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HP Workstation 活用事例紹介
酪農学園大学 様

 

モバイルワークステーションとGIS(地図情報システム)を駆使して豊かな自然を守り育む

  人と地球の未来を創る酪農学園大学

酪農学園大学ロゴ

1930年に設立された北海道酪農義塾を前身とし、1960年に酪農学科を設置して開学した酪農学園大学。現在は農食環境学群、獣医学群を中心に、教育研究を行っている歴史ある大学だ。道都190万都市、札幌市にほど近い江別市にキャンパスを持つ酪農学園大学は、背後に2,000ヘクタールに及ぶ野幌森林公園と隣接している。
大都市と豊かな自然が共存する風景は、まさにこの大学にふさわしいといえる。

酪農学園大学様キャンパス風景
酪農学園大学様キャンパス風景

酪農学園大学の中でもGIS(Geographic Information System)すなわち地理情報システムを使って自然環境の解析などを研究している農業環境情報サービスセンターでは、エゾシカの首にGPS発信装置を取り付けて行動調査する取り組みや、2009年7月に米国ESRI社のSAG賞を受賞した海鳥の生息分布を予測し、油汚染などの災害時の影響をGISマップとして表す取り組みなど、様々な研究を続けている。

酪農学園大学様遠景
酪農学園大学様遠景

こうした研究やプロジェクトが多々ある中、同大学が実施しているマレーシアの生物多用性保全を地域住民主導で行うプロジェクトにおいて、HPのモバイルワークステーションが活用されているという。酪農学園大学 農業環境情報サービスセンター長(環境システム学部長 環境共生学類教授)金子正美氏(以降、金子氏)に話しを伺った。

  マレーシアの生物多様性を守り、村民と共に豊かな未来を描く

酪農学園大学 農業環境情報サービスセンター長 環境共生学類教授(生命環境学科教授) 金子正美氏
酪農学園大学 農業環境情報サービスセンター長
環境共生学類教授(生命環境学科教授) 金子正美氏

「私は以前、JICA(独立行政法人 国際協力機構)の青年海外協力隊の村落開発普及員として、マレーシア、ボルネオ島のサバ州の村に2年間住んでいたことがあります」と語る金子氏。1989年から1991年にかけてマレーシアに滞在していた同氏は、地元村民と共に水田開発や井戸作りなど、いわゆる村おこし事業を行っていたのだという。
「そこから帰ってきて北海道庁の職員をしていましたが、今度はサバ州の野生動物局という政府機関から研修員を受け入れることになったのです」と金子氏。サバ州の人材と交流を持ちながら酪農学園大学へと活躍の場を移した金子氏は、同大学においても学生をサバ州へ連れていき、生物多様性を学ぶ環境ボランティア海外実習を行うなど、さらに同地域と親交を深めていく。

「環境ボランティア海外実習では、日本で受け入れていた人々のお世話になりました。同州にはキナバタンガン川があり、この流域は野生動物の宝庫なのです。しかし、この地でも開発が進み、野生動物に大きな影響を与えています」と金子氏は語る。サバ州を中心とした地域では、パームヤシ(油ヤシ)を栽培してパーム油を作るプランテーションの開発が盛んに行われている。比較的低地で栽培されるパームヤシは、森林伐採のそれとは違い、地域の森林を裸地にしてしまうため、その地に野生動物が住めなくなってしまう。その結果、オランウータンの生息地が奪われたり、アジアゾウの移動経路が分断されたりするなど、貴重な野生動物に深刻な影響を与えているのだ。

「実際にオランウータンの生息数は激減し、プランテーションに迷い込んだアジアゾウが殺されるなどの被害が出ています。野生動物への影響だけでなく、近隣で漁業や農業に携わっていた若者がその職業では立ちゆかなくなり、プランテーションで働くしかなくなるなど、村民の暮らしにも大きな影響を与えているのです」と金子氏は語る。

ボルネオ島のオランウータンの分布予測(WWF資料より引用)。
約30年の間に激減していることが分かる

ボルネオ島のオランウータンの分布予測(WWF資料より引用)。約30年の間に激減していることが分かる

多様な生物がおりなす複雑な生態系が息づくこの地域の自然は、世界的に見ても貴重な存在だ。
豊かな自然を守りたいというのは全人類の願いでもあるが、自らの経済が成り立たなくては実行に移すこともままならない。そのため、村民は自然を破壊すると分かっていながらも、パームヤシのプランテーションへ働きに出かけているのだ。
「今携わっているプロジェクトは、バトゥプティ村が対象となっています。その少し下流にスカウ村があるのですが、ここは豊富な野生動物を資源としたエコツアーを20年以上に渡って運営し、成果を上げているのです。この方法をバトゥプティ村にも取り入れられないかということで、まずはどんな資源があるか調査してみることになったのです」と金子氏は語る。 

  キナバタンガン川下流域の生物多用性保全のための住民参加型村おこしプロジェクト

金子氏が実施しているこの活動は、旭山動物園やコンサベーション・インターナショナル、NPO法人EnVision環境保全事務所などが協力しているJICAの草の根技術協力事業だ。また、村おこしをするだけでなく、日本の持っている環境技術や学問にも興味がある彼らに教育を施していくことも、活動の一環となっている。「地域的に教育環境が整っていないこともあるので、なぜ自然環境の保護が必要か、なぜゴミを捨てたらいけないのか、そんなことも教えています」と金子氏。「しかし、ただ単に自然を守るために保護区を作るというのでは経済に負けてしまいます。ですから、自然を守る側にも経済力を与え、こちらのほうが儲かるという方法を見つることで説得力を持たせるのです」と続けて語る同氏。

プロジェクトが行われているマレーシア サバ州
プロジェクトが行われているマレーシア サバ州

先ほどのエコツアーの計画もその一環であり、その他にもこの地域ならではの資源を使った顧客が呼べる付加価値を持った物産を産出する、一村一品を実現することも活動予定に組み込まれている。
「例えば木の種を使ってビーズ細工のようなものを作ることができれば、この地を訪れる観光客を引きつけます。それにはそういう技術がある人が居るのか調べることは当然ですが、エコツアーをするにも、一村一品をするにも、それのベースとなる資源調査が必要になってくるのです」と語る金子氏。
金子氏の専門は地理情報システムを使った解析技術にある。伐採された地域を再生するために植林するにしても、そこには以前どのような木が生えていたのかが分からなければならない。古い衛星写真などを元に地域を解析して、適切な植林をしなければ、それまでの行為が無駄になる恐れもあるのだ。「土壌調査や植林調査、資源調査などあらゆる調査が必要です。ですから村のリーダーはGISを勉強して自分達の土地がどうなっているか把握し、それを地図にします。植林ツアーをする場合は、観光客にもそれを見せて、こういる理由で私達はそこへいき、この種類の木を植える、その結果森はこのような状態に復元されるという説得力のある説明ができるようになるのです」と金子氏は語る。

ランドサット衛星から作成したバトゥプティ村の土地利用とゾウの確認地点

ランドサット衛星から作成したバトゥプティ村の土地利用とゾウの確認地点
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