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HP Workstation 導入事例紹介
デジタルファッション株式会社

 

デジタルファッション株式会社様
HP Workstation 導入事例
感性と創造性をデジタルで再現することを可能とするワークステーション活用

IT化が遅れているといわれるファッション業界ではあるが、10年前から先進的な取り組みにより、ファッションのデジタル化とネットワークサービスを研究・開発し続けてきた企業がある。同社が提唱する「ファッション・オンデマンド」を軸に、これまでの「ファッション」の概念を大きく超え、幅広く企業、消費者に向け、新しい価値を提案する、デジタルファッション株式会社(以降、デジタルファッション)の代表取締役社長 森田修史氏(以降、森田氏)、取締役 技術開発部長 博士(情報学) 今尾公二氏(以降、今尾氏)に話を伺った。

デジタルファッション株式会社 感性と創造性をデジタルで再現する

  感性、創造性を反映できるIT化の実現へ

デジタルファッション株式会社 代表取締役社長 森田修史氏
デジタルファッション株式会社
代表取締役社長 森田修史氏

「弊社は東洋紡の研究所から独立し、布と3Dを研究するため2001年に設立しました」と語り出す森田氏。デジタルファッション設立の背景には、ファッション業界のIT化が遅れているという理由もあったのだという。「感性や創造性といった部分が含まれる業界ですから、それをデジタルで表現することは難しいという認識があるのです」と森田氏。

例えばファッション業界を代表するアパレル産業では、今でも実際に店頭へ行き試着したり、実際に生地に触れたりしながら、商品を選ぶことが多い。「ファッションを数値化したような単なる情報化だけではダメなのです。感性と創造性を画面でリアルに表現することにより、多くのファッション業界に携わる人や、消費者のみなさまのお役に立てるのだと確信しています」と森田氏は語る。

同社の社名である「デジタルファッション」が定義する「ファッション」は、アパレルだけを指すものでは無く、もっと広い「ライフスタイル」そのものを表現しているのだという。「アパレルはもちろん、化粧品、自動車、家電、家具、電気産業、それを取り囲む住宅産業や環境までも含みます」と森田氏は語る。

デジタルファッションが得意とする分野は大きく分けて3つある。1つは「コンピュータービジョン」いわゆる画像認識技術で、2つめが布の動きや質感などを数値計算で求める「コンピューターシミュレーション」。3つめが「コンピューターグラフィックス」となり、こちらはビジュアル表現するための画像生成技術となる。「それらの得意分野を活かして、『ファッション・オンデマンド』を目指しています。ファッション業界においても、これが欲しいといったらすぐに届くという時代が間違いなく来るだろうと予想しています」とビジョンを語る森田氏。

ファッション・オンデマンドの実現に欠かせないのが、パソコンやスマートフォンなどの携帯端末上でも、素材をリアルに表現できる高い技術力だ。「シミュレーションの技術も必要ですし、表現するためには様々な測定装置も欠かせません。要するにいろいろな技術が必要になるのです。そこを我々が用意するということです」と語る森田氏の表情は明るい。

  ファッション・オンデマンドを実現するための事業展開

「例えば朝起きて、今日はこの服が着たいというシミュレーションをディスプレイで表示する。そんな時代が来るだろうと考えています。専用デバイスが話しかけてきて『あなたがこの服を着たい場合は何キロ痩せなさい』とか、『こういった食事を摂りなさい』などといったアドバイスをする機能もある。そんな未来像を実現するためのエンジンや、そういった時代にあった服を作るため、あるいは服を選ぶためのアプリケーションを作っていく、ニーズを持った人々の夢を叶える人材育成もしていこうと考えています。これが弊社のビジョンです」と熱く語る森田氏。

日常に息づく「ファッション」のすべてを網羅するオンデマンドとしてのシステム作りを実現するために、デジタルファッションが事業として行っているのは、デジタルファッションショーやファッション・コーディネート・システムなどを提供する「PROMOTION事業」、BRDF測定装置(OGM)や質感レンダリングソフト(Lookscraft)、産業向け3D→2D型紙作成ソフト(DressingSim EX)などを提供する「QUALITY事業」、ファッションデザインソフト(DressingSim LSX)、3D縫製シミュレーションソフト(DressingSim Cloth)、デジタルファブリックシステム(DFS)、次世代カーシート設計ソフト(FDS)、ゲーム開発や3D衣服製作等を提供する「CREATION事業」の3つの柱が核となっている。

デジタルファッションの事業展開イメージ。3つの分野は独立したものでなく、それぞれが融合する形で機能する

デジタルファッションの事業展開イメージ。3つの分野は独立したものでなく、それぞれが融合する形で機能する

デジタルファブリックシステムのイメージ
デジタルファブリックシステムのイメージ

多岐に渡るソリューションを提供しているデジタルファッションだが、ここで1つの事例を紹介していただいた。「例えば、ファブリック製品の製造に繋がるシミュレーションを実現した『デジタルファブリックシステム(DFS)』を開発していますが、これは実測した糸の力学特性と光学特性に、実際のファブリックの設計情報を組み合わせることにより、ファブリック製品全体の外観をシミュレーションできるというものです」と語る森田氏。このシミュレーションによって得られた結果は、実測データに基づいているため、実際に製造できる製品となる。

DFSは、ファブリックの組織構造シミュレーター、マルチプリント シミュレーター、シミュレーション結果をリアルタイムな 3 次元グラフィックスで表示するために、専用テクスチャデータ化する「前計算ツール」など、いくつかコンポーネントから構成される。前計算ツールでは、組織構造シミュレーターからの3次元組織構造を、GPUによるリアルタイムレンダリングに適した専用テクスチャデータへ変換、圧縮する。専用レンダリングビューワソフトウェア(DF-Viewer)は、上記の組織構造シミュレーション・前計算により生成されたファブリックデータを、様々なファブリック製品の形状に貼り付けて、外観を確認することができるソフトウェアで、光源についても実際の照明環境を測定したデータを用いている。

こうした各コンポーネントの機能により、ファブリックの質感を表現し、実際に数千本の経糸、緯糸が絡み合って生み出される柄をデジタル上で再現することを可能としているのだ。「糸同士の接触点は数百万から数千万に及ぶため、それらを正確に扱うためには、非常に大きいデータを組織構造シミュレーターで扱う必要が出てきます。これをリアルタイムに画面上で表現するのが難しいところでもあり、それを実現できるDFSの優位性でもあります」と森田氏は語る。リアルタイムで、ファブリックから生成できる柄やその仕上がりを確認でき、しかもそれが実際に生産可能な製品として再現されるDFS。これを扱う企業にとっては、非常に多くの恩恵を与えてくれるシステムだが、CPU、メインメモリ、GPU性能とグラフィックメモリの容量や能力にも一定以上の要件が生まれることになる。

デジタルファブリックシステム上で再現される画像例。生地の組織や製品に反映された様子をリアルに表現している

デジタルファブリックシステム上で再現される画像例。生地の組織や製品に反映された様子をリアルに表現している

  巨大データをスムーズに処理するためのワークステーション

デジタルファッション株式会社 取締役 技術開発部長 博士(情報学) 今尾公二氏
デジタルファッション株式会社
取締役 技術開発部長 博士
(情報学)今尾公二氏

「現実のものを正確にデジタルとして映像化しようとすると非常に大量のデータを扱う必要があります。私たちが手がけているシステムの中でも、DFSは特に負荷の高いアプリケーションです」と語る今尾氏。開発したシステムのプレビューチェックはもちろん、特にそれを実際に活用するユーザー企業ではハイパフォーマンスを発揮できるワークステーションが必須なのだという。

「基本的には常に上流にあるスペックを使い続ける必要があります。性能が高くなればなるほど使いやすくなる。逆に性能が低いとデータが扱いきれない可能性もあるのです」と今尾氏。もちろんコスト的な上限は各ケースでそれぞれ存在するが、その中でも最もパフォーマンスを発揮できそうなシステムを使う必要があるのだ。「DFSを例にすると、負荷の高低は布にデザインされる柄にもよります。昨今の流行で、割と大きな絵柄が配置されるケースが多いのですが、細い糸を集めてそれを表現するとなれば、扱うデータもそれだけ増えていくという形です。柄をデザインするデザイナーも複雑なもので差別化を図ろうとしますから、システム的な要求も高くなってくるというわけです」と今尾氏は語る。

DFSを使い、柄を配置した布のイメージを作る。糸が細く、柄が複雑になるほどデータ量も膨大なものになる

DFSを使い、柄を配置した布のイメージを作る。糸が細く、柄が複雑になるほどデータ量も膨大なものになる

HP Z800 Workstation

デザインであるからには、流行には一定のムーブメントが存在する。柄を配置するのが流行る時期もあれば、シンプルな柄が流行る時期もある。DFSでいえば現在はカーシートを生産するときに使われることが多いのだが、デジタルファッションではインテリアやアパレルへこの技術を拡充している最中でもある。「あらゆる分野を総合的に捉えると、流行が来るスパンもタイミングも違ってきます。そうした状況を鑑みて、やはりハイパフォーマンスを発揮できる、高性能なワークステーションが必要なのです」と今尾氏。そうした高度な要件を実現するために導入しているワークステーションがHP Z800 Workstationだ。

デジタルファッションでは、プレビュー用、ユーザー企業向けにHP Z800 Workstationを導入、実際の運用に使っている。「HP Z800 Workstationをはじめ、実運用時のことを考慮してOSは64bit化を進めています。メインメモリは32GBを標準としています」と今尾氏。これは、大量データを扱う上で、自然とその形へと集約していった結果なのだという。「グラフィックスカードについても、導入時のコストとの兼ね合いもありますが、なるべく上位モデルでグラフィックスメモリが多いものを選んでいます。ファブリックのデータやアニメーションデータなどは非常に大きいので、メインメモリを経由させるよりも直接グラフィックスメモリに格納できたほうがレスポンスが上がりますからね」と語る今尾氏。年々、スペック的に向上し続けているグラフィックスカードに今後も期待したいと同氏はいう。

HP EliteBook 8460w Mobile Workstation

また、デジタルファッションでは、モバイルワークステーションとして、HP EliteBook 8460w Mobile Workstationをテスト運用している。「こちらは主に、ユーザー企業へ出向いてレビューする際に活用しています」と今尾氏。「プレゼンなどのシーンは、一発勝負的な部分があります。そこで魅力溢れるビジュアルが再現できないと終わりなのです。レビューをご覧いただく人には、コンピューターのパフォーマンスは関係ありませんから、なるべくハイパフォーマンスでいながら持ち運べるものが理想なのです」と森田氏は語る。

本来、ワークステーションごと環境を移動したいぐらいだと語る森田氏。実際にはそれが難しいため、モバイルワークステーションでの運用をテストしているというわけだ。「高性能なモバイルワークステーションで、効果的にビジュアルを見せてスマートに帰ってくる。これが今のところ一番良いようです」と森田氏。先ほど例に出していただいたDFSのケースでも、糸1本が見えるような近距離における組織構造の再現性と、ファブリック製品全体を見渡した際の質感の表現を両立するには、高性能なグラフィック・アクセラレーターが必要になる。さらに「この性能をモバイルで持ち運べるようになれば、どこでもファブリックのサンプル帳代わりとして使えます。また、ファブリック製品全体のコーディネーションを客先で試せたりと、応用分野が大きく広がっていくと思われます」と、森田氏はモバイルワークステーションの今後のさらなる高性能化に期待を寄せている。

ワークステーションを使い、開発やプレビューを行うスタッフ

ワークステーションを使い、開発やプレビューを行うスタッフ

  マスコミ媒体も注目するデジタルファッションの技術力

衣服のシルエットや動きをリアルに表現する3Dファッションショーを実現する「デジタルファッションショー」
衣服のシルエットや動きをリアルに表現する3Dファッションショーを実現する「デジタルファッションショー」
衣服のシルエットや動きをリアルに表現する3Dファッションショーを実現する「デジタルファッションショー」
衣服のシルエットや動きをリアルに表現する
3Dファッションショーを実現する「デジタル
ファッションショー」

デジタルファッションの取り組みやソリューションは、現在多くの媒体や消費者から注目されている。「デジタルファッションショーの技術やそれを使ってECサイトを運営されているユーザー企業などが紹介されたり、スマートフォン上で着合わせを試して実際の商品の購入ができ、さらにその着合わせ結果をSNS上で共有して他のユーザーと会話を楽しめるアプリも放送されました」と森田氏。実際にスマートフォン向けのアプリケーション「YUMETENBO Collection‐夢コレ‐」は、10万ダウンロードを超すヒットアプリとなっており、現在も若い女性を中心に多いに活用されている同社のサービスとなっている。

「ファッション・オンデマンドを広げていくには、手軽に持ち歩けるスマートフォンをはじめとしたモバイル端末で、もっとリアルなビジュアル表現ができるといいですね。それを見て直感的に良さを感じてくれるようなサービスを提供していきたいです」と森田氏。「コンピューターが外の世界を認識できるようになると、さらにファッション・オンデマンドが進むと思います。例えば、着合わせ機能などもこれからは買うものだけで無く、今持っている自分の服をデータとして簡単に取り込めるような仕組みを導入してみたいですね。それを弊社の技術力で実現し、提供していければと思います」と今尾氏も将来の展望を語ってくれた。

モバイル端末で自分に似せたアバターを使った着合わせが楽しめる「HAOREBA®」
モバイル端末で自分に似せたアバターを使った着合わせが楽しめる「HAOREBA®」

先に紹介したヒットアプリやマスコミの注目度を見ても、ファッション・オンデマンドを掲げる同社のコンセプトは確実に広がりを見せている。「ファッション・オンデマンドを単純に表現すると、オーダーメイドの世界ですね。かつてオートクチュールが流行しましたがそこへ回帰するということです。その人に応じたものを作り込んでいき、ニーズを満たすものを提供したいのです」と語る森田氏の表情は明るい。

「今後はデジタルを使って新しいクリエーションを起こしたり、コンピューターが今までできなかった物作りができる、また、それらを支えるビジネスを創造するデジタルファッションクリエイターを創造していきたいです」と森田氏は言葉を続ける。実際にデジタルファッションでは、2012年の春より、同社が持つデジタル技術と、従来通りの服作りなどのアナログ技術の両方を習得した人材を輩出するための講座を開催していくことが決定している。「持っている技術をグローバルに活用できる人材を増やす。言い換えれば、私たちの仲間を増やしていきたいのです」と森田氏は語る。

ファッション業界を中心に、周囲をとりまく業界や消費者、そのすべてを包み込む形で、新たな改革を成し遂げようとしているデジタルファッション。今後もその高い技術力と創造性溢れるアイデアで、これまでにない魅力的なサービスを次々と提供してくれるはずだ。

森田氏と今尾氏

記載されている会社名、製品名は、各社の商標もしくは登録商標です。
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