこちらのような記載がされています。
「変更管理」というと、ITILを思い出される方も多いかと思います。COBIT4.0に記載されている「変更の管理」にも、ITILや、ITにおいては「当たり前」とされていることが書かれていることがわかります。
では、なぜその「当たり前」に価値があるのでしょうか。前回(vol45)、「組織内の誰もが合意できる一定の基準、共通のガイドラインが必要」、と述べました。つまり、「当たり前のこと」でありながら、公的にまたは一般に広く認められたものである必要がある、ということに価値があり、同時に、COBITという形に体系化され、共有でき、文書化でき、そして網羅性があり、継続的に利用でき、容易である、ということにも価値があるのです。 |