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“Linuxとx86サーバーでミッションクリティカル・システムを構築” ―― そんな成功事例を目にする機会が増えつつある。
しかし、いくら隣の芝が青いからと言って、闇雲に飛びついて良いとは限らない。
重要なのは、自社が要求するレベルの可用性を満たしているか否か、正しく見極めることだ。
「Linuxを選んで失敗した」という表に出てこない失敗事例も少なからずあるということも忘れてはならない。
次のシステムに最適なプラットフォームは、Linuxなのか、それともHP-UXなのか。今回は「可用性」をテーマに比較検証してみる。
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| 第1回 エラーが起きても止まらない可用性を徹底検証 |
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2010年9月
大神企画 富樫 純一
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ビジネスのさまざまなシーンでITが活用されている現在、事業を継続させるために決して止めないというシステムの可用性に対する要求は、日に日に高まりつつある。
その一方で、初期投資額の圧縮などコストに対して厳しい目が向けられていることも事実であり、やむなくコストを優先させるというケースも少なからずある。
そうした場面でよく見られるのが、オープンソースでイニシャルコストを抑えられるLinuxを、高性能化が著しく製品価格も手頃なx86サーバー上で稼働させ、それをシステムのプラットフォームとして採用するというものだ。
こうしてコスト優先で構築したシステムが、障害なく稼働していれば万々歳である。
しかし、そのシステムが順調に稼働するのは、運が良いからだろうということを、導入した企業の情報システム部門は薄々と感じているはずなのだ。
そもそもx86サーバーが安価に提供できるのは、ハードウェア障害の発生をある程度許容しているからである。
ハードウェア障害が発生しやすいから、システム単位あるいはコンポーネント単位で二重化またはそれ以上に冗長化し、来るべき障害発生に備えるわけだ。
冗長化すれば、確率計算上は可用性が高まるだろう。
だが、その発想で高めた可用性は、本当に信頼がおけるのだろうか。
事業継続を必須とするミッションクリティカル・システムに相応しいだろうか。
イニシャルコストの削減は実現した。
けれども可用性に課題を残してしたり、可用性に不安が残ったりしたのでは、そのシステム導入が成功したとは言えないだろう。
最適なプラットフォームを選択するのに最も重要なのは、システム全体に潜むリスクを正しく把握することである。
なお、最適なプラットフォームというのは、プロセッサなどサーバーを構成するハードウェア、その上で稼働するOSを単体比較しても意味はない。
あくまでも、システム全体として比較することが望ましい。
本稿では、以下の項目について、Linux/x86サーバーのシステム、およびHP-UX/HP Integrityサーバー(以下、Integrityサーバー)のシステムの比較を交えながら解説する。
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エラーが起きても止まらない可用性を把握する!!
1.可用性に対する設計思想の違いを把握しよう!
2.搭載された高可用性技術の違いを把握しよう!
3.HAクラスター製品の違いを把握しよう!
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OSのことならお任せ! 富樫先生 |
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「可用性が高い」ということは、すなわち「システムが停止しない」という意味である。言い換えれば、システムの可用性はシステムダウンを発生させる要因を取り除く、または対策することによって高められることになる。
では、システムダウンの発生要因にはどのようなものがあるだろうか。
まず、挙げられるのが「人」に属する要因だ。行うべきテストが不十分だったために障害が発生してしまったとか、バックアップなどの作業中に操作ミスをしたことにより引き起こされたシステムダウンは、テスト手法の見直しやオペレーションを自動化するツールの導入など、プロセスを改善して属人的な作業を削減しなければ、なくすことはできない。これは、OSやサーバーの違いによって差が出るものではない。
プロセスを改善したとしても、そのプロセスに起因するシステムダウンも考えられる。
たとえば、業務を決められた手順で行っていたのに想定外の処理が割り込んだ、あるいは運用管理ツールの不具合が発生したといったことが原因でシステムダウンが発生したのなら、そのプロセスを見直さなければならない。
これも、OSやサーバーで差異のあるわけではない。
しかし、テクノロジーが原因で発生するシステムダウンについては、OSやサーバーの違いが如実に表れる。
たとえば、ハードウェア障害の発生による計画外停止を回避するためには、システムまたはコンポーネントを冗長化することで対応することが可能だが、メモリやハードディスクなどの主要コンポーネントに障害抑制機能が搭載されているかどうかは大きな違いになる。
万一、システムダウンが発生した際にも、それだけ短時間で復旧できるかは、OSやサーバー、HAクラスターの機能により違いがある。
また、システムダウンを引き起こした原因が究明できる障害解析機能の有無も、次のシステムダウンを発生さないという意味で重要だ。
このテクノロジーの部分を比較すると、Linuxが稼働するx86サーバーとHP-UXが稼働するIntegrityサーバーでは、設計思想に大きな違いがある。
x86サーバーというのは、本稿の冒頭で述べたように、ハードウェア障害が発生することをある程度許容した設計になっている。
コモディティ化されたパーツ・コンポーネントを使用してコスト効果を狙っている代償でもある。そのため、システムやコンポーネントの多重化など、障害発生時の対策を事前に施すことは必須である。
それに対し、Integrityサーバーは単体でハードウェア障害によるシステムダウンを極小化する設計になっている。
もちろん、システムやコンポーネントを多重化すれば、さらに可用性が向上するが、HAクラスターは最後の手段とも言えるほどだ。
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| 図1:HP Integrity Superdome 2ブロック図 |
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障害発生時の対策も、x86サーバーとIntegrityサーバーでは大きく違う。
x86サーバーの場合、障害が発生しても詳細な解析を行うことが困難であり、原因として考えられるパーツ・コンポーネントをいろいろと交換してみるという試行錯誤が必要になる。
一方のIntegrityサーバーには「同じ障害を繰り返さない」という設計思想が根底にあるために、障害が発生した際にはそれをきちんと記録し、解析の実行と迅速な復旧を可能にしている。
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| 図2:Superdome 2 OAを中心とする各種管理コンポーネント |
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さらに、競争が激しいx86サーバーの場合、ハードウェアのライフサイクルが非常に短く、他社に先駆けて製品投入を果たすにはテストに時間をかけてはいられないという側面がある。
Integrityサーバーはハードウェアのライフサイクルが長く、製品をあらゆる面からテストする期間を長く確保している。
こうした設計思想の差が、可用性の高さと迅速な復旧に大きく効いてくるのである。
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