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| ITシステムは常に変化するビジネス環境に素早く対応していく必要がある。それを支える技術として仮想化が広く利用されるようになった。とはいえ、仮想化ソリューションは万能の薬ではなく、システムの運用や設計に新たな課題をもたらすこともある。HPは他に先駆けてミッションクリティカルな分野に仮想化技術を導入、多くの実績を築いてきた。その経験に基づいて、HPの仮想化技術HP Virtual Server Environment(VSE)ではシステムの運用や設計、変更を支援するツールセットが提供されている。本特集では、仮想化の導入や運用を支援するHPのツール群を、今月・来月の2回にわたって紹介していきたい。 |
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| 仮想化のメリットを最大限に活かすHPの仮想化ソリューション・前編 |
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| 2008年3月 |
| テクニカルライター 米田 聡 |
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仮想化のメリットは比較的分かりやすい。簡単に言ってしまえば、仮想化環境によってOSやアプリケーションを物理システムから切り離すことができ、ITシステムを柔軟かつ効率的に運用できる、ということだ。しかし、言うまでもなく効率化のためだけに安易に仮想化を導入すれば思わぬ問題を引き起こしかねない。いくつか例を挙げてみよう。
仮想化環境を利用すれば限られた物理システムで複数のワークロードを実行できるものの、個々のワークロードに割り当てるリソースの優先度を引き下げることができるわけではない。経済性を優先させて仮想化を導入した結果、ワークロードの負荷に対応できない物理リソースを割り当てれば当然サービス品質が低下してしまう。
したがって、仮想化を行うワークロードに対して、どの程度の物理リソースが必要なのかをあらかじめ見積もる必要があるが、その見積もりは容易ではないだろう。仮想化を利用するシステムを設計するにあたって、仮想化されたワークロードがどうなるのかを知ることが大きな課題になる。
仮想化導入後もさまざまな課題がある。例えば、設計の時点では適切と考えられたITシステムでも、ビジネスの変化にともなってワークロードの負荷が変化するということがある。仮想化は、そうした変化に対応できることが強みとされているが、その強みを発揮するには、運用中の仮想サーバの状態を的確に把握している必要がある。各仮想サーバにどの程度の負荷が生じているのか、また各サーバに割り当てられているリソースの使用状況はどうか、といったことが的確に把握できなければならないのだ。
さらに、把握した状態を元にリソースの再配分を行う必要があるが、その作業が柔軟かつ容易に行えるかどうか、という点も重要だろう。あるワークロードの負荷が上昇しサービス品質が低下しつつある、という状況に素早く対応しなければならないからだ。
以上のように仮想化システムには、設計、運用、管理のそれぞれに課題がある。HPは、そのそれぞれに対応するツールセットをHP Systems Insight Manager(以下、HP SIM)の機能として提供している。まずは、仮想化の設計段階を支援するHP Integrity Essentials Capacity Advisor(以下、Capacity Advisor)の機能から見ていくことにしよう。
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HP SIMのプラグインとして提供されるCapacity Advisorは、サーバ仮想化を実際に実施する前段階としてサーバのワークロードを見積もり、それに応じた適切な仮想サーバの導入を支援するほか、仮想化導入後の評価に大きな助けとなるツールだ。Capacity Advisorを利用すれば現状のシステムに何ら影響を与えることなく、仮想サーバ導入後の状態を見積もることができる。
まずは、蓄積されているログから、そのシステムの状況を把握する統計データを出力する「Create Advisor Historic Reports」の例を紹介していこう。
最初に、リポートの出力手順を画面で追ってみよう。操作はGUIを利用して簡単に行える。
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| 図1:サーバを一覧から選択する |
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| 図2:統計データを得る期間などを設定。Capacity Advisorでは将来の見込みを含めて見積もることができる |
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| 図3:統計を取るリソース(CPU、メモリ、ネットワーク、ディスク)などのオプションを設定 |
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| 図4:得られた統計データ |
Capacity Advisorは過去のデータの統計を取るだけでなく、そのデータから予測される将来のワークロードを見積もる機能を持つ。過去のデータから推測される精度の高いワークロードが見積もれるので、仮想化の導入にあたっての検討、あるいは現状の仮想化されたワークロードが必要とするリソースを正確に把握するのに役に立つだろう。
画面4に表示されているデータを少し細かく見てみよう。CPU Trendの部分にあるAnnual Growth Trendに、このサーバは年率16.2%の割で負荷が伸びていることが示されている。また、CPUの使用率は平均すると1CPU以下だが、ピーク時には8CPU近くの負荷が生じていることが示されている。
また、稼働時間のうち、90%は3CPU以下の負荷で収まっているものの、15分間続いた最大負荷は8CPU近い。これらのデータからわかるのは、このサーバは負荷の変動が非常に激しいということだ。したがって、現時点では、このサーバは現状のリソースで対応できているが、将来的にはピーク時のサービス品質が大きく低下する可能性があり、何らかの対応が必要になるだろう。
このリポートではCPUだけでなく、メモリ、ディスクI/O、ネットワークI/Oといった項目についても詳細なデータが得られている。こうしたデータを元に計画を立てることでシステムの的確な運用が可能になるわけだ。
Capacity Advisorには、計画を立て、システムの効果的な運用を助けるリポートを作成する機能を持つ。リポートはGUIの操作でいつでも容易に作成でき、自動化されているため、担当者に特別な知識……たとえば分析学、統計学といった知識が要求されることもない。いつでも誰でも、的確で品質が一定したリポートが作成できることは大きな利点になるだろう。
また、データの収集に手間やコストがかかるようでは意味がない。Capacity Advisorが利用するデータはHP SIMの中央管理サーバがデータを定期的・自動的に吸い出すよう設定できるので、いったん設定してしまえば手間はかからない。さらに、データにはHP OpenView Performance Manager and Agentのログも利用できるので、過去のデータを含めた分析ができるようになっている。冒頭でも述べたように、仮想化への移行には、ワークロードの見積もりが非常に重要だ。Capacity Advisorによるデータの分析は、仮想化の導入の大きな助けになるだろう。
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| 本ページの内容は執筆時の情報に基づいており、異なる場合があります。 |
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