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ソフトバンクBB コマース&サービス統括は、ソフトバンクの創業事業であるIT流通ビジネスを継承
する国内屈指のディストリビューターである。業界最大規模の取扱高を誇るソフトウェア流通をはじ
め、PC、周辺機器、サーバー、ネットワーク機器、デジタル家電など34万に達する広範なアイテムの流
通を担う。そのネットワークは、国内外のメーカー4,000社と販売パートナー5,800社を結んでいる。
「IT流通ビジネスに新しい価値を加えるために、サーバー仮想化をテーマとしたソリューションの提供に
力を入れています。具体的には、サーバーやストレージなどのハードウェアと仮想化ソフトウェアを組み
合わせ、テクニカルサポートとともにトータルにご提供するものです」(ソフトバンクBB 情報システ
ム本部 松田恭典部長)
ソフトバンクBBが「ビジネスとしての仮想化」に着目したのは2007年のことだ。その時の状況を松田
氏は次のように振り返る。
「仮想化が次のトレンドになる、ビジネス上の重要テーマになる、という確証がありました。仮想化テ
クノロジーは、当時ニーズの高まっていた“サーバー統合”の流れをいっそう加速させるものだったから
です。そこで私たちはソフトバンク・テクノロジーの協力を得てVMwareの試験導入を行い、さらに自社
システムのサーバー統合プロジェクトにも仮想化を適用することに決めました」
ソフトバンク・テクノロジーは、ソフトバンクBBのITインフラストラクチャやアプリケーションの開発・
構築・運用までを一挙に手がけるITパートナーである。エンタープライズソリューション事業部の柳清
和マネージャーは語る。
「コマース&サービス事業のITインフラは、ビジネスの成長とともに必要な機能を追加し、拡張を続けて
きました。多くのハードウェアは更新時期が近づいており、TCO最適化の観点からもITインフラ全体を
見直す必要に迫られていました」
ソフトバンクBBの「サーバー統合プロジェクト」は、ITインフラ全体を最適化し、TCOを削減するこ
とをめざして2007年後半にスタートした。
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ソフトバンクBB株式会社 情報システム本部 C&Sシステム統括部 C&Sシステム企画部部長 松田 恭典 氏 |
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サーバー統合プロジェクトは、「小さな規模から始めて、段階的に移行範囲を拡張する」という方針で
進められた。第1フェーズでは、数台のサーバーを仮想サーバー環境に統合し移行手順を確立させた。
第2フェーズでは、10台以上のサーバー移行を手順どおりスムーズに進めた。続く第3フェーズのスター
トは2009年である。
「第3フェーズを開始するにあたって、ひとつの決断をしました。iSCSIベースのSANストレージ『HP
LeftHand P4000 SAN』の採用です」(松田部長)
移行対象になるサーバーは第一フェーズの3倍以上に及んだ。既存の環境では、サーバーと内蔵ディ
スクだけで1システムを構成できるものも多かったが、サーバーブレード上で多数の仮想サーバーを稼
働させるとディスク容量が不足するのは明らかだった。そこで松田部長は共有ストレージを導入し、
ボトルネックを解消しようと考えた。いくつかの製品をソフトバンク・テクノロジーと協議した結果、
「HP LeftHand P4000 SAN」を導入することに決定した。
「HP LeftHand P4000 SANは、iSCSIストレージでありながらスケールアウトが可能です。つまり、ノード
を追加することで容量も性能も拡張することができるのです。スモールスタートと段階的な移行を計
画していた私たちにとって、これは非常に好都合でした」
しかも、HP LeftHand P4000 SANは、稼動中のシステムでサービスを停止させることなく容量拡張やメ
ンテナンス作業が行える。HPが“ストレージクラスタリング”と呼ぶユニークなアーキテクチャだ。スト
レージクラスタリングは、システム移行時のプロビジョニングにおいても威力を発揮する。
「ストレージリソースは仮想化され、ひとつのストレージプールとして管理されます。仮想サーバーを立
ち上げたとき、“仮想ストレージプール”から切り出すイメージで必要なだけボリュームを割り当てるこ
とができます」(柳氏)
物理サーバーから仮想サーバー環境への移行に際してストレージが即座に応える仕組みが出来上が
る。HP LeftHand P4000 SANは、ディスク容量不足の解消だけでなく、さらに大きなメリットをもたら
すことになった。
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| ソフトバンク・テクノロジー株式会社
エンタープライズソリューション事業部
ENT第1技術部
IT統合基盤グループ
マネージャー
柳 清和 氏 |
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日常的なパッチやファームウェアのアップデート、3〜4年のサイクルで訪れるハードウェアの更新、OS
やアプリケーションのバージョンアップ――これらの作業をエンドユーザーにストレスをかけることなく実行するにはどうしたらいいか。これまでずっと松田部長を悩ませてきた課題だ。
「情報システム本部のミッションは、ユーザーの業務を支援しビジネスの成果を高めるITサービスを提供することにあります。システムを安定的・継続的に稼働させることは、まず大前提。たとえユーザビリティを高めるための更新であっても『計画停止』は最小限にする必要があるのです」(松田部長)
エンドユーザーにとって、サーバーやバックエンドのシステムが新しくなったところで、直接的なメリット
が感じられるわけではない。むしろ、システム刷新に伴うサービス停止がストレスになる。
「だからこそ、サーバー統合を進める上では、物理的なボトルネックを解消し、かつ仮想化のメリットで
ある“自由度”を飛躍的に高めるストレージ導入・選定が重要であることを痛感しました」と松田部長は語る。
HP LeftHand P4000 SANがどのようなメリットをもたらしたか、実装にあたったソフトバンク・テクノロ
ジーの大塚正之氏は次のように語る。
「共有ストレージとして十分な性能を提供できることは、まず期待通りでした。驚いたのは、容量設計をはじめとする物理的な設定作業がほとんど不要なことでした。しかも、稼動中のシステムを止めることなく移行作業を進めることができたのです」
従来型のストレージは、導入時に容量設計をしなければならず、導入後のボリューム変更も容易ではない。ディスクの増設にもシステム停止が伴う。これまでの常識はHP LeftHand P4000 SANによって覆された。
「移行に際しては、物理サーバー上のOSを含むハードディスクの全内容を、イメージレベルで仮想サー
バー上にコピーする『P2V(Physical to Virtual)』という手法を採用しました。データの受け皿として、HP
LeftHand P4000 SANの仮想ストレージプール上にボリュームを用意。データコピーは稼動中のシステムのバックグラウンドで行いました。テスト環境でのアプリケーションの動作確認を経れば、あとは仮想サーバーごとに設定した仮想IPを本番用のIPに順次切り替えるだけです。ボリュームも自動的にマウントされます」(大塚氏)
確立された移行手順は、安全でしかもシンプルなものだ。松田部長が続ける。
「ユーザーに気づかれないうちにハードウェアを更新し、何事もなかったかのように再稼働させる手順が確立できました。情報システム本部としては、まさに理想的な移行作業と言えるでしょう」
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| ソフトバンク・テクノロジー株式会社
エンタープライズソリューション事業部
ENT第1技術部
IT統合基盤グループ
VMware認定プロフェッショナル(VCP)
大塚 正之 氏 |
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仮想サーバー環境への移行により、物理サーバーの台数は大幅に削減された。松田部長は、コスト削減効果を次のように紹介する
「第3フェーズスタート時に、『新規に導入するサーバーやストレージ、移行にかかるコストを3年以内に回収する』という目標を立てましたが達成のメドがつきました。最も大きな原資はファシリティ関連のコスト削減です。データセンターのラック契約を、第3フェーズ対象分として1/5まで縮小できたのです」<
外付ストレージのための設置スペースもわずかだ。
「HP LeftHand P4000 SANは、システム全体でストレージリソースを最適化できます。サーバー単位で最適化しなければならない従来型ストレージよりも容量効率が優れていますので、導入ノード数は最小限で済みました。小さく始めても、将来の要求に応じてオンラインで拡張できるので心配ありません」(松田部長)
外部ストレージが加わったことで運用負荷は増えただろうか。大塚氏は次のように語る。
「HP LeftHand P4000 SANはiSCSIベースですので、サーバーとストレージを統合的に運用管理するためには最適な選択でした。TCP/IPに精通している我々エンジニアのスキルが活かせます。管理対象になるサーバーは削減され、ストレージはシンプルに一本化されましたので、システム全体の運用も効率的になりました」
HP LeftHand P4000 SANは、サーバー管理者でも運用できる扱いやすさが魅力だ。さらにiSCSIベースの
製品であるため、FC-SAN製品と比べて導入コストの面で有利なことも見逃せない。
「サーバーもストレージもまったく新しい環境へ移行したにも関わらず、これまでのスタッフが運用で
きることは大きなメリットと言えます。ITインフラ全体のリソース活用は着実に最適化へ向かっています」(松田部長)
統合は無事に第3フェーズまで終え、第4フェーズの準備が始まろうとしている。
「次のフェーズでは、ビジネスクリティカルな要求レベルがいっそう高まります。プロジェクトの集大成とも言えるでしょう。ですが、ここまで蓄積してきたノウハウをそのまま活用できるので不安はありません。システム全体の耐障害性も十分に高められたと考えています」
サーバー障害に対しては、VMotionによって可用性を確保できるようHP LeftHand P4000 SANを構成してある。また、共有ストレージ自体の可用性もHP LeftHand P4000 SANで「ネットワークRAID」を構成することにより高めている。
「ネットワークRAIDは、複数のストレージノード間でデータをストライピングまたはミラー化することで、ノード障害が発生してもボリュームが継続される仕組みです。これにより、スケールアウト型ストレージの弱点であった“ノード障害”を克服しています」(柳氏)
またHP LeftHand P4000 SANは、スナップショット機能とリモートコピー機能を有償ライセンスなしに活用できる。将来的には、災害対策として別サイトでデータ保全を図ることも可能だ。
最後に松田部長はこう語って締めくくった
「これはソフトバンクBBの文化だと思うのですが、販売に力を入れたい製品は“まず自分たちで使ってみる”ということを実践しています。HP LeftHand P4000 SANのユーザーとして経験とノウハウを蓄積し、お客様にとって価値の高いソリューションの提供にチャレンジしていきたいと思っています」
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