|
|
 |
≫ |
|
|
 |
 |
|
|
 |
2009年2月26日にアクションアドベンチャーゲーム『龍が如く』シリーズの最新作「龍が如く3」が発売され、シリーズ全世界累計出荷本数は320万本を突破する大ヒットを記録している。
株式会社セガ(以下セガ)はゲームコンテンツ制作にあたり、常に先進的なアプローチを試みているが、『龍が如く3』では “リアリティではなくリアル”を目指したタイトルとして制作がスタートした。
「龍が如く」シリーズでは骨太のストーリーを支えるリアルな街並みや世界観と、自由度の高い操作が可能なインタラクティブなゲーム性が特徴ともいえ、そのため常に前作よりも高いクオリティを求められ続けている。しかし、このリアルな世界を作り上げるために与えられた期間は10ヶ月。
この短い期間でセガの100人を超える制作チーム全員が HP Workstation を駆使し限界に挑みながら作り上げていった。
この短い期間でクオリティの高いゲーム制作を支えるワークフローについて 第一CS研究開発部 第一デザインセクション リードデザイナー 友田 大介氏とCS研究開発本部 CS R&D推進部 ITサポートセクション 主任 久冨 幸恵氏にお話を聞いた。 |
 |
|
|
|
 |
 |
 |
「龍が如く3」は検証などを含めた制作期間は10ヶ月であり、その中でデザイン製作は8ヶ月だった。このスケジュールは1作目の「龍が如く」Play Station(以下PS)2から、PS3に対応した前作「龍が如く 見参!」そして、今回の「龍が如く3」とほとんど変わっていない。この制作スケジュールについてリードデザイナー 友田氏(以下友田氏)はこう語った。
「PS3には前作『龍が如く 見参!』で対応したのですが、これは戦国時代が舞台になっていたので、現代を舞台とする『龍が如く3』とは設定がまったく違います。そのため、キャラクターや背景データも今回PS3用としてスクラッチから作り上げていきました。もちろん、『龍が如く 見参!』で採用した3Dスキャン等取り入れた技術やワークフローもありますが、ゲーム開発としてはリアルに作り込むため、前作から引き継ぐデータはほとんどなかったので、最初はありえないスケジュール設定だと思っていましたが、振り返ってみると“ありえたね”と言うのが実感です。」
戦国時代と現代では人の数や建物の複雑さなど必要となるアイテムはおよそ1.5倍以上の制作ボリュームになる。
今タイトルでは27社の企業がタイアップしてくれたため、徹底して細かい部分の作り込みも行なわれ今まで以上にリアルを追及できる環境が揃った、とITサポートセクション 主任 久冨 幸恵氏(以下 久冨氏)は語った。
「今回の制作ではHP xw4400 WorkstationとHP xw8600 Workstationを合わせて115台使用しました。OSはWindows XP 64bitを導入しメモリは8GB、ディスク容量は1TBから2TBという構成で挑みました。『龍が如く3』ではリアルな風景や街並みの雑踏を再現するために、街頭に立って見えるお店の看板や自転車などの細かいプロップをゲームステージに存在させ、現実空間を再現しています。また、このタイトルではタイアップして頂いた企業も27社となり、細かい取材もさせて頂くことができましたので、ゲームプレイヤーが本当にそのお店に入っていくような感覚を得られるクオリティを追求しました。このように、構成する要素が非常に多くまた可能な限り作り込みをしているので、ハードウェアにはかなり負担を強いたと思いますが、HP Workstationは常に安定して稼動していました。」
|
 |
 |
 |
「龍が如く3」の制作ではHP WorkstationのWindows XP 64bitがメイン環境として使用されたが、導入までの経緯とその効果について久冨氏はこう語った。
「『龍が如く3』では、キャラクターは350体以上になり、データ量も1体600KB〜2.5MBになります。さらにゲームステージは100を超え、ゲームプレイ中に楽しめるゴルフやダーツといったミニゲーム(とはいっても、普通にタイトルとして発売できる程のレベルにまで趣向を凝らしています)やプレイスポットは20以上入っていて、まさに大盛り感覚で楽しめるコンテンツです。ここまでのボリュームを扱うには、4GBメモリの制限がある32bitでは追いつかないため64bit環境に移行させる必要がありました。移行前にはワークステーションの台数も多いですし、トラブルが起きた場合のリスクを考えたりしました。というのも、ハードトラブルは予測できない部分でもあり、トラブルがなくて当たり前と考えがちですが、実際起きてしまうとトラブル回避の時間や環境の再構築などの見えないコストやチーム全体にかかる負荷が大きいのです。でも、HP Workstationは今まで使用していた中で、デザイナーを含め社内でも壊れない、フリーズしないという評判が高かったので、信頼して移行しました。今回の制作プロジェクトでもそうですが、目立ったワークステーションのトラブルが無いというのは、10ヶ月間での制作がありえた、という理由の1つと言えます。」
「龍が如く3」の制作ではSOFTIMAGE|XSI 6.5(以下 XSI)が使われた。XSIはゲーム開発でも多く採用され、豊富な機能を搭載しているが特に魅力的な機能について友田氏に聞いてみた。
「私にとってXSIの魅力の1つにモデリングがあります。非破壊モデリングは、モデリングの製作工程を2倍は高速化します。使い勝手も感覚的であり、どんどん作っていっても、データを壊さずに修正も随時入れられるのは制作時間が大幅に短縮されます。また、今回マテリアルシェーダも特別に用意しましたが、特に皺の表現をするシェーダは、顔の表情の動きに合わせて皺の強さをセガのフェイシャルモーションシステムから出力することで、リアルな表現を可能としました。このモーションシステムとの連携でもXSIの柔軟なカスタムパラメータは、非常に使い勝手のよい機能でした。」 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
皺シェーダを使用した主人公 桐生 一馬のショット(左が皺なし、右が皺ありのイメージ)
キャラクターに命を吹き込む顔の表情をリアルに表現させるためにXSIの柔軟なパラメータとセガのフェイシャルモーションシステムが活躍した。このように皺を加えることで、よりキャラクターの感情表現の幅が広がりリアルな世界を感じさせることが可能となった。 |
 |
 |
短期間で制作するために安定したHP Workstationの存在は大きかったが、もう1点モデリングを高速化するために3Dスキャンが使われた。この3Dスキャンのワークフローについて友田氏に聞いた。
「3Dスキャンを採用したきっかけは、『龍が如く 見参!』で実在の俳優を登場させたいという意向からでした。実在の俳優キャラを再現するには3Dスキャンが最適だと思いましたし、私自身以前から3Dスキャンを取り入れたいと思い、アメリカに行った時など色々リサーチしていましたので、作業ワークフローはスムーズに組上げていけました。ただ、スキャンを取る方法については、スキャナーを自社で購入するか外部のサービスを利用するかで悩んでいた所、株式会社ゼネラルアサヒがCYBERWARE社の高性能スキャナーで新しくサービスを始められると聞き、さっそくお願いしました。『龍が如く3』ではイベントキャラクター(イベントシーンで使用する台詞のあるキャラター)とゲームキャラクター(通行人・店舗店員、サブストーリー専用キャラ等)をあわせ約350体以上になりましたが、その全てがリアルに制作できた上、1週間はかかっていたゲームキャラクターモデリングががわずか3日という速さでした。」 |
|
 |
 |
 |
3Dスキャンで撮影して制作するとしても、350体以上スキャンするだけでもかなりの時間がかかり、またキャスティングの手間も大変なものではなかっただろうか?友田氏はこのワークフローについてこう語った。
「実際スキャンしたのは100名程度で、そこから髪形などの素材を加えゲームキャラクターのバリエーションを増やしていきました。このモデルについても予め仕様書などから、必要そうなタイプをモデルエージェンシーと契約して揃えていき、髪型や衣装、靴などの素材は前もって大量に作成しておきましたが、モデル手配についてはセガ社員にも協力を仰ぎました。特に手配が難しかったパンチパーマのモデルは実は当社の社員なんです。もちろん、この社員はパンチパーマではなかったのですが、ゲームのために身を挺して自らパンチにしてモデルになってくれました。もっともその後気に入ったのか、しばらくパンチパーマで業務をしていましたね(笑)」 |
|
 |
 |
 |
「龍が如く3」の制作チームは総勢100名超。このチーム全員がHPのWorkstationを使用し制作を進めていった。このチーム編成について友田氏はこう語った。
「セガでは、部署に捕らわれずプロジェクト単位でチームを組んでいきます。今回の
社内デザイン制作チームは約50名。デザインチーム以外の企画、プログラミング、サウンドチームも合計で約50名です。このほとんどのスタッフは当初から参加しているメンバーなので、息はあっていますし、みんなかゆいところに手が届く仕事ができる編成です。ただ、これだけの人数で10ヶ月間ハードウェアを使い倒すので、生半可な耐性では無理でしょうね。その点HP Workstationはこのハードな制作スケジュールを一緒にこなして行ける重要なパートナーですし、今回も期待通りノンストップで制作をサポートしてくれました。」
HP Workstationの耐性や厳しい制作スケジュールを支えているのは、HP社のサポート体制にもあると久冨氏は語ってくれた。
「HPのワークステーションは保守期間が3年ありますので、機材入れ替えのタイミングも余裕を持って考えられます。またHPのサポートは本当にクリエイティブな仕事を理解してくれていると感じた事があります。例えば、以前メモリのパリティエラーが発生しコールセンターに連絡しすぐに修理対応してもらったことがあります。この修理ではメモリだけではなくマザーボードも含め交換されていました。このように電話サポートからの対応の早さと、これ以上トラブルが発生しないための予防処置をしてくれる体制がHPにはあります。このサポートフローはスケジュールに負われるゲーム制作現場として極力ロスを抑えられますので、信頼して使い続けられる大きな理由です。」 |
|
 |
 |
 |
ゲーム制作は多くのスタッフがかかわり、そして短期間で作り上げていかなくてはならない。プログラムからデザイン、サウンドと実にゲームコンテンツにかかわる要因と分野は他のコンテンツと比較にならないくらい広く、そして深い。時間との戦いを制するのは、戦略とよく練られたワークフローと言われるが、その戦略もワークフローも実はハードウェアが動くという前提で考えられている。この動くという前提をクリアし、またもし何かトラブルがあった場合でも、想定される影響を全て考慮して、ユーザーが持つスケジュールに影響がでないサポートをする事が大切だ。制作現場ではノンストップで稼動する事を前提として決められる制作スケジュールを支え続けていたのは、HP Workstationの安定性とユーザオリエンテッドなサポート体制であった。 |
 |
 |
 |
本ページに記載されている情報は取材時におけるものであり閲覧される時点で、変更されている可能性があります。予めご了承下さい。 |
 |
 |
|
|