HP OpenViewの歴史を語るうえで、HP OpenViewが世に出た時期と名前の由来からと思ったのですが、いきなり躓いてしまいました。
実は、今となっては正確に誰が(HPのどの事業部が)、どのように、「HP OpenView」という名前を付けたのかは定かではなく、また、HP/日本HP社内にも、製品の編纂史的なまとまった情報がないため、現在では30製品以上もあるHP OpenViewファミリの最初の製品が何であったのかも定かではありません。
ただ、筆者が調べる限りでは、やはりNetwork Node Manager(以下、NNM)が最初のHP OpenViewを冠した製品であったようです。現在に至る主要バージョンのリリース時期がログとして残っていました。(日本でのリリース時期とは一致しません。)
≫NNM リリースの履歴 (PDF)
NNMがHP OpenViewがネーミングされた最初の製品だとすると、いまや死語ともいえる「Open System」環境のネットワークを視覚化「View」する、というのがHP OpenView の名前の由来かもしれませんね。
いまやNNMのAuto-Discovery機能は当たり前かもしれませんが、当時(17年前)においては、まだインターネットという概念ができる以前であり、企業内・キャンパス内にネットワークが張られはじめた時代でした。メインフレームからの分散環境への移行に際しては、この局所的なネットワーク環境内ですら、障害箇所の特定・ネットワーク構造の把握が必須であり、NNMは画期的な管理製品として急速に利用され始めたのです。NNMをインストールして企業ネットワークに接続するだけで、自動的にネットワーク・マップを描画する、コンソールを見ていると、時間ごとにノードが増え、結線されていくなど…。最初にNNMをみたネットワークエンジニアは本当にびっくりしていたそうです。筆者はエンジニアでないので、その効用にすら気付かなかったのですが。
さて、NNMの歴史を辿る上で、筆者にとって思い出深いのはNNM5.0がリリースされた時のことです。NNMは、バージョン5.0で初めてWindows NT版製品がリリースされ、筆者は当時、このNNM5.0の日本での市場投入に関与した仕事に携わっておりました。日本での製品発表会を大手町にある経団連会館において、日本でのOEMパートナ各社様にも同席いただき、エンドーズメントを受け、共に行ったことを昨日のように思い起こします。
NNMはすでにグローバルでは販売開始より17年以上を経ており(日本でのNNMの販売開始は1993年頃からですので、14年)、
これだけ長い間利用され、なおも拡張を続け、販売を拡大しているソフトウェアは、業界でも特異なものであるといえます。それだけ多くのお客様に愛されてきた製品であり、今後もさらに改善・強化していかねばならない思いを新たにします。
さて、NNM以外にHP OpenViewの初期からラインアップされていた製品としては、Operations (OVO), Performance, GlancePlusがあります。
紙面の関係上、リリースの履歴は省きますが、調べた限りでの各製品の最も古いバージョンのリリース時期は以下の通りでした。
| 製品名 |
リリース時期 |
| Operations Center A.02.10 |
1995年12月 |
| PerfView Version B.05.01 |
1997年3月 (9.x & 10.01) |
| PerfView Version C.00.00 |
1997年7月 (10.20 only) |
| GlancePlus Version B.10.31 |
1997年10月 (10.01, 10.10, 10.20, & 10.30) |
| MeasureWare Agent Version B.02.22 |
1998年12月 (10.01) |
Operations Centerは、HP OpenView Operations(以下、OVO; ただし、2/1日以降はHP Operations Manager softwareとい名称になります。)のことです。このリリース時期を見るかぎりではNNMの方が早いのですが、Operation Centerバージョン1.0のリリース時期が不明なため、よくわかりません。(後述のITILへの取り組みの歴史のなかでは1994年らしいです。)また、GlancePlusについては、その開発の出自は、HP-UXのオペレーティングシステムにおけるパフォーマンスのボトルネックを診断するツールとして、HP-UXの開発部門の内製ソフトウェアが元になっており、当初はHP OpenViewの名称を冠していませんでした。その後、非常に優れたソフトウェアであることから、パッケージ化され、HP OpenViewファミリに組み入れられるようになりました。現在でも、HP OpenView GlancePlusは、外販だけでなく、HPのサポート・エンジニアによってパフォーマンス解析・診断用に利用されています。
ちなみに、Operations Centerが、OVO になる過程では、製品名称は以下のように変遷しました。
| 製品名 |
バージョン(略称) |
| HP OpenView Operations Center |
1.0 (OpC) |
| HP OpenView Operations Center |
1.1 (OpC) |
| HP OpenView Operations Center |
2.0 (OpC) |
| HP OpenView IT/Operations |
3.x (ITO) |
| HP OpenView IT/Operations |
4.x (ITO) |
| HP OpenView IT/Operations |
5.x (ITO) |
| HP OpenView VantagePoint Operations |
6.x (VPO) |
| HP OpenView Operations |
7.x (OVO) |
| HP Operations Manager software |
7.x, 8.x (Operations Manager)** |
名称がころころ変わるのは決して良いことではありませんが、後述するようにHP OpenView全体の戦略・方向性によって変わってしまうことが多く、特にOVOはHP OpenViewの中核製品でもあり、結果的に出世魚のようにビジネス拡大・戦略進化に従い、名前が変わっていきました。そして、2/1付けをもって、今度は、HP Operations Manager softwareとなったわけです。
|