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各種信託や投資信託委託、プライベートエクイティファンド運営といった専門性の高い金融サービスを提供する中央三井トラスト・グループ。その中核企業として、リテール信託業務からバンキング業務、不動産業務、そして証券代行業務まで、幅広い分野で高度な金融商品・サービスを提供しているのが、日本有数の信託銀行である中央三井信託銀行だ。同社は、他社に先駆けて排出権信託ビジネスへ参入するなど、新しい領域への取り組みも積極的に仕掛けている。
こうした同社のチャレンジ精神はITの分野でも発揮されている。システムの全体最適化という先進的なコンセプトで、社内のIT基盤を共通化する試みに金融業界でいち早く着手。サーバーやストレージの統合を積極的に進めてきたことも、こうした具体例のひとつだ。「業務サイドから要請があったときに適用できそうな新技術の動向は、常にチェックしています。そうした中で本当に効果が見込めるのなら、積極的に採用します」と、中央三井信託銀行のIT戦略を担うシステム企画部で次長を務める貫洞明彦氏は語る。今回のファイルサーバーのバックアップシステムの強化プロジェクトでシステム企画部が注目したのは、データ量の大幅な削減を実現する「重複排除」技術だった。
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中央三井信託銀行 システム企画部 調査役 長尾隆徳 氏 |
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中央三井信託銀行 システム企画部 主席調査役 藤井健一郎 氏 |
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中央三井信託銀行 システム企画部 調査役 中村保夫 氏 |
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同社では従来から、データのバックアップをテープで行ってきた。テープは物理的に別拠点まで搬送し、保管する。金融機関の間で長年実績があり、評価も定まっているこの体制は残しつつ、「ファイルサーバーについてはバックアップをリモートコピーできないか、という要望が業務サイドから出てきたのです」と、同社システム企画部の長尾隆徳調査役は解説する。
さっそく同部では実現可能性を検討するフィージビリティスタディに着手。その結果、リモートバックアップシステムの要件の最重要ポイントとして上がったのは、安定稼動を維持するため運用中のファイルサーバーには極力変更を加えない、というものだった。システム構成の面でも、リソースの面でも、である。「必要とされるリモートレプリケーション機能をソフトウェアで実現するという道もありましたが、やはり既存システムへの影響が懸念されます。信頼性の面からもハードウェアベースのアプライアンス製品を選択することにしました」(長尾氏)。
アプライアンス製品の選択にはもう1つの理由もあった。ファイルサーバー上の大容量のデータに、いかに対応するかということだ。システム企画部がその解決策として注目していた重複排除処理は、データのソートや圧縮、暗号化などと同様、想像以上にCPUリソースを消費する。本来の業務処理に関係ない部分にリソースを消費することは避けたかった。また「業務要件を満たす範囲内で、投資と効果のバランスを最適化するという視点も外せませんでした」と同部調査役の中村保夫氏は付け加える。既存のファイルサーバーに影響を与えない、つまりは、これまでのテープによるバックアップ環境が維持でき、リモートレプリケーション機能を備えたアプライアンス製品であり、データ量を削減できる重複排除機能も備えるシステム。こうした条件のすべてに合致したのが、テープデバイスをエミュレートする仮想テープライブラリ、HP D2D Backup Systemだった。アプライアンス製品であるため、機種依存性がなく、中立性、独立性が高いことも高く評価された。
しかし、最終的な採用決定までには、もう1つのハードルがあった。それは、実機を使った動作検証である。お客様の重要なデータを取り扱う金融機関として、ITシステムの信頼性は大前提。新技術の適用には、慎重の上にも慎重を期す。「プロジェクトの最上流で、フィージビリティスタディと実装のための実機検証を同時に行う。これによって信頼性を確保するのが我々の基本的なスタンスです」と貫洞氏は強調する。
システム構築を担当し、実機での検証も行った中央三井インフォメーションテクノロジー株式会社のITサービス事業部 フィールドサービス部 根本聡氏は、HPのデモルームでHP D2D Backup Systemに初めて触ったときの印象をこう述べる。「想像していたより難しい装置ではなく、使う人に優しい操作性、画面構成でした。検証環境内ではパフォーマンスも出ており、期待したとおりでした」。こうした幾重ものチェックの後、HP D2D Backup Systemの採用が決まった。
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中央三井インフォメーション テクノロジー株式会社 ITサービス事業部 フィールドサービス部 根本 聡 氏 |
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採用決定から構築完了まで約2ヶ月弱。期間中は、中央三井信託銀行ならではの慎重な事前確認作業が効いて、スムーズに進行した。重複排除という新しい技術を導入しながらも、比較的短期間で、ファイルサーバーのリモートバックアップシステムは完成した。本番稼動に入ってからも大きなトラブルはなく順調に機能している。「バックアップ時間は、テープ時代よりも大幅に短縮できています」と長尾氏も満足そうだ。
個人情報保護法への対応、そしてJ-SOXは2年目に入っていることで、インシデント発生の原因を探るためのトレーサビリティ向上、監査のための証跡保管などの必要性はますます高まっている。「それは今後、取得すべきログの種類が増え、保存期間も長期化することを意味します。重複排除はこうした変化に大きな効果をもたらしてくれるものと考えます」と同社システム企画部の主席調査役、藤井健一郎氏は期待を込める。「今回のプロジェクトで重複排除技術に関する多くの経験を積むことができました。今後、業務サイドからの要求に合わせてこの技術を適用する際には、よりスムーズな導入ができるでしょう」と長尾氏も自信を示す。
HP D2D Backup Systemの提供する重複排除機能、そして自動化されたリモートレプリケーション機能は、金融業界という信頼性と安定性が厳しく問われるシステムでも、確実に成果を上げ始めている。
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