オープンシステムが基幹業務やWEBサーバなど高い信頼性や大量のデータ処理能力が必要な用途に利用されるようになった1990年代以降、ストレージの大規模化が急ピッチで進んでいる。大規模なデータに対応するために大容量のストレージが必要になっているのはもちろんだが、信頼性を確保するために、ストレージの冗長化がごく一般的に行われるようになっているのは、ご存じのとおりだ。
こうした傾向は当然ながら今後も続くだろう。言い換えれば、次世代システムには、増加し続け、規模の拡大を続けるストレージシステムに対応していく能力が求められているわけである。この要求に応えるべく、HP-UX 11i v3ではストレージスタックに大規模な改良が加えられており、総ストレージ容量1億ZB(ゼタバイト)以上、1基のディスクあたり最大8ZBの容量まで対応可能な設計が行われている。なお、1ZBとは1,000,000,000TBにあたる。さらに、大規模なストレージ群に対応するため、新I/Oスタックでは多くの制限が取り払われている。たとえば、対応するI/Oバス数は従来(HP-UX 11i v2)の256までという制限がなくなり、事実上、無限のバス数を扱うことができるようになった。
また、システム当たりのアクティブLUN数は最大16,384に拡大(従来は8192)、理論的には16M(メガ)のLUN数に対応できるという。簡単に言ってしまえば、HP-UX 11 v3が対応できるストレージ容量はほぼ無限になったといってもいい。増加し続けるデータ量に備え、5年先、あるいは10年先に必要とされるストレージ容量にも余裕を持って対応できる設計になっている。
| 表:拡大したスケーラビリティ |
| I/Oバスの最大数 |
理論的最大値が4Gに(11i v2では256) |
| サポートされるLUNの最大数 |
16384(11i v2では8192アクティブ)
理論的最大は16M |
| 最大LUNサイズ |
ドライバに依存して2TB以上も可(11i v2では2TB) |
| 1つのLUNへの最大パス数 |
32(11i v2では8) |
| ファイルシステムの最大サイズ |
理論的には8192TB
実際は使用するボリュームマネージャやファイルシステムに依存 |
実際の運用の例は後編で詳しく紹介するが、I/Oスタックに加えられた拡張をおおまかに把握しておくことにしよう。 |