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横浜市と北京市との“アーティスト・イン・レジデンス”交流事業

Kriska氏の滞在制作プロジェクトにおいて、デュアルコアAMD Opteron™ 搭載HP Workstation xw9400/xw9300は、高レスポンスと色再現力で創作意欲を熱くかき立てた。

RedBrickGarden-final

kriska氏 横浜市は現在、「文化芸術創造都市(クリエイティブ・シティ)・横浜」構想と、アジア各都市との文化交流をすすめるための様々な文化事業を展開している。そのプロジェクトのひとつとして実施されたのが、滞在制作と発表の場を提供する「北京市とのアーティスト・イン・レジデンス交流事業」。北京市を拠点に活躍する新進気鋭のアーティストKriska(クリスカ)氏に、2007年2月1日(木)から4月6日(金)まで横浜で滞在制作を行ってもらい、4月7日(土)から22日(日)の16日間にわたり横浜美術館アートギャラリー1で作品を展示した。

展示風景1Kriska氏の今回の作品は、大きく引き延ばした風景写真をスクリーンにして、その上にCGアニメーションをプロジェクターで投射するインスタレーションとなっている。HPは、レジデンス創作活動の拠点“ZAIM”での制作環境を支援するため、Kriska氏が要請したコンピュータグラフィックスのスペックをかなえるものとして、ハイエンドワークステーションのHP xw9400/CT Workstationを2台提供。また印刷環境としてB0サイズ対応のグラフィック専用大判プリンタHP Designjet 5500を用意した。

 創作の全過程で高度なスペックが必要!とKriska氏

Kriska氏に作品のテーマをたずねると、にこやかな表情で話し始めた。「今回のテーマは、中国語の“玩儿(遊ぶ、たわむれる)”です。これは、“好玩儿(面白い)”にもつながる言葉。作品を見た人たちがそこに面白さを感じてくれれば、いいのです。 なんの変哲もない横浜の風景写真のうえに、CGや動画を重ね合わせることで、たわむれを描き出しています」。

「来日して15日間はあちこち歩き、横浜の風景をデジタルカメラで撮り続けました。アーティストの目でなく、あえてスナップ写真的に横浜のイメージをカメラに収めていくこの過程は、正直言って少し退屈な時間です。しかし写真をセレクトした後の1ヶ月間は、毎日デジタルワーク漬けになります。最後の10日間ぐらいは、毎日10時間以上もワークステーションの前に座りっぱなしでしたね。でも膨大な作業なのに、ワークステーションは軽快に動いてくれる。思ったらすぐに試すことができ、後戻りも簡単。スイッチを入れっぱなしにしていても安定して動いてくれました。だから、今回の創作活動は、本当に楽しかったですね」。

デュアルコアAMD Opteron™ 搭載 HP xw9400/CT Workstation

xw4400Kriska氏は今回のアーティスト・イン・レジデンス交流事業に参加するに当たり、創作活動に使用するマシーンスペックをあらかじめ要請していた。氏は現在、北京中央美術学院のデジタルメディア学部に研究生として在籍しており、普段利用しているのは高いスペックを求めてアセンブルした自国製のマシーンだった。持ち込むよりは日本の環境を体験することにし、プロセッサ、メモリ、グラフィックコントローラなどについてハイエンドのスペックを強く求めた。

xw9400は、最新のデュアルコアAMD Opteron™プロセッサを2基搭載。またAMD Opteron™のDirect Connect Architectureでメモリ、I/O、CPUが直接つながっているため、優れたパフォーマンスを発揮する。 Kriska氏が行った風景写真の処理プロセスでは、フォトラボで写真データをタテ1.2m×ヨコ2mのスクリーンサイズに印刷できる大容量データに変換したものをワークステージョン上に展開して色の微調整を行っている。また、風景写真の上にプロジェクターで映し出すCGや動画の制作は、ステップごとに大がかりな処理を必要としつつ、発想のおもむくままにアイデアを広げたり、いつでも簡単に元に戻せるスピード感が要求される。 xw9400は64ビットOSで最大64GBまでメモリ拡張が可能な点もあり、ストレスのない作業環境を提供する。

展示風景2グラフィックコントロールにおいても、xw9400は比類ない能力を発揮する。パラレル・レンダリングやコンポジティングのような高いグラフィックスパフォーマンスを要求するスケーラブル・ビジュアライゼーション環境の提供にも対応する。「風景写真の上にかぶせるCGや動画については、透過性をなによりも重視しています。CGが風景写真とは別要素としてパラレルに動くだけでは、バーチャルなままになってしまう。リアルな風景にいかにも同時に存在しているかのごとく透過的にとけ込ませて、違和感のない不思議な空間にするかが面白さにつながるわけです」とKriska氏は解説してくれた。液晶ディスプレイで確認した色がプロジェクターで映し出した際にほとんど変わらず意図通りに再現されていることを、氏は高く評価した。

 使用したアプリケーションソフトはAutodesk 3ds Max

Kriska氏は今回の創作活動のすべてを3次元CG「Autodesk 3ds Max」で行った。アーティストでありながら建築CGの分野で定評のあるこのアプリケーションソフトを使ったのはなぜか。そこには、氏ならではの理由があった。

「私はもともと建築専攻だったのです。しかし建築を学ぶうちに、この世界の窮屈さを感じるようになりました。決められた規格があり、そこを守っていかなければならない。自分のやりたいこととちょっと違うのでは、と思うようになったのです。それで途中から、デジタルメディアに転向しました。しかし建築を学んでいたとき、私は授業で使っていた3ds Maxのポテンシャルに気づいていました。アートのCG制作でもきわめて使いやすいソフトだと思っていたので、その流れで今も作品制作に使っているのです」。

最高の品質を求める最新版ソフトが軽快に稼働

2次元的な発想になりがちな建築系のCADも、極めて自由度の高いモデリング機能が求め始められている。3ds Maxはレンダリングの美しさだけでなく、フォルムを考えながらデザインできる自由度の高さで、建築CADの次世代をリードしている。その分、快適に利用するために、3ds Maxはワークステーションに高度な性能を要求している。

HPは、オートデスクをはじめとしたソフトウェアベンダー各社と緊密なパートナーシップを結び、アプリケーションのベンチマークなどに関する多くの経験をもとに、常に高い安定性と信頼性、パフォーマンスを発揮するようHP Workstation xwシリーズを開発。アプリケーション認定を受けているのはもとより、共同でコンピテンシーセンターも運営している。最新版の3ds Maxもスムーズに稼働し、常に最高の品質が得られることが保障されている。

 スクリーンにする風景写真はHP Designjet 5500で印刷し色を確認
“Double cell” Kriska氏は横浜美術館アートギャラリー1の展覧会に、北京で制作した作品も出展している。“Double cell”と題した作品はCGアニメーションで映像が繰り返し流される。笑いを忍ばせた作品“Drink beer”は、映像がマウス操作に反応する。今回のアーティスト・イン・レジデンス交流事業で制作した3つの作品は、それらとは全く異なるインスタレーションとなっている。
  “Drink beer”
 
元画像
修正画像
CGアニメーション素材
作品 “Red Brick Garden”
2007年,インクジェットプリント、CGアニメーション,LCDプロジェクター(5分ループ)
Kriska氏は作品を説明しながら、映像を投射しているプロジェクターのレンズを手で覆った。するとスクリーンとして見えていた壁面のカンバスは、横浜の代表的な風景写真の大判パネルであったことが判明した。1点は人気のない赤レンガ倉庫、もう1点はランドマークタワーの夜景、あと1点は窓からの眺めとも思える、ビルが群がる昼間の近隣風景。Kriska氏はこの何の変哲もない風景写真の色にもリアリティを求め、大判プリンタでの印刷を行っていた。


色校正にも利用可能なグラフィック専用大判プリンタ

タテ1.2m×ヨコ2mに引き延ばされた風景写真は、最終的に印刷会社で出力されている。しかしその途中過程には、Kriska氏の徹底した色へのこだわりがあった。リアリティを重視するため、風景写真の色合いは大きな変更を施さず、むしろ微妙な色合いを調整するにとどめている。

ワークステーション上で微調整した色変換の結果を確認するには、紙への出力が絶対条件だった。モニターやプロジェクターの色は印刷物とは異なるためだ。またフォトラボで引き伸ばし写真として見る光沢のある出力も印刷とは異なる。厚みのあるマット紙に出力して色を確認するためHP Designjet 5500がフルに活用された。実際の印刷物に近い色校正が可能なプリプレス・プリンタとしての役割を果たした。



※実際の作品は背景(写真部分)を大判プリンタ(HP Designjet 5500)で出力して壁に貼り、そこへプロジェクタを使いCGなど動画部分を投影して合成しております。
 
 
 ワークステーション性能は今後の制作活動にも重要

Kriska氏創作活動にとってはインスピレーションなど自分自身の才能が最も重要で、道具としてのワークステーションに対してはこだわりはないのでは? という質問を投げかけてみた。 Kriska氏は即座に首を振った。「私より十数歳年上のアーティストは、確かに、コンピュータの処理速度などあまり気にしていないようです。しかし、私と同世代のアーティストは、コンピュータ技術について詳しいこともあり、より速いワークステーションを好んで使っています。インスピレーションは作品制作にあたり普遍的・恒久的なものです。とはいえ、それを具現化する手段はまた別の話です。私と同世代のアーティストは、処理スピードやグラフィック性能などにこだわる人が多いのです」。

Kriska氏は帰国後の予定として、今回、横浜で制作した作品は限られた時間内に仕上げたこともあり、さらに手を加えたいとしている。より完成度の高いものに仕上げて、中国国内でも展示をしていくと抱負を語った。今後は大学に残り、教育に携わることになるとも語り、横浜市が進める文化交流の成果は、次の世代のアーティストに受け継がれていく期待がうかがえた。

世界中のアーティストの制作現場にすぐれたコンピューティング環境をお届けするため、HPはこれからも幅広い支援を強力に展開していく。

本ページに記載されている情報は取材時におけるものであり閲覧される時点で、変更されている可能性があります。予めご了承下さい。  
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