| 企業のIT部門やシステム子会社を「企業内サービスプロバイダ」と位置づけるのが、米国ではすでにポピュラーなICSP(Internal
Corporate Service Provider)の考え方だ。たとえばある国内企業では、「この程度のサーバ・リソースを用意してほしい」という各部門からの要求に対し、独立採算制のIT部門がホスティング・サービスを提供し、プロジェクト単位で対価を受け取っている。このようにICSPのアプローチは、国内でも着実に定着しつつある。
ICSP化したIT部門にとっての最重要課題は、社外のサービスプロバイダと同等以上の競争力を維持すること。つまりサービスのコストはもちろん、プロビジョニング(サービス導入)の迅速さも問われることになる。「要求に応じてラックにサーバを積み重ねていく」といった悠長な体制のままでは、いずれ要求元から「社外に発注した方が早いし・・・・」と敬遠されてしまうだろう。
こうした状況を背景に、IT部門の管理者は仮想データセンター(Virtualized Data Center)の実現に期待を寄せている。仮想データセンターとは、VMWareやHP
vParsに代表されるサーバ仮想化やネットワーク仮想化を大規模に展開することで、仮想サーバやVLANの構成を自在に変更できるデータセンターである。これにより、「要求に応じてリアルタイムにサーバ・リソースが配分される」という理想のプロビジョニングが可能になる。
このような仮想データセンターの構築は、仮想サーバをデータセンター規模で効率的に統括できるソリューションの登場によって、にわかに現実味を帯びてきた。そうしたソリューションのひとつが、HPが2004年12月に公開したソフトウェアgWLMである。gWLMの最大の特徴は、多数の仮想サーバに対するワークロード管理や負荷のモニタリング、ポリシー配布などを、シンプルなGUI操作で実施できる点だ。あたかも渋滞情報を表示するカーナビのようにデータセンター全体の稼働状況をリアルタイムに俯瞰しながら、高負荷のアプリケーションに動的にCPUパワーなどのリソースを割り当てるといった、仮想サーバのプロビジョニングを実現するのに必要な機能である。
そこで以下、このgWLMが提供する大規模ワークロード管理機能を紹介し、仮想データセンター構築のディテールを掘り下げてみたい。
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