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| 今回は、Integrity VMにおける「仮想CPU」へのリソース配分方法を説明します。仮想CPUとは、「それぞれのVMが利用可能な最大CPU数」を表します。このCPU数の合計が物理CPUの数を上回る場合、すべての仮想CPUに100%の処理能力を配分することはできません。そこで「エンタイトルメント」と呼ばれる設定を行い、高負荷時のCPUリソース配分をあらかじめ決めておきます。こうしたIntegrity VMにおけるCPUリソースのきめ細かな配分は、HPのリソース・パーティション技術PRM(Process Resource Manager)で利用されているFSS(Fare Share Scheduler)によって実装されており、CPU利用率を%単位で厳密に履行できるのが特徴です。 |
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| Integrity VMでやさしく学ぶサーバ仮想化 第5回 |
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| テクニカルライター
小林聡史 |
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前回は、hpvmcreateコマンドを用いてVMゲストを作成し、hpvmstartコマンドおよびhpvmconsoleコマンドによりVMゲストにOSをインストールする手順を紹介しました。今回は、VMゲストへのCPUリソースの配分方法や、VMゲスト作成時のトラブルシューティング方法を説明します。 |
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| 図1:Integrity VMにおけるCPUリソースの仮想化 |
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図1は、Integrity VMにおけるCPUリソースの仮想化を表した図です。この例では、4個のCPUを搭載したIntegrityサーバ上で、3つのVMを運用しています。ここで、それぞれのVMに配分されている「仮想CPU」に注目してください。仮想CPUとは、「それぞれのVMが利用可能な最大CPU数」を表します。よって図1の例では、左端のVM1は1個分、VM2は3個分、そしてVM3 は4個分までのCPU処理能力を受け取ることができます。VM内部で並列処理可能なスレッド数も、仮想CPU数に比例します。
ちなみに1つのVMには、サーバの物理CPU数を超える仮想CPU数を割り当てることはできません。そのため、もし2-wayサーバでIntegrity VMを利用する場合は、各VMに配分できる仮想CPU数は最大2個までとなります。また、多数のCPUを搭載するサーバであっても、仮想CPU数の上限は、現在のところ4個までです。 |
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さて図1の例では、4個の物理CPUに対し、合計8個の仮想CPUを各VMに割り当てているので、当然のことながらすべてのVMの仮想CPUに100%の処理能力を配分することは不可能です。そこでIntegrity VMでは、「エンタイトルメント(entitlement)」と呼ばれる設定を行うことで、高負荷時のCPUリソース配分をあらかじめ決めておくことができます(図2-上)。また、VM3がアイドル状態で負荷がない場合は、その分リソースを他のVMが使うことが出来ます(図2-下)。 |
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| 図2:Integrity VMのエンタイトルメントの設定とCPU使用率 |
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| 図2の例では、エンタイトルメントが以下のように設定されています。 |
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| 表:エンタイトルメントによって配分されるCPU処理能力 |
VMゲスト |
エンタイトルメント |
最小 |
最大 |
| VM1 |
仮想CPU 1個×10% |
10% |
100% |
| VM2 |
仮想CPU 3個×10% |
30% |
300% |
| VM3 |
仮想CPU 4個×90% |
360% |
400% |
エンタイトルメントは、「各VMに最低限保証されるCPU処理能力」を表します。つまり、すべてのVMが高負荷状態にある場合でも、エンタイトルメントで設定したCPU使用率はかならず確保されます。例えば上記例では、たとえVM2やVM3の内部で高負荷のアプリケーションが動作していても、VM1はつねに10%のCPUリソースを利用できます。またVM2やVM3の負荷が低い場合は、その剰余分を利用して、最大100%(仮想CPU 1個分)の処理能力がVM1に動的に配分される仕組みです。ちなみに、エンタイトルメントの設定の最小値は5%であるため、CPU 1個あたり最大20のVMを作成することができます。
こうしたIntegrity VMにおけるCPUリソースのきめ細かな配分は、HPが1997年から提供しているリソース・パーティション技術であるPRM(Process Resource Manager)のFSS(Fair Share Scheduler)によって実現されています。FSSは、HP-UXカーネルに組み込まれた専用のスケジューラーであり、個々のプロセスのCPU利用率を%単位で厳密に履行します。こうした実績豊富なテクノロジーによって実装されている点も、Integrity VMの優位性のひとつと言えます。
後半では、VMゲスト作成時のトラブルシューティング方法を説明します。 |
| 本ページの内容は執筆時の情報に基づいており、異なる場合があります。 |
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