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日産自動車株式会社
テクニカルセンター
数千台のCADシステム一斉バージョンアップを30分で完了。
グローバル・コラボレーションを支える効率的な運用管理環境を実現 |
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大量のワークステーションがネットワークにつながっている時代だからこそ、運用管理を見直す必要がある。日産自動車(株)テクニカルセンターでは、日本ヒューレット・パッカード(株)が提供する運用管理ソリューション「HP
pc-coe」を採用して、ワークステーションの構成管理やアプリケーション配布の自動化を進めている 2001年4月には、数千台のMicrosoft® Windows NT® ワークステーションに対するCADシステムのバージョンアップをわずか30分で完了。グローバル・コラボレーションを見据えた、効率よい設計環境の実現に成功している
| USER PROFILE: 日産自動車株式会社 |
| 本 社: |
東京都中央区銀座6丁目17番1号
テクニカルセンター:神奈川県厚木市岡津古久560−2 |
| 創 立: |
1933(昭和8)年12月26日 |
| 代表者: |
代表取締役社長 Carlos Ghosn(カルロス・ゴーン) |
| 資本金: |
4,966億500万円(2000年3月末現在) |
| 売上高: |
2兆9,970億2,000万円 |
| 従業員数: |
32,707名(2000年3月末現在) |
| URL: |
http://www.nissan.co.jp/ |
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劇的な納期短縮とコスト削減を実現するために、多くの企業がコンカレントエンジニアリングに取り組んでいる。航空機業界に次いで、最も早くからコンカレントエンジニアリングを実践してきた自動車業界では、さらに一歩進んで、グローバルなコラボレーションが日常的に行われるようになっている。
しかし、コンカレントエンジニアリングもグローバル・コラボレーションも、パソコンやワークステーションを大量に設置し、ネットワークインフラを作り、3次元CADシステムを導入しただけでは実現しない。エンジニアリング・ワークステーションの台数が増え、互いに結ばれているからこそ、運用管理の問題が生じてくるのだ。コンカレントエンジニアリングには、これまでとは異なる運用管理の課題が出てくるし、グローバルレベルともなると、運用管理に対する考え方そのものを見直す必要がある。日産自動車の場合は、日本ヒューレット・パッカード(株)(以降「日本HP」を表記)が提供する運用管理ソリューション「HP
pc-coe」を採用。グローバル・コラボレーションを支える効率的な設計ワークステーション運用環境を実現することができた。
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日産自動車(株)テクニカルセンターは、神奈川県厚木市にあって、企画・デザイン・設計・試作を引き受ける日産自動車の研究開発の要である。テクニカルセンターは常に最新のテクノロジーを駆使できる環境を整えており、日産自動車が厳しい自動車開発の競争を勝ち抜くための原動力となっている。
エンジニアリング環境の見直しは、1999年3月、ルノー社とのグローバルかつ広範な提携を契機に一段と加速された。また、日産自動車は財務体質を強化し、利益ある成長を達成するために、「日産リバイバル・プラン(NRP)」を策定して、着実に実践してきている。
統合3次元CADシステムを早くから全社規模で導入し、ソリッドモデルを中核としたコンカレントエンジニアリングを段階的に進化させてきた同社だが、1999年当時、テクニカルセンターで働くエンジニアの机上には、メインフレームCADのための端末、UNIXワークステーション、OA用のMicrosoft® Windows PCと、3台のコンピュータ用のディスプレイ、キーボード、マウスなどが並んでいた。
同センターのグローバルシステム開発部では、エンジニアが作業しやすい環境を構築することによって、生産性向上と、端末の導入コストを削減するという目標を立て、エンジニアリング環境をMicrosoft® Windows NT® ベースで再構築することを決断した。
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Microsoft® Windows NT® ベースで環境を再構築するにあたって、次の3つの要件が浮上してきた。第1は、システム運用管理工数の削減。ソフトウェアのバージョンアップやシステムサポートに際しての管理工数を、減らすための方策を実行する。
第2は、アプリケーションの共存の実現。エンジニアリング用の各種アプリケーションやOAアプリケーションを、Microsoft® Windows NT® 環境で共存させる。
そして第3に、短期間で大量導入(Microsoft® Windows NT® への移行)を計画し、早急に一人一端末環境を実現することである。
日産自動車株式会社
情報システム本部
グローバルシステム開発部
グローバルシステムグループ
課長 中島 康雄氏 |
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「Microsoft® Windows NT® ワークステーションの大量導入にあたってのポイントは、長時間にわたって安心してアプリケーションが使えること、性能が良いこと、そしてシステム管理のノウハウにありました」とグローバルシステム開発部
中島氏は当時を振り返る。
つまり、信頼性、パフォーマンス、運用性が焦点となったのである。信頼性やパフォーマンスについては、ハードウェアメーカーやソフトウェアメーカーの努力によって、かなり評価されるレベルに達していたが、運用性の問題は、相変わらず課題として残されていた。
エンジニアリング環境の運用管理の問題点には、次のようなものがあった。
まず基本的に、Microsoft® Windows NT® は、そのままでは運用管理に手間がかかる。必要な人に必要なソフトを配布し、最適な状態で動作できるようにシステムを維持し続けるために、新たな管理コストが必要になる恐れがあった。しかも日産自動車は、マルチベンダーを戦略的に選択している。その時点で最もコストパフォーマンスが高く、目的に合ったシステムを選択することによって、常に最先端のエンジニアリング環境を実現できるからだ。
したがって、管理するプラットフォームは、必然的にマルチベンダー環境となる。運用管理システムは、特定のベンダー製品に対応したものではなく、国内外の各社から販売されている最新最高スペックのMicrosoft® Windows NT® ワークステーションに対応したものでなければならない。また、CAD用途の高性能Microsoft® Windows NT® ワークステーションを短期間に大量導入することは、それまでの自動車業界では他に類を見ない「冒険」でもあった。
しかも、マルチベンダー環境でありながら、すべてのワークステーションに同じ環境を用意して、そのメンテナンスも容易にできることが求められたのである。 |
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実はグローバルシステム開発部では、それまでのUNIXシステムの運用について、行き詰まりを感じていた。UNIX系のシステム管理のために、各種ツールをshellベースで自社開発したが、UNIX
OSやソフトウェアのバージョンアップに伴う、膨大なshellのメンテナンスは大変な作業だった。
「これまでもUNIXワークステーションの運用管理の現場は、大変な苦労を重ねていたのです。Microsoft® Windows NT® 環境に統合すると、1台のワークステーションに搭載するアプリケーションも複雑になるため、もう、人手に頼ったシステム管理では限界です」と中島氏。
そこで、グローバルシステム開発部は、Microsoft® Windows NT® ベースの運用支援ツールを各種検討した。CADなどの大型ソフトウェアを数多いユーザにすばやく確実にインストールするための配布システムや、Microsoft® Windows NT® ワークステーションの障害時にシステムをすばやく復旧するソフトウェアなど、数多くの項目にわたって慎重に検討を重ねたのである。
その結果選定したのが、日本HPが提供する運用管理ソリューション「HP pc-coe」であった。
HP pc-coe(Common Operating Environment)とは、標準化されたPC環境を実現し、管理運用していくためのコンセプトである。HPは、HP
pc-coeコンセプトを実現するために、管理ソフトウェア「AIM」(Applicatiopn Integration Manager)を提供している。
AIMは、大量のPC環境を前提に、ソフトウェア自動配布とすべてのハードウェア/ソフトウェア構成管理情報を自動的に収集する機能を持つ。また、共通デスクトップ環境をすべてのエンドユーザに提供し、パソコンの再セットアップを極めて短時間で実行する機能もある。
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日産自動車株式会社
情報システム本部
グローバルシステム開発部
グローバルシステムグループ
総括 樋口 勝敏 氏 |
「UNIX時代には、HP-UX用のシステムイメージ配布ツール『IgniteUX』を使っていました。ネットワークを介してOSを他の大量のHP-UXマシンに配布できるだけでなく、全く同じ構成の端末をネットワーク越しに作成出来るツールです。そのHPが、Microsoft® Windows NT® ベースで構築したソリューションなら信頼できると思いました。当然、システム比較表の評価もトップでした」と、グローバルシステム開発部の樋口氏は言う。
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もうひとつ評価されたのが、「HP pc-coe」のクイック・リカバリを実現しているBHD(Boot Hard Disk)機能である。BHDは、ブート用のOSをハードディスク内の別パーティションへ格納しておき、必要に応じて全自動でシステムを再構築する。再インストールにかかる時間を大幅に短縮できるため、障害時のサービス停止時間を最小限にする効果を持つ。
「UNIXと比較したとき、Microsoft® Windows NT® では、アプリケーション使用中に原因不明の不具合を発生する事があります。実は、そういうときにはOSのインストールからやり直すのが一番早い。その意味で、再インストールにかかる時間を節約できるBHDは魅力でした。また、いくつかのツールを比較評価した結果、Microsoft® Windows NT® の文化から出てきた『pc-coe』ならば、Microsoft® Windows NT® の運用管理の問題を深く知り、解決策を提示してくれるだろうという期待もありました」と樋口氏は言う。
pc-coeの導入後、BHDは3つの役割を果たすようになった。
第1は、導入目的でもあった障害対応である。ソフトウェア、あるいはシステムが不安定になり、通常のサポートでは対応できないと判断した場合に、OSの再インストールを行う。思い切ってBHDを使えるため、オンサイトでの不具合原因追求にかかる時間や、メーカによるシステムログ解析にかかる時間を短縮でき、エンドユーザの修復待ち時間は短縮された。
実際、Microsoft® Windows NT® に何らかの障害が生じた場合、ダンプリストをとってベンダーに調査を依頼しても、対応に多くの日数がかかってしまう。その間、ユーザは作業に支障をきたしてしまう。Microsoft® Windows NT® に切り替えることに伴う不安を、システムを短時間で再構築できるBHDが解消してくれたのである。
第2は、データ秘匿効果。組織異動や組織変更が起きると、端末を移設したり、端末使用者を変更したりする必要が生じる。その場合、ハードディスクをフォーマットして次の利用者に引き渡すことができるため、前ユーザのデータを秘匿し、セキュリティを高めることができる。
第3は、開発時の利用。自動配布に際しては、配布用のAIMパッケージを開発することになるが、そのときにBHDを使うと、短時間で標準的なユーザ使用環境を構築できるのである。
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2000年3月、まず40台規模のCADクラス・ルームを、Microsoft® Windows NT® 環境に統一することになった。このプロジェクトの焦点は、Microsoft® Windows NT® ベースの新しい基幹CADシステムをスムーズに立ち上げることにある。限られた準備時間の中で、pc-coeコンセプトに基づく運用管理ツール「AIM」により、この課題を克服した。
CADクラス・ルームの経験から、次のようなこともわかった。まず、容量の大きい統合3次元CADソフトのインストールをAIMで行うと、手動によるレジストリ削除や環境変数の追加・変更、ソフトウェアの各種設定作業などが不要になるため、インストールにかかる時間を大幅に短縮することができる。また、BHDにより、約15分で基本システムの再構築ができた。なお、この15分には、AIMパッケージのインストール時間は含まれていない。
これらの実績が評価され、HP pc-coeは、R&D系の全社規模で本格導入することになったのである。 |
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2000年10月、数百台規模のPCワークステーションの大量購買を皮切りに、HP pc-coeの本格導入が始まった。
オールインワン環境の実現のため、統合3次元CADソフトウェアだけでなく、市販のOAアプリケーションや日産自動車が自社開発した業務用アプリケーション、さらにはホスト端末エミュレータ、ウィルス対策ソフトなどもHP
pc-coeで配布する仕組みが用意された。このために作成されたアプリケーションパッケージは約40。モジュール数にして80を越えるほどである。
年数回ほど行われる統合3次元CADのバージョンアップは、それを使うすべてのエンジニアのワークステーションに同時展開できるようにしなければならない。そこで、部門ごとにサーバを設置。夜間にサーバ間の登録アプリケーションのバージョンを合わせておき、朝出社してきたエンジニアが自分のワークステーションにログインした時に必要なソフトウェアを配布するという2階層の配布方法で、ネットワークにかかる負荷を軽減した。
ネットワークは、重要な設計データが通る情報の動脈である。2階層の配布方法には、ネットワークを効率的に運用するという意味に加え、各地区間の細いネットワーク(WAN)を守る意味も込められていた。
このほかにも、グローバルシステム開発部ではその高い技術力を駆使して、様々な工夫を行っている。
「日産自動車では、レジストリやシステム環境変数、DOSコマンドやリソースキットツール、Visual Basic等を駆使して、AIMパッケージを『全自動インストール化』しました。UNIX環境では、OSの再インストール時等に、機器別の個別設定が必要でした。また、現在でも、オフィス系のパソコンは、ユーザが設定手順書を見ながらインストールしています。AIMパッケージの全自動インストール化により、ユーザのインストール工数は実質ゼロとなり、サポート部門も個別設定作業から解放されました」(樋口氏)
HP pc-coeが他のソフトウェア配布ツールと一線を画しているのは、大量かつヘマルチベンダーのPC環境に確実に対応できることである。テクニカルセンターで統合3次元CADを使うエンジニアの人数は、外注や派遣、関連メーカの人も含めて、数千人の規模になる。ハードウェアについても、HP製のワークステーションをはじめ、複数ベンダーのワークステーションが混在している。これらの環境でもHP
pc-coeは、確実なエンジニアリング環境構築を自動化できることを実証したのである。
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HP pc-coe導入後に行なわれた統合3次元CADのバージョンアップのリリースでその効果は発揮された。
「HP pc-coe導入前には、CADソフトウェアのバージョンアップのたびに、十数人月の工数がかかっていました。導入後の今日では、配布用のパッケージ開発から、検証、配布準備、数千台へのパッケージ・リリースまでを、数人月で完了することができます。配布対象台数が約3倍で、工数が3分の1ですから、この効果は大きい」と樋口氏は言う。
これまでのOA系ソフトの新規リリースについては、CD-ROMや共有ネットワークドライブを利用して各ユーザがマニュアルでインストールしていた為、多くのユーザ工数を必要としていた。この為の手順書の作成や展開、インストールサポートでも多くの工数が掛かっていた。これらの人手を介して行う作業と同様の事がシステムで全自動化できることは大きな魅力だった。
さらに大きな成果があがったのが、2001年4月末に行なわれた統合3次元CADソフトの一斉更新である。容量約1.5Gbyteのソフトウェアを、数千台のPCワークステーションに夜間一斉リリースすることに成功。更新作業は、開始から約30分で完了した。
「pc-coeインフラを改善し、AIMパッケージのルーチンを改良することで、全端末が30分以内でリリース可能である事を実証できました。『数千台におよぶ全世界、全端末の統合3次元CADのバージョンアップを、週末の2日(土・日曜日)以内で終了する』という目標の達成が可能となったのです」と樋口氏は強調する。
これだけの大型パッケージを、大規模システムで一斉リリースが実現できたのは、世界で初めての事例ではないだろうか。「もっと多くの企業でHP pc-coeの機能や利点を知って欲しいですね」と樋口氏はにっこりする。
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HP pc-coeの展開は今も続いている。2001年6月現在で18台のpc-coeサイトサーバが稼動し、全国の各拠点にある数千台のNTワークステーションを管理している。さらに2001年度中には、統合3次元CADの展開に合せて全国の全拠点へサイトサーバを設置する計画である。
「今後のテクニカルセンターは、国内外の関連各社との連携、北米でも欧州でも会社のグローバル展開に対応していく必要があります。設計データが巨大化していくなかで、仕事のやりかたが異なる人達と共同作業をするためには、グローバル・コラボレーションを見据えたサポートが重要です。同じ環境を世界中で使ってこそ、エンジニア同士のコラボレーションも成功するというものでしょう」と中島氏は語る。
日産自動車は、2000年度から3年間で、22の新型車を開発すると発表している。こうした意欲的な新商品開発計画を、グローバル・コラボレーション環境の運用管理の側面から支えているのが「pc-coe」だと言えるだろう。
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Windows 8 の機能を最大限に利用するために、システムには、アップグレードされたハードウェアか個別に購入したハードウェアのいずれか、またはその両方が必要になる場合があります。
また、Windows 8 の全バージョンで全ての機能を利用できるわけではありません。詳しくは、http://windows.microsoft.com/ja-JP/ を参照してください。
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