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キヤノンマーケティング ジャパン株式会社
IT本部 ITインフラ部 ネットワークインフラ課
コンピュータインフラ第一課 課長
古川 宗徳 氏 |
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オフィスネットワーク複合機やレーザープリンターをはじめとするオフィス機器、デジタルカメラやインクジェットプリンターに代表される消費者向けイメージング機器、半導体業界や医療、放送業界向けの産業機器。キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は、こうした多様なキヤノン製品および関連ソリューションのマーケティング活動を日本市場で担ってきた。しかし、同社は近年、従来の物販を中心としたものからITソリューション事業を中核としたものへと、ビジネスモデルを大きく転換。グループ全社を挙げて様々な新しい取り組みを進めている。
同社の社内システムを担当するIT本部でも、社外へアピールできる新たなソリューションの開発が大きなテーマだ。「グループ以外にもアピールできるITソリューションをたくさん作ろうという目標を掲げています」と、同本部 ITインフラ部 コンピュータインフラ第一課の古川宗徳課長は語る。「今回、社内で『生活系インフラ』と呼んでいる情報系インフラの更新にあたり、サーバーからネットワーク、ストレージまで全面的に仮想化技術を導入しました。生まれ変わりつつある新生活系インフラは、SI系ソリューションの分野で初めての具体的成果といえるでしょう」。
このプロジェクトで採用されたのが、HPのブレードサーバーHP BladeSystem、I/O仮想化テクノロジーであるHP バーチャルコネクト、仮想化に最適なストレージHPHP Storage P4000 SAN(HP LeftHand)、という組み合わせだった。
仮想化を使って情報系基盤を刷新
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キヤノンマーケティング ジャパン株式会社
IT本部 ITインフラ部
コンピュータインフラ第一課
主任
深澤 誠司 氏 |
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同社の「生活系インフラ」は、キヤノンMJ社内に留まらず、同社を含めたグループ企業22社、約19,000人の従業員が日常的に利用する極めて重要なシステムだ。この上ではユーザー認証をはじめ、社内掲示板、スケジューラ、ファイル共有といった様々なサービスが提供されており、グループ内のセキュリティやコミュニケーション、情報共有などを支えている。
既存の生活系インフラはサービスごとに物理サーバーを複数台用意し、ビジネスの成長やデータ量の増大に応じてサーバーをそれぞれ追加するという構造になっていた。「その結果、物理サーバーは80台以上にまで増えてしまい、認証サービスはWindows、社内掲示板であればLinuxといったようにOSやハードウェアもバラバラ。運用や保守のコストは確実に増えていました」と、プロジェクトの現場を取りまとめた同課の深澤誠司主任は既存インフラの課題を解説する。
解決策としてキヤノンMJが選択したのは、大規模な仮想化の導入だった。仮想化により80台を超える物理サーバーを一気に統合・集約できれば大幅なコスト削減が可能になる。こうしてスタートした「新生活系インフラ構築プロジェクト」だが、キヤノンMJにとって本格的な仮想化への取り組みは初めての経験だった。基幹系並みに重要度の高い生活系インフラ、その本番環境への仮想化適用には社内でも議論が別れた。
そこでプロジェクトの実現可能性を探るべく、複数のSIベンダーに技術提案を要請。新インフラで求める要件や具体的な統合台数を伝えた上で、仮想化をどのような構成なら実現できるかについて提案してもらった。
新生活系インフラでキヤノンMJが重視したポイントを深澤主任は以下のように説明する。「まず第一優先は止まらないこと、可用性です。それに加え、2万人近くのグループ社員が一斉に利用するような時でもレスポンスが落ちないパフォーマンスの高さも重要な要素。さらに、今後グループ企業やデータ量は確実に増えていくでしょうから、自由で柔軟な拡張性という点も重視しました」。こうした視点から各ベンダーからの提案を比較検討していく中で、同社として初の試みとなる本番環境への大規模な仮想化導入に自信を深めていった。
仮想化技術で実績のあるHPをパートナーに
技術提案を要請されたSIベンダーの1社が、キヤノンMJのグループ企業であるキヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)である。同社はキヤノンMJグループが進めるITソリューションのビジネス化を担う中核企業。仮想化システム構築でも多くの実績を持つが、今回のプロジェクト案件ではHPとのパートナー体制を組み、提案からインフラ構築までを担当した。
なぜHPだったのか。その理由を同社基盤事業本部 エンジニアリングセンター 東日本基盤エンジニアリング第一部の吉尾章部長はこう語る。「4ヶ月程度という短い開発期間で構築を完了させることが見込まれたため、仮想化技術で信頼できるベンダーと組みたかったのです。また、HPは仮想化環境での利用を想定したサーバーからネットワーク、ストレージまでをワンパッケージで用意できる。この点でも非常に安心感がありました」。さらに、ワールドワイドで大規模な仮想化の豊富な実績を持つこと、仮想化のテクノロジーをリードしていることなども評価した。
技術提案を勝ち抜いたキヤノンITSは、次のステップとして具体的なハードウェア構成などを盛り込んだ最終提案を作成。サーバーにはHP BladeSystem、ネットワークとしてHP バーチャルコネクト、共有ストレージにはHP P4000という組み合わせを提案した。
HP P4000、HP バーチャルコネクトを採用
「提案の中で注目したのはHP P4000がiSCSIに対応していたことでした。今後、データセンターを複数に分けたり、ディザスタリカバリーに対応しようとする時に有利ですから」と、キヤノンMJの深澤主任。ファイバーチャネル(FC)の場合、FC用の回線や追加機器が必要になる。しかし、iSCSIなら既存のネットワーク環境と親和性が高いため、追加の投資コストを抑えることができる。
またHP P4000の「ストレージクラスタリング」も高く評価。これはストレージ容量とパフォーマンスをリニアに拡張できるというHP P4000ならではのアーキテクチャー。「新生活系インフラが支えるファイルサーバーにしても掲示板にしても、データは増えていく運命にあります。その時にもレスポンスが下がらないことを期待しました」(深澤主任)。
ネットワークで提案したHP バーチャルコネクトにも大きなメリットを見いだした。「掲示板はディスク帯域をそれなりに使うという特性があり、通常のiSCSIでは少し不安があったのです」と深澤主任は語る。HP バーチャルコネクトなら、iSCSIでも10Gbpsという広い帯域で接続できる点が魅力となった。
さらに、HP バーチャルコネクトは10Gbpsのポートを最大4ポートに分割し、帯域を100Mbpsから10Gbpsまで自由に設定できる「Flex-10」機能に対応している。複数の仮想サーバーが稼働する仮想化環境で利用する価値は高い。こうしたネットワーク面での自由度の高さも評価を受けた。
こうして、2010年5月、キヤノンITSからの最終提案が採用されることに決まった。
構築を担うキヤノンITSを強力にバックアップ
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キヤノンマーケティング ジャパン株式会社
IT本部 ITインフラ部
コンピュータインフラ第一課
青木 輝将 氏 |
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翌月から、キヤノンITSが中心となり、新生活系インフラの構築が急ピッチで走り出す。ハードウェア納入までの1ヶ月ほどの間に、設計作業と並行して、キヤノンITSではエンジニアを市ケ谷にあるHPの検証センターに送り込み、当時まだ構築経験のなかったHP P4000を徹底的に検証した。併せて、HP P4000の技術的な特性などに関するSE教育も実施。HPとのパートナー体制が大いに効果を発揮した場面のひとつだ。
「こうしたキヤノンITSサイドの見えない取り組みは、非常に助けとなりました」と深澤主任。もちろんキヤノンMJにとっても、HP P4000は初めて扱う技術。仮想化に関する様々な技術を一気に導入するというチャレンジではあるが、未知の要素を連携して潰していけたことは、予定期間内で開発を無事完了できた背景のひとつとなっている。
「技術的にわからない点は、ホワイトボードに図解しながら、かみ砕いて教えてもらいました。時にはHPのエンジニアも交えて、ふんだんに技術情報を提供してくれたキヤノンITSには感謝しています」とキヤノンMJ側からプロジェクトに参加したコンピュータインフラ第一課の青木輝将氏も、構築期間中の様子を振り返る。
サーバー台数は1/10、性能は大幅向上
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キヤノンマーケティング ジャパン株式会社
IT本部 ITインフラ部
コンピュータインフラ第一課
浦田 亜希子 氏 |
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仮想化を全面的に取り入れた新生活系インフラは、当初の計画どおり、2010年9月に完成。その後はキヤノンMJサイドによって、物理サーバーで稼働していた各種サービスを新生活系インフラ上の仮想サーバーに順次、移行する作業が進んでいる。2011年中をメドに、すべてのサービスの移行を完了させる予定だ。
現在進行形で稼働をスタートさせた新インフラだが、すでにいくつもの導入効果が現れている。
最も具体的な効果としては、当初から目指したサーバー台数の削減である。既存の生活系インフラで稼働していたサーバーは全84台に上っていた。新生活系インフラでは、この数をブレードサーバー8台にまで統合・集約することができた。10分の1まで台数を削減したことになる。
青木氏は社内掲示板サービスで大幅なレスポンスの向上を実感しているという。「社員の関心が高く、グループ内から一斉に見にくるような情報、たとえば社長からのメッセージ発信などがあった場合、以前であればレスポンスが遅くなるケースがありました。新インフラでは非常にスムーズに稼働しています。予想していた以上の成果です」。
「サーバー構築の作業が非常に楽になりました」と評価するのはコンピュータインフラ第一課の浦田亜希子氏。「これまではテスト環境、開発環境を含めて、維持管理に手間がかかりました。新インフラでは本番環境も含め、OSの導入までの構築作業を容易に、短時間でこなせるようになっています」。
深澤主任は役員からの直接の電話で一瞬、ドキリとしたという。「役員が利用する稟議などの決裁サービスについての問い合わせでした。話を聞いてみると、決裁サービスのレスポンスが良くなったけれど、どうしてか、というもの。お褒めの言葉と受け取りました」。
運用面での進化も見られる。新生活系インフラ構築に合わせてHPの管理ツール、HP Systems Insight Managerを導入。これまではバラバラだった管理環境を統一した。運用コストのさらなる削減が見込めるものとキヤノンMJでは期待している。
キヤノンMJ、キヤノンITS、HPの密接な連携に期待
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キヤノン ITソリューションズ株式会社
基盤事業本部 エンジニアリングセンター
東日本基盤エンジニアリング 第一部 部長
吉尾 章 氏 |
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2011年2月現在、84台の物理サーバーのうち、半分程度まで仮想サーバーへの移行が終わっている。「しかし、現状は物理サーバーを仮想サーバーに単純に移し替えた状態。今後、最適化を進めることでさらなるサーバー台数の削減、コスト削減につなげたい」と深澤主任は今後の展望を語る。
また、スマートフォンに代表される多様なデバイスへの対応、新たなサービスを提供する際のスピード感といった点は、次なる取り組みの重要なテーマだ。
「仮想化をふんだんに活用した今回の成果は、キヤノンMJのお客様にキヤノン製品や関連ソリューションを実際に体験していただく場として本社・支店で開催している『ライブオフィスツアー』でも公開していきたいと考えています。そして、キヤノンITSの企画をベースに先進的なITソリューションをこれから次々と生み出し、ビジネスとして提供できるものに鍛え上げていく。こうした流れを加速させていきますので、HPにもぜひ協力をお願いしたいと思います」。古川課長は、最後をこう締めくくった。
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