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はじめてのHP-UX

第10回:LVMによるディスクボリューム管理・その1

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はじめてのHP-UX 第10回:LVMによるディスクボリューム管理・その1
LVM(Logical Volume Manager)とは、何台かのディスクをひとつのグループにまとめ、そこから論理ボリューム(パーティション)を切り出すことのできるHP-UXの機能です。LVMを利用することで、ディスクの追加や論理ボリュームの拡張といった作業を、システムを止めずに実行できます。また、複数のディスクをひとつにまとめることで、アプリケーションからは1台の巨大ディスクとして利用できます。とりわけスケーラビリティや高可用性が求められるミッションクリティカル環境では、こうしたLVMの能力はとても重宝します。
はじめてのHP-UX 第10回
LVMとは何か?
物理ボリュームのデバイスファイル名
2006年1月
テクニカルライター  小林聡史

LVMとは何か?

LVM(Logical Volume Manager)とは、何台かのディスクをひとつのグループにまとめ、そこから論理ボリューム(パーティション)を切り出すことのできるHP-UXの機能です。LVMでは、システムの運用を継続したまま論理ボリュームのサイズ変更やディスク追加が可能です。
 
図1:LVMによる論理ボリュームの構成
図1:LVMによる論理ボリュームの構成
   
 

LVMを利用することによって、どのようなメリットが得られるでしょうか。例えばLVMを使用せず、アプリケーションから1台のディスクを直接利用するケースを考えてみましょう。この場合、アプリケーションのデータが増加してディスク容量が不足したときは、より容量の大きなディスクを用意してアプリケーション・データを移行するなど、手間のかかる作業が発生します。もちろん、その間はシステムを停止させなくてはなりません。また、1台のディスクでは収容しきれない大規模データを扱うことも困難です。

これに対しLVMでは、ディスクの追加や論理ボリュームの拡張といった作業を、システムを止めずに実行できます。また、複数のディスクをひとつにまとめることで、アプリケーションからは1台の巨大ディスクとして利用できます。とりわけスケーラビリティや高可用性が求められるミッションクリティカル環境では、こうしたLVMの能力はとても重宝します。


LVMにまつわるそのほかのツール

ただ、LVMの論理ボリュームのサイズは自由に変更可能ですが、その中に収容するファイル・システムのサイズを変更するには、ファイル・システムを一度アンマウントしなければなりません。HPが有償製品として提供するファイル・システム「HP Online JFS」を利用することで、マウントしたままでのサイズ変更が可能になるため、アプリケーションを止める必要がなくなります。

またLVMは、HP-UXのEnterprise OEに含まれる「MirrorDisk/UX」との併用により、特別なハードウェアを使用せずにディスクのミラーリング(RAID1)やストライピング(RAID0)を実現できます。例えば1つの論理ボリュームの内容を複数のディスクにミラーリングすることで信頼性を高めたり、ストライピングすることでスループットを伸ばしたりできます。

ちなみにHP-UXでは、LVMのほかにもVxVM(Veritas Volume Manager)と呼ばれるベリタスが開発した論理ボリュームマネージャが標準装備されています。LVMにはないVxVMの特徴としては、ストライプミラー(RAID01)やRAID5によるディスクアレイを構成できる点や、複数のディスク・インタフェースを介した負荷分散機能などがあります。LVMとVxVMはひとつのシステムに共存することが可能で、LVMのディスクをVxVMに変換する手段も用意されています。


LVMの概念

ではまず、LVMで用いられる基本的な用語や考え方について紹介しましょう。LVMを使うには、まずディスクを初期化して「物理ボリューム」(LVMディスクとも呼ばれます)を作成します。図1の例では、500MBのドライブ3台を物理ボリュームとして用意しています。

つづいて、1つ以上の物理ボリュームをまとめて「ボリュームグループ」を構成します。図1では、1.5GBのボリュームグループ(/dev/vg01)をひとつ構成しています。なお、ボリュームグループには最大で255の物理ボリュームを追加できます。

このボリュームグループの中から、複数の「論理ボリューム」を切り出すことができます。図1の例では、「/dev/vg01/lvol1」、「/dev/vg01/lvol2」、「/dev/vg01/lvol3」という3つの論理ボリュームに分割されていることがわかります。これらの論理ボリュームの中にはファイル・システムを作成できるほか、スワップスペースやrawデータ領域を確保することも可能です。


物理エクステントと論理エクステント

LVMでは、物理ボリュームと論理ボリュームをそれぞれ「物理エクステント」、「論理エクステント」と呼ばれる単位で分割し、それらの間のマッピングを管理しています。

 
図2:物理エクステントと論理エクステント
図2:物理エクステントと論理エクステント
   
  物理ボリュームは、先頭から順番に4MB単位で物理エクステントに分割されます。この物理エクステントのサイズは変更が可能で、ボリュームグループの作成時に1〜256MBの間で設定できます。一方、論理ボリュームは、物理エクステントと同じサイズの論理エクステントの集まりによって構成されます。LVMは、論理ボリュームの作成時に、この物理エクステントと論理エクステント間のマッピングを自動的に作成します。よってアプリケーションやシステム管理者は、論理ボリュームのどの部分がどのディスクに格納されているか意識する必要はありません。

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