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業務プロセス改革への全社レベルでの取り組み
「建築本部の業務プロセス改革への取り組みは、設計業務における3D CADの活用範囲の拡大、そしてBIM(Building Information Model)へのチャレンジに代表されます。意匠設計・構造設計・設備設計チームの基本ツールであるAutoCADに加え、ArchiCADやRevi t Archi tec tureなどの3D CAD/BIMソフトウェア、Autodesk 3ds Maxなどのビジュアライゼーションソフトの積極的な活用を進めています」と建築本部技術部部長 梅村美孝氏は紹介する。
建築本部は、建築物の設計・施工・メンテナンスに至るまで、全社の技術的なテーマを統合的に扱う部署だ。約130名の設計者を中心に、施工・技術チームを合わせおよそ200人から構成されている。
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安藤建設株式会社
建築本部技術部
部長 梅村 美孝 氏 |
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安藤建設株式会社
建築本部技術部
課長 松野 義幸 氏 |
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「BIMに関しては、ワーキンググループを発足させて、設計から施工まで生産性の高いワークフローのあり方を独自に検討しつつ社外の勉強会などにも積極的に参加しています。また、プレゼンテーション効果を高めて案件獲得につなげる"設計BIM"などのテーマを掘り下げ、議論を重ねながら実務に反映させています」(梅村氏)
こうした取り組みの中で、設計データの統合的な管理と共有、データ保護に関しても議論がなされたという。「従来は、設計チームごとにCADデータの管理を行ってきました。大小合わせて20台のファイルサーバー/NASが運用され、データ保護の体制も十分とは言えない状態でした。まず、これを統合しデータ管理体制を一本化する必要があると考えました」( 建築本部技術部課長 松野義幸氏)
設計データ管理の集約、それを支える統合ストレージ基盤の構築は、「技術・ノウハウの統合的な管理」と「業務プロセス効率化」を推進する上でも不可欠との判断が下された。そして、ファイルサーバー/NASの刷新にあたって安藤建設 建築本部が選んだのは、高信頼なFC-SANストレージ「HP P6300 EVA」だった。
20 台のファイルサーバーを1システムのHP P6300 EVA に統合
東日本大震災を経て、安藤建設 建築本部内でも事業継続性強化に対する議論が活発化していた。統合ストレージ基盤の構築に際しては、「データバックアップ機能の統合」を要件に加えることで本部の見解は一致した。「コストを最小限に抑えつつ、現実的な災害対策を行うためにテープメディアへのフルデータバックアップとその遠隔地への移送、という方法を採ることにしました。しかし、バックアップ対象となるデータの容量は10TB以上が見込まれます。実運用上、これが可能かという課題が持ち上がりました」( 建築本部技術部 江口正剛氏)
本プロジェクトにおいて、統合ストレージ基盤の構成提案・システム構築の中心的な役割を果たしたのは大塚商会である。大塚商会PLMソリューション営業部 課長の長井尚史氏は、安藤建設 建築本部が示した要件をどのように解決したのだろうか。
「要件のポイント、その第1は20台のファイルサーバー/NASを1システムの大容量ストレージに統合すること。2つ目は、初期段階のユーザー領域として10TBを確保しつつ、将来的なデータ増に柔軟に対応できること。そして3つ目は、災害対策用として10TBのデータのテープメディアへの最終バックアップが統合可能なことでした。大塚商会では、これまでの実績をふまえ『HP P6300 EVA』を中核とするシステムで全ての要件をクリアできると考えました」
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安藤建設株式会社
建築本部技術部
江口 正剛 氏 |
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株式会社大塚商会
PLMソリューション 営業部
首都圏建設PLM2課
課長 長井 尚史 氏 |
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HP EVAシリーズは、エンタープライズ向けのミドルレンジFC-SANストレージとして世界100,000システムの稼働実績を誇る。共有ストレージに最適な“仮想ストレージプール”をいち早く実現した製品でもある。大塚商会は、HP EVAによるシステム構築の実績を積み重ね、構成や運用に関しても独自にノウハウを蓄積してきた。
「HP P6300 EVAは、統合ストレージとして十分なキャパシティを備え、容量の拡張も非常に容易でした。日本HPのデモセンターで実機を操作し、ハードディスクの増設がオンラインで行えてリビルドも自動的に実行されることや、故意に特定のディスクを取り出してもシステム全体の稼働には影響がないことなどを確認しました。HP P6300 EVAの優れた耐障害性と合わせて、これなら安心して導入できるとの確証を得ることができました」(江口氏)
HP P6300 EVAは、優れた運用管理性が高く評価されている製品だ。たとえば、ボリューム作成は仮想ストレージプールから切り出すだけの簡単な手順で行える。また、オンラインでディスクを増設すると、増設分の容量は自動的に仮想ストレージプールに組み込まれるとともに、データ配置とパフォーマンスが自動的に最適化される。
大塚商会の長井氏は、HP P6300 EVAの可用性に関して次のように説明する。
「HP P6300 EVAでは、RSS(Redundant Storage Set)と呼ばれる機能により、ディスク単位の障害において可用性とパフォーマンスを両立できます。たとえば、ボリューム内で2本のディスク障害が発生しても、RSSが異なればデータ損失は起こりません。HP P6300 EVA独自のVraid 5(仮想RAID5)は、複数のディスク障害に対応できないRAID5や、可用性は高められてもコスト面で難のあるRAID1+0それぞれの弱点を解決した優れた仕組みと言えます」
当初はスケールアウト型NASも検討されたというが、「私たちの要件をクリアしていることに加え、使い勝手の良さ、優れた耐障害性・可用性、導入および保守コストまでをトータルに評価して、HP P6300 EVAの導入を決めました」と松野氏は語る。
災害対策を担う自動化されたデータバックアップ
さて、3つ目の要件はデータバックアップである。「災害対策用として10TBのデータのテープメディアへの最終バックアップが統合可能なこと」という要件に対しては、どのような解決を図ったのだろうか。
「データバックアップの仕組みは2段階で構築しました。まず、統合ストレージ全体のフルバックアップについては、HP P6300 EVAのスナップショット機能を活用して筐体内にイメージコピーを作成し、これをテープメディアにバックアップする方法を採用しました。この一連の作業を、土曜日の深夜から自動的に実行する仕組みを構築しています」(江口氏)
最大10TBにもなるデータコピーをファイル単位で行うと、膨大な時間が必要になる。そこで長井氏が提案したのは、スナップショットを活用する方法だった。大塚商会では、HP P6300 EVAとテープライブラリ、バックアップソフトCA ARCserveが連携したバックアップ自動化の手順を確立しており、すでに多くの導入実績があった。
「しかし、10TBものデータを限られた時間内でテープへバックアップすることは容易ではありませんでした。私たちは、社内に検証環境を用意して、きめ細かく手順をチューニングしていきました。その結果、安藤建設様の要件に応えられる確証が得られたのです」(長井氏)
これにより、災害対策・事業継続の観点からの" 設計データのフルバックアップ"という課題は解決された。そしてもう一つ、日常業務を支えるバックアップも行われる。「アクティブな案件データに関しては、Windows Ser ver 2008のVSS(Volume Shadow copy Service)を使って、営業日の8 時から22時までの間に2時間おきにスナップショットを取得します。これによりファイルを誤って削除・上書きしてしまった場合など、日常業務におけるデータ復旧をファイル単位で行えるようにしました」(江口氏)
統合ストレージ基盤を全社の設計データ管理に活用
2011年12月、まず稼働中のファイルサーバー3台をHP P6300 EVAによる新システムに置き換え、それに統合する形で、残るファイルサーバー/NASのデータ移行が順次進められた。そして現在、作業は次の段階に進みつつある。
「当初10TBを確保していたユーザー領域を15TBまで拡張します。統合ストレージ基盤を、本社だけでなく、支社・地方拠点を含む全社設計データの統合管理に活用する計画です」(梅村氏)
これが実現すれば、「技術・ノウハウの統合的な管理」、「業務プロセス効率化」は、全社レベルでの進展が期待できる。そして、松野氏にはその先の構想もあるという。「HP P6300 EVAは、HP ProLiant DL380 G7配下に置いてWindows Ser ver 2008のファイルサービスを活用しています。将来的には、この環境にデータ管理アプリケーションを組み合わせ、設計データを中心とするドキュメントの管理・共有機能を大幅に強化する計画です」
大塚商会の長井氏がこれを補足する。「設計データ管理の統合が実現すれば、次はデータ管理の効率化・管理負荷の軽減、より効果的なデータ共有、建築三法に準拠したデータの長期保存などが必須になると考えました。そこで専用OSを採用したストレージでなく、Windowsベースの統合ストレージ環境をご提案差し上げた経緯もあります。大塚商会が提供する、建設業に特化したデータ管理アプリケーション『楽々CDM』の導入が容易になることを、メリットとしてご評価いただけた形です」
最後に梅村氏が次のように締めくくった。「まずは全社設計データの統合管理を完遂すること。これが目下の重要テーマです。将来的には、D2Dシステムによるデータバックアップの高速化や、クラウドを活用したより柔軟なデータ管理も考えています。そうした意味で、設計データの全社統合は第一歩であり、本当の意味での業務プロセス改革はここから始まると考えています」
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