オフィスでも社外でもシームレスにBIMを活用
ビム・アーキテクツのモバイルワークステーション活用術
東京・目黒のビム・アーキテクツは、その名の通り、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)による設計を売り物とする先端的な建築設計事務所だ。オフィスでもノート型ワークステーションをメーンに活用する中、日本ヒューレット・パッカードのモバイルワークステーション「HP EliteBook 8460w」をこのほど導入。オフィスでの設計業務から社外でのプレゼンテーションまで、シームレスに活用している。
メーンマシンはノートパソコンにこだわる
BIMによる設計業務というと、大型ディスプレーをつないだデスクトップ型のワークステーションを使うのが常識と思いがちだが、ビム・アーキテクツでは20台近いパソコンやワークステーションのほとんどがノート型だ。
使用しているBIMソフトは、メーンとなる意匠設計用の「Revit Architecture」のほか、様々なソフトで作成した建物や設備のBIMモデルを統合する「Navisworks」、リアルタイムレンダリング用の「ShowCase」、CGやムービー作成用の「3dsMax」だ。さらに「Vectorworks」や「GLOOBE」や「J-BIM施工図」、「Piranesi」と、そうそうたる3次元ソフトが並ぶ。
建物を丸ごと3次元でモデル化するBIMソフトをスムーズに動かすためには、高性能のCPUやモバイルグラフィックス、大容量のメモリーなどを積んだマシンが必要だ。そのため、社内で使うパソコンやワークステーション選びにもこだわりがある。
「一番多いのが17インチのモニターを備えた『HP EliteBook 8730w』で7台あります。ノート型にこだわる理由は、安心感があるからです。例えば、突然の停電でもパソコンが落ちることなく業務が続けられます。また、設計データを社内のサーバーで管理することで、万一、マシンが故障してもすぐに別のパソコンを使って業務が行えます」と、ビム・アーキテクツ代表取締役の山際東氏は語る。
これだけ、マシン選びにこだわりのあるビム・アーキテクツに、日本ヒューレット・パッカードのモバイルワークステーション「HP EliteBook 8460w」が導入された。オフィス内外で使用した山際氏の評価はどうだったのだろうか。
メーン機としても十分使える性能
「結論として、BIMソフトを使うマシンとしては十分な性能を持っています。BIMソフトによるプレゼンテーションやレンダリング作業などもスムーズです。社内では他のパソコンと並行作業を行うサブマシンとして使っていますが、メーンのマシンとしても十分使える性能です」と、山際氏は使用感を語った。
OSとメモリー容量、そしてモバイルグラフィックスの性能は、BIMソフトを使うために重要な要素だ。「HP EliteBook 8460w」は64ビットのWindows7が使用でき、メモリーも8MBまで増設できる。「BIMソフトでちょっと大きな建物を設計する場合、6GBはほしいですね。リアルタイムレンダリングを行う『ShowCase』は、最もコンピューターのリソースが必要なソフトですが、問題なく動きます」(山際氏)。
オフィスではサブマシンとしてBIMモデルのレンダリングやウェブサイトの閲覧などに使用(左)。打ち合わせの場ではモバイル機としてBIMソフトを立ち上げ、施主とのプレゼンや設計変更などを行う(右)※画像クリックで拡大
内蔵されている日本AMDの高性能モバイルグラフィックス「AMD FirePro M3900」の動作にも、山際氏は満足している。「AMDのモバイルグラフィックスは初めて使いましたが、表示の拡大や縮小、視点を移動しながら建物をみるウォークスルー、そして動画の再生なども問題なく、データ処理量が多くなっている最近のBIMソフトでも安心して使えることが分かりました」(山際氏)。
デスクトップ型だとパソコンとモバイルグラフィックスの相性が悪いことが原因でのトラブルが発生することもあるが、ノート型だとまずそんな心配はない。
ノートパソコンを主力マシンとして使っているビム・アーキテクツでは、外部モニターを日常的に使っている。モバイルワークステーション本体のモニターを外部モニターと連携させて一つの画面として使ったり、別々の独立した画面として使ったりするのは、日本AMDのドライバーソフトによって直感的に設定できる。
このほか、「HP EliteBook 8460w」が便利なのは、「QuickWeb」という機能だ。OS自体を立ち上げなくても、無線LANに接続してメールチェックやウェブサイトの閲覧ができるものだ。
「QuickWeb」の画面。OSを立ち上げなくてもメールチェックやウェブサイトの閲覧が可能だ※画像クリックで拡大
スタイリッシュで丈夫なケースも安心
同社では社外のプレゼンテーションや設計の打ち合わせのために施主を訪れるとき、17インチのモニターがついたマシンを持ち出していた。その重量は大きく、カバンのひもがずっしりと肩に食い込んでいた。その点、14インチモニター搭載の「HP EliteBook 8460w」は小型・軽量でカバンに入れて運ぶのには手ごろなサイズだという。
モニターは小型であるものの、解像度は画面の縦方向に900ピクセルあり、BIMソフトを使用するためには十分だ。
「パソコンを社外に持ち出すとき、強度も大切です。以前、満員電車の中で持っていたパソコンの液晶パネルが割れたことがありました。『HP EliteBook 8460w』だと、メタル製の頑丈なフレームが付いているので強度的にも安心です」と山際氏は言う。
また、オフィス内で多数のパソコンが稼働すると、電気代も問題になる。例えば、デスクトップ型のワークステーションをノート型に変えただけで、1台当たり月間2万円も電気代が違うこともあったという。ライフサイクルコストを低減するためにも、省エネは重要なのだ。
ビム・アーキテクツでは、メールやスケジュール管理、データ共有などに、積極的に「クラウド・コンピューティング」を活用している。設計したBIMモデルデータは、社内のサーバーに保存することで、他のスタッフといつでも情報共有できるようにしている。
「クラウドを活用することで、パソコンが故障してもすぐに他のパソコンを使って業務を継続できるという安心感があります。どこからでもデータを共有でき、設計業務を進められるので、職場の機動力は大幅に高まります。こうした環境で使うマシンとして、『HP EliteBook 8460w』は、最適な選択でしょう。また、8GBまでメモリーを増設しても、十数万円で買えるコストパフォーマンスは、大きな魅力です」と山際氏は言う。
クラウドコンピューティングを活用する建築設計事務所にとって、手軽に持ち運びができ、BIMソフトもサクサクと動く「HP EliteBook 8460w」。モバイルワークステーションは今後、必須の武器になりそうだ。
ビム・アーキテクツのスタッフ。全員が一級建築士という少数精鋭のメンバーだ※画像クリックで拡大
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