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| 精鋭のITスペシャリスト集団として定評あるSIer「テックファーム」では、ある基幹業務システムのOracleデータベースについて、SolarisからHP-UXへの移行を実施した。同社のCTOである小林氏は、今回の移行の理由として、インテル®Itanium®プロセッサ搭載のHP Integrityサーバのパフォーマンスの高さ、そして64ビットOSとしてのHP-UXの成熟度を挙げる。「いまやUltraSPARC IV+はItaniumに大きく性能差をつけられています。またHP-UXはカーネルからライブラリまでOS全体が完全に64ビット化されていますが、Solarisではほとんどのバイナリが32ビット版。ライブラリの管理がきわめて煩雑です」(小林氏)。Solaris→HP-UX移行の現場からのレポートをお届けする。 |
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| Oracle/Solaris移行の現場ノウハウ・前編 |
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| 2006年12月 |
| テクニカルライター 吉川和巳 |
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2004年11月の特集記事「Solaris技術者のための『HP-UXへの移行のすすめ』」では、テックファーム株式会社のCTO、小林正興氏へのインタビューを通じて、SolarisからHP-UXへのシステム移行の「勘どころ」をレポートした。今回同社では、実際に全国規模で利用されている基幹業務アプリケーションのOracleデータベース・サーバを対象に、SolarisからHP-UXへの移行を実施した。このテックファームによる移行事例をベースに、「Solaris→HP-UX移行の現場のノウハウ」とはどのようなものかを紹介したい。
まずは、今回の移行の対象となったシステム概要を説明しよう。このシステムは、人材派遣ビジネスを手がける企業が全国規模で運用している基幹業務システムである(図1)。
このシステムでは、150万人に達する派遣スタッフの管理や、個々の業務請負案件に対してスタッフを割り当てるアサインデータ(250万件)の管理などを実現する。図1に示すとおり、フロント・エンドではWindowsサーバ上の.NETアプリケーションが動作し、バックエンドではSolarisサーバ(Sun FireV240)上のOracle 8iデータベースが動作するという構成だ。このシステムに対し、全国400拠点のクライアント・アプリケーションからIP-VPNを通じたアクセスを行う。またクラスタウェアとしてベリタスのVeritas Storage Foundationを使用し、アクティブ/スタンバイ型のHAクラスタを構成し、可用性を高めている。
この旧システムはすでに稼働後4〜5年を経過している。その間にサーバ・ハードウェアの性能や容量はひと桁違うほどの進化を遂げ、OracleデータベースもOracle 10gへとバージョンアップした。サービス面や運用面での改善、TCOの抑制、そしてサーバ集約といった観点からも、最新のハードウェアとソフトウェアへ移行する最適な時期を迎えていると言えるだろう。そこで今回、テックファームでは、HP-UXおよびHP Integrityサーバを新しいプラットフォームとする新システムへの刷新を実施した。 |
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では、Solarisベースの旧システムの移行先として、テックファームはなぜHP-UXを選択したのだろうか。同社の小林氏は、その理由のひとつとして、ハードウェア・プラットフォームであるHP Integrityサーバのパフォーマンスの高さを指摘する。「Oracleデータベースの運用に適したミッドレンジ〜ハイエンド・サーバについて、Sunは自社のUltraSPARC IVプロセッサとAMD Opteronプロセッサの2本立てでプラットフォームを展開しています。一方、HPはインテル®Itanium®プロセッサ(以下、Itanium)を搭載したHP Integrityサーバを中心とした展開です。この両者を比較すると、例えばSunの主力プロセッサであるUltraSPARC IV+はItaniumに大きく性能差をつけられています。Opteronは性能が高いものの、やはりItaniumには及ばないのが現状です」(小林氏)。
また小林氏は、SPARCアーキテクチャそのものの将来性に疑問を呈している。「現在のSPARCアーキテクチャは仕様がオープンソース化された『OpenSPARC』という形態で管理されています。このオープンソース化によってコミュニティを中心とした多様化が期待できる一方で、LinuxやJavaと同様に、コミュニティ主導の開発プロセスによる開発速度の低下が懸念されます」(小林氏)。さらに同氏は、Itanium対応ソフトウェアの普及を支援する業界団体Itanium Solutions Allianceが公開する資料(表1)を引き合いに、SPARCとItaniumの間で広がりつつあるパフォーマンスやシステムベンダー数の格差を強調する。
| 表1:ItaniumとSPARCのアーキテクチャ比較 |
| 機能 |
Itanium アーキテクチャ |
SPARC アーキテクチャ |
| SMP スケーラビリティ |
サーバに搭載可能なプロセッサ数 *1 |
512 |
128 |
| アドレス可能メモリ |
1,024TB |
1,024TB |
| グローバル共有メモリ |
60TB |
576GB |
| パフォーマンス |
SPECfp2000(単一プロセッサ) |
2712 |
1353 |
| SPECint2000(単一プロセッサ) |
1590 |
845 |
| 仮想化 |
ハードウェアおよびソフトウェアでのパーティショニング |
ソフトウェア上でのパーティショニングのみ |
| 可用性 |
99.99999%*2複数ベンダーがミッションクリティカルな可用性をサポート |
ミッションクリティカルな可用性をサポート |
| システムベンダー |
75 |
4 |
| オペレーティング・システム(OS) |
10,Windows,Linux,UNIX,OpenVMSなど幅広いOSで動作 |
SolarisとLinux。ただし90%以上はSolarisが提供 |
| 対応アプリケーション |
6,000以上および急速に増加中。(およびX86互換アプリケーション*3にも対応) |
多数のアプリケーションがあるが、Windowsあるいはx86アプリケーションはサポートしていない |
| TCO |
RISCベースのインストールと比較して、ItaniumソリューションではTCOを50%まで削減した顧客事例があります*4 |
| *1: |
単一OSイメージをサポートできる機能 |
| *2: |
現時点で民生品が達成した業界で最も高い可用性 |
| *3: |
Itaniumベースサーバは、統合IA-32 Execution Layer を利用して、x86互換アプリケーションを動作させることができます。 |
| *4: |
多数の顧客事例に基づく。 |
| 注: |
すべてのシステム・ベンダーの中で最も高い数値を表記しています。特定のシステムに関する特定の数値については各社のベンダーにお問い合わせください。 |
| 出典: |
「Itanium® ベースソリューションとSun’s SPARC® アーキテクチャを比較して」Itanium Solutions Alliance |
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64ビット対応で差がつくHP-UXとSolaris |
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移行先としてHP-UXを選択するもうひとつの理由として、小林氏はOSプラットフォームとしてのHP-UXとSolarisに多くの類似性が見られることを挙げている。
いずれもSystem V Unixの系譜に属するUNIX OSであり、基本的なコマンド体系やディレクトリ構成には共通点が多い。とりわけ今回のような基幹業務システムの移行先としては、例えばLinuxなどに比べてミッションクリティカル環境で豊富な実績を持つHP-UXが適していると言えるだろう。また、後述するような移行ノウハウを押さえておけば、Solaris経験者も比較的スムーズにHP-UXになじむことができる。
さらに同氏は、HP-UXにはSolarisにはない優位性があると指摘する。それは「64ビット対応の成熟度」だ。「HP-UXは、カーネルからライブラリまでOS全体が完全に64ビット化されており、安定して動作しています。一方のSolarisは、SPARC搭載サーバでは安定しているものの、Opteron搭載のx64サーバでは初期版におけるRAID-1構成の不具合やブート障害があるなど、自社製品でも安定感を欠いています。またSolarisのカーネル部分は64ビットながらも、OSを構成するほとんどのバイナリは32ビット版で提供されるため、ライブラリの管理がきわめて煩雑です」(小林氏)。データベース・サーバやアプリケーション・サーバの64ビット化が一般的になりつつある現在、この違いは大きな意味を持つ。
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つづいて後半では、この基幹業務システムの移行の詳細について紹介する。 |
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関連サイト |
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オラクル最適サーバ = HP Integrityサーバ |
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デュアルコア インテル®Itanium®プロセッサ9000番台を搭載したHP Integrityサーバは、半分のプロセッサ数で同等以上のパフォーマンスを発揮。搭載プロセッサ数が同じならば約2倍のパフォーマンスを発揮します。 |
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| 本ページの内容は執筆時の情報に基づいており、異なる場合があります。 |
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