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映画「日本沈没」


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特撮映画の超大作「日本沈没」が、現代のVFX技術で蘇る
デュアルXeon搭載のHP Workstation のマシンパワーがCG制作の現場を支える
 海底乱泥流、東京大地震、富士噴火・・・1973年、一大ブームを巻き起こした特撮パニックの超大作『日本沈没』。小松左京氏のベストセラーを映画化した同作品は、当時にして制作費5億円を投じたと言われる大規模な特撮が話題となりました。その名作が、今年、新たなストーリー展開と最新のVFX技術によって33年ぶりに蘇りました。最新のVFX技術は、火山噴火や津波といった見所シーンを、よりリアルで、より迫力あるものとしています。

  今回、海底シーンに登場するフルCG制作を始め、CG/VFX制作を担当したのはモーターライズです。そして、ハードなスケジュールの中、モーターライズの制作スタッフの作業効率を高めるためにと導入されたのは、HPのワークステーションでした。『日本沈没』のVFXスーパーバイザーであり、モーターライズのディレクターを勤める、佐藤 敦紀氏に話をお伺いしました。
佐藤 敦紀氏
 樋口監督から、前作のVFXチームで!の声

 現代版「『日本沈没』」の監督は、日本の特撮映画の第一人者、樋口真嗣氏です。樋口氏が手がけた2005年公開の『ローレライ』は、VFXを駆使した潜水艦大作として脚光を浴びました。その『ローレライ』でCGディレクターを勤めたのが佐藤氏。「『ローレライ』の大成功を経て、『日本沈没』のCG/VFX制作を同じチームで行いたいと監督からの依頼を受けたのは、昨年の4月。VFX制作と特撮とのタッグ組みは、早い段階で決まっていました」。

『日本沈没』のCG制作は、モーターライズと他チームによる分業で行われました。前回の映画で、主に海中シーン制作にあたったモーターライズは、今回も、水中シーンを中心に全編各所で制作に携わっています。「全編通して実写だけの部分もあり、全体の合成カットは450程、そのうちの120カット程度をモーターライズが担当しています。アナログかデジタルのどちらかという分け方ではなく、両方の手法をどう融合させていくかがVFX制作では重要な部分です。モーターライズでは、深海探査艇や装置を含む海底シーンの他、函館の津波、大雪山の噴火、九州の阿蘇山の噴火のシーン、観測衛星から見た沈み行く日本列島のビジュアルなども手がけています。また、実写用のセットとして置かれる災害対策本部のモニタなど細かい演出にもCGが使われています」(佐藤氏)。

 映画制作のすべての工程に関わるCG制作チーム
 VFX映画と言っても、すべてがCGということではなく、実写、ミニチュア、合成とその技法がシーンによって切り分けらます。撮影前から始まる念密な打ち合わせに始まり、撮影中のセットに使われるCG、フルCG制作、編集作業、実写撮影終了後の本格的な合成作業にいたるまで、CG制作チームは、長期に渡り作業を行うことになります。本映画の制作進行と合わせてVFX制作がどう行われていったのかをご紹介します。

1. VFX、実写、ミニチュア使用のボリューム検討 6月〜9月

 VFXの分量をプロデューサーたちと相談しながら、各シーンを推測する作業を開始。「この段階では、ミニチュアは何が必要で、素材取りをどこまでやるかといったCGとのボリューム分けなどを行っていきます。今回、登場する深海探査艇(わだつみ6500)は、今の技術やマシンスピードなどを考えてフルCGになりました。5年前であればミニチュア撮影という選択肢もあったと思います」(佐藤氏)。

2. アニマティクス制作 9月〜12月

 監督が描いた画コンテを見ながら検討し、CG、ミニチュア、 実写、合成作業などの切り分けを行なっていくアニマティクス制作が行われます。通常は撮影前に大まかな編集作業を行うことで、カメラアングルなどを役者が確認できるといったメリットがあるといいます。「今回は全体のスケジュールの関係で、撮影中にも現場にも同行しながら、この作業を並行していました。実写撮影の終了した12月にもまだ作業が続いていました」(佐藤氏)。編集作業は、ラフのCGを利用して1月の中旬に終了。「ハリウッドでは一般的にとられている技法です。編集作業が先に行われることで、無駄なカットを省くなど現場の作業を効率が図れます」(佐藤氏)。実写撮影はこの間、9月〜11月に行われました。

3. 本格的なCG制作 1月〜4月中旬 

 合成用素材を合わせるCG制作の本格稼動の時期は3ヶ月半でした。「どのシーンも苦労だらけだった」という佐藤氏。今回、特に難しかったとされるシーンを取り上げていただき、苦労話をお聞きしました。
 どこまでリアルで、どこまでを映像表現としてCGを組み込むかが課題だった

〜海底で探索艇が進むシーン〜

このカットでは12枚に渡るCG画を合わせたフルCG制作が行われています。
完成
 「色、濁り、マリンスノーといった水中の“ルック“をどう表現するか大変に苦労しました。本来、真っ暗で何も見えない海中を、映画の中でどう演出していくかが大きな課題でした。イメージボードを作りながら試行錯誤を重ね、監督のOKがでるのに一ヶ月半掛かったカットもあります」と佐藤氏。
イメージボードとは、アニメーションの視覚的な素材(描法、画法、発色、質感など)のことです。アートディレクターの描くイメージボードによって、制作者側のイメージのゴール決めが可能になるといいます。制作チーム内の分業が進むハリウッドの現場と異なり、日本では、1人がワンカットを受け持つ方法が取られており、出来上がりのバラツキをなくす意味でも、このイメージボードが役立っています。

 また、佐藤氏は、「水中イメージの微妙な表現を出すのに、通常のパーティクルでは固いイメージになってしまうため、一つのパーティクルに対してポリゴンを発生させ、モーションブラーをかけています。今回は映像の最終段階で、Autodesk社の「Discreet® Lustre®」を使用して色調、明るさ、質感などの細かい調整が可能だったことも、作業効率が向上した理由の一つです」と話しています。

〜阿蘇山爆発のシーン〜

このカットでは、実写、特撮素材、CG素材で作られた8枚が合成されています。
〜阿蘇山爆発のシーン〜
 「爆発のシーンなどは特に特撮やCGでどう表現するかかの選択が難しかった。33年前とは違い、阪神淡路大震災などを経験した後で、映像としても大きな嘘をつけないですからね。今回のCG制作では、映画的なカタルシスと実際に起きていることの帳尻を合わせることが課題だったと言えます」(佐藤氏)。
 制作効率を上げるためにXeon搭載HP Workstationを導入
 モーターライズの制作現場には、日本HPのパーソナルワークステーションが導入され、その制作技術を支えています。導入経緯などをモーターライズのテクニカルサポートを勤める直井健太郎氏にお聞きしました。
 「負荷の高い作業を短期間で行うこともあり、CG制作におけるマシンパワーは常に高いものが求められています。作業が本格稼動する1月にHPのワークステーションの導入を決定し、2月から3月にかけて導入を実施しました。実は、当初、制作用としてのセッティングは後回しにと考えていたのですが、作業効率を考えて制作スタッフのマシンを全てデュアルXeon搭載のHP Workstation xw8200に入れ替えました。また、30台のHP Workstationをレンダリングマシンとしても活用しています」。

モーターライズのシステム環境は図のとおり。
直井健太郎氏
システム環境
 直井氏はHPのワークステーションを導入した理由について、「CG制作においては、レンダリングの試行錯誤が要となります。制作の効率化を図るためには、ソフトや人材供給も大事ですが、マシンパワーも重要だと感じています。今、作業を行っている人間がストレスを感じないようにすることを最優先して、デュアルXeon搭載で安定性も見込めるHPのワークステーションを導入しました。レンダリングマシンとして使用する時に縦に並べて置けることも気にいっています」と話しています。
  現システム環境下では、前作では一週間かかっていたレンダリング作業が、1〜2日で終了するようになったといいます。
ワークステーションを導入した理由
 モーターライズの『日本沈没』CG制作チームのスタッフは、CGアニメーター、マットペインター、コンポジターを含む10人。決して大規模とは言えない人数で、僅か3ヶ月半の期間で作業を完成させたことは、『日本沈没』の壮大で迫力あるシーンを見ていても、まったく想像がつきません。何よりも、どこが実写でどこが素材、そしてどこがCGなのかも見分けがつかないくらいです。

 日本のVFX技術を支えるクリエーターの方々が、快適な環境下で作品制作に取り組んでいただけるようにHP Workstationはさらなる優れた製品をご提供していきます。
本ページに記載されている情報は取材時におけるものであり閲覧される時点で、変更されている可能性があります。予めご了承下さい。  
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