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株式をはじめREIT(不動産投資信託)やETF(上場投資信託)、FX(外国為替証拠金取引)、先物・オプション取引、eワラントなど、金融商品の数は近年、大幅に増えている。こうした流れの中で、資金をそれほど持っていない多くの個人投資家であっても様々な金融商品に気軽にアクセスできるのは、オンライン証券会社の存在に負うところが大きい。
クリック証券株式会社もそうした個人投資家に人気のオンライン証券会社のひとつである。2006年のサービス開始以来、「顧客利便性の高い金融サービスを低料金で提供し続ける」という経営理念の下、確実に業績を伸ばしてきた。2008年10月には、オンラインでの保険の取り扱いを開始。「株式やFXだけでなく、広範な金融サービスを提供できる総合金融サービス会社を目指すという取り組みを前進させることができた」と、同社取締役でIT部門の責任者でもある田島利充氏は語る。
クリック証券の特長といえるのは、経営理念でもうたっているように、品質の高いサービスを提供しながら、手数料などを業界でもトップクラスの低料金に抑えていることだ。たとえば、FXで通貨を売買する時に必要となる手数料の一種「スプレッド」。これを業界に先駆け、ドル/円では最低で0銭を実現した。こうした攻めの戦略により、同社は2009年7月に、FXの月間売買代金でトップの地位を獲得した。
こうした低料金戦略が可能である秘密を、田島氏は技術力の高さにあるという。「技術者集団で始めた会社ということもあり、システムの構築や運用、そしてお客様の利便性アップに欠かせない取引ツールの開発などを、すべて自社内で行っているため」(田島氏)だと解説する。社内の優秀なエンジニアを使って開発コストを抑えることができるため、お客様のニーズを取り込んだ質の高いサービスやツールを絶好のタイミングで迅速に提供すると同時に、低料金も実現できるというわけなのだ。
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クリック証券株式会社 システム部マネージャー 箱崎和男 氏 |
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前述したように、クリック証券は業界で初めて、ドル/円のスプレッドを最低0銭にした。この料金体系をスタートさせたのは2008年7月のこと。このスプレッド改定をきっかけに、同社のFXの口座数と取引量は急激に伸びていった。しかし、同年11月になると、FX取引を司る「FXシステム」が悲鳴を上げ始める。取引のトランザクションをさばききれないようになり、取引が非常に集中した場合、システム障害も発生するような事態に陥ったのである。
トランザクションをさばききれない最大の原因は、ストレージのI/O処理がボトルネックになっていたことだった。「既存ストレージではI/O処理のパフォーマンスが不足し、一連のトランザクション処理を途中で待たせてしまうことが増えてしまったのです」(田島氏)。問題解消に向け、同社では急きょI/Oパフォーマンスのより高いストレージへ更新することを決めた。
ストレージ更新にはもう1つの狙いもあった。ITインフラチームのチーフを務める同社システム部の箱崎和男マネージャーはこう説明する。「ストレージが複数存在し、しかも複数のベンダーが混在していたのです。これらを1つに統合することで、運用の手間を軽減したいと考えていました」。複数のストレージがあれば、もし障害が発生した場合に、特定するための作業が必要となる。しかも、ベンダーごとに障害対応の方法が異なる上、問い合わせ窓口も複数。運用を担当する同社エンジニアたちには大きな負担がかかっていた。 |