ミッションクリティカル・システムを構築する際、OSやサーバーの可用性、信頼性、拡張性など比較・検討することは、非常に重要なことである。
しかし、ビジネスの中核を担うシステムを構築する場合、機能・性能だけでなく、考慮すべき重要な事項がある。
それは、OSやサーバーをベンダーがどこまでサポートするかという点である。
長期間の利用を想定して業務アプリケーションを構築しようとしても、OSやサーバーのサポート期間が短ければ、とても安心して採用することはできない。
今回は、システムのライフサイクルという側面からHP-UX/Integrityサーバーの優位性を探ってみたい。
第2回 OSのライフサイクルが及ぼすサポート問題とは?
2010年10月
大神企画 富樫 純一
オフィスの機器を見渡してみると、電話機、コピー機、ファクシミリ、空調設備など、どれも通常は10〜15年、言い換えれば寿命が来て壊れるまで使い続けることが多い。
ところが、PC、サーバー、プリンターなどのIT機器だけは、おおよそ5年前後で役目を終えてしまう。
もちろん、技術革新による性能向上、処理するデータ量の増大化により、IT機器があっという間に陳腐化するのは分かる。
だが、すべてのシステムが5年で役立たずになってしまうわけではない。
アプリケーションの仕様を変更することなく、同じシステムを長期間使い続けるケースもよくあることだ。
しかし、同じシステムを使い続けるには、OSのサポートライフサイクルという壁がある。
OSのサポートライフサイクルは、OSを提供するベンダーが独自に設定するものだ。この期限を超えた場合、OSの利用は自己責任、つまり何らかの不具合やセキュリティ上の脆弱性が発見されたとしても、それらに対する手当てはない。
そこで、企業は選択を迫られる。新しいバージョンのOSに乗り換えるか、古いバージョンのOSのまま使い続けるかという選択である。
図1:安定した環境で長時間利用するためには?
新しいバージョンのOSに変更する場合、以前のバージョン向けに作成したアプリケーションが正常に動作するかどうかの確認作業が必須になる。
正常に動作しない場合は、アプリケーションを含めて業務システム自体を作り直さなければならない。
当然のことながら、開発・構築の手間とコストがかかってくる。
今までのアプリケーションで十分なのに、コストをかけてまでわざわざ作り直す必要性は感じない ―― そう判断した企業は、従来のシステムを使い続ける。
これがいわゆる“塩漬け”である。ハードウェアが老朽化したら、システムをそのまま仮想環境へと移行する。
しかし、OSのサポートは受けられないので、セキュリティ上の脅威・危険に晒されることになってしまう。
長期間使い続けるシステムを構築する場合、それだけOSのサポート期間を考慮すべきなのである。
システムを使い続けるために長期サポートライフサイクルの重要性を知る!!
1.主要OSのサポートライフサイクルの違いを把握しよう!
2.システム移行時におけるリスクとコストの違いを把握しよう!
3.レガシー救済の方法とサポート範囲の違いを把握しよう!
OSのことならお任せ! 富樫先生
では、長期間使い続けるシステムでは、どんなOSを選択すればよいのだろうか。答えは簡単。
サポートライフサイクルが長いOSを選べばよいのだ。
以下、主要サーバーOSのサポートライフサイクルを比較してみよう。
Windowsの場合、インシデントサポート(有償・無償)が受けられ、セキュリティパッチや修正プログラムが無償で提供されるフルサポート(マイクロソフトはメインストリームと呼ぶ)期間は、製品の初期版(RTM)が出荷された時点から5年間である。
フルサポートを終えると、最低5年間の延長サポートのフェーズになる。
ここでは、セキュリティパッチは無償で提供されるものの、セキュリティ関連以外の修正プログラムをリクエストする場合、「延長修正プログラムサポート契約」を購入する必要がある。
なお、マイクロソフトは、Windowsのサポートライフサイクルの延長サポートを含めて最低10年間、必要に応じて延長するとしている。
Linuxの代表的なディストリビューションであるRed Hat Enterprise Linuxの場合、新しいハードウェアへの対応やソフトウェア機能拡張にも対応するフルサポートの期間が4年間、ハードウェアへの対応が一部のみに絞られるデプロイメントサポートが1年間、マイナーリリースが提供されないメンテナンスサポートが2年間の合計7年間のサポートになる。
このサポートライフサイクル期間中は、技術的な問い合わせやエラッタ(重要なアップデート、バグフィックスを集めたもの)は提供される。「Red Hat Enterprise Linux 3」に関しては、サブスクリプション契約の更新することにより最大3年延長が受けられ、最大10年間サポートされるようになった。
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