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HP Workstation 導入事例紹介
株式会社サンライズ

 

HP ワークステーションのパフォーマンスと64bit化で新たな取り組みを実現
サンライズ第1スタジオが制作するガンダムシリーズの最新作『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』

  数々の名作を世に送り続けてきたサンライズ 第1スタジオ

機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)

© 創通・サンライズ

SUNRISE

2008年に1作目がリリースされて大きな話題となった『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』(以下、『ガンダムUC』)。アニメーション制作を手がけているのは、多くのテレビアニメなどを作り続けてきた、株式会社サンライズの第1スタジオだ。

現在(2011年12月)、『ガンダムUC』の4作目となる episode 4「重力の井戸の底で」がリリースされたばかりとなる、第1スタジオでCGディレクター 藤江智洋氏(以下、藤江氏)と、株式会社サンライズのシステム管理をおこなっている、総務部 システム管理 柴田信哉氏(以下、柴田氏)に、人気の話題作『ガンダムUC』の制作秘話や、HP ワークステーションの活用についてうかがった。

  大人から子供まで、“みんなが見たかったガンダム”を表現することがテーマ

CGディレクター 藤江智洋氏
CGディレクター 藤江智洋氏

『ガンダムUC』は、宇宙世紀を舞台とした『機動戦士ガンダム』シリーズの流れの中にある作品で、昔のファンにはお馴染みのキャラクターやモビルスーツが頻繁に出てくるため、古くからの愛好家にも受け入れやすいストーリーが魅力だ。また、クオリティの高いアニメーションの作風は、”今どき”の若い世代にも支持されており、新作が発表されると共に各所で反響を呼んでいる。

「自分もガンダムの1ファンとして仕事をしています」と笑顔で語りはじめてくれたのは藤江氏。「昔のガンダムを知っている人にも馴染みやすい作風という点は意識しています。
監督以下、スタッフ全員が大事にしているテーマだと思います。
わたしはCGを担当していますが、初代『ガンダム』の頃にはなかった新しい要素となるものです。
しかし、いわゆる『CGのガンダム』ではないところに気を配っています」
と藤江氏は言葉を続ける。

「CGが主張しすぎると『ガンダムUC』ではなくなってしまう」という藤江氏が心がけているのは、作品のクオリティアップに貢献するためのCGだという。
良く目にするのは、CGはロボットの変形シーンや、戦艦などの巨大建造物、宇宙空間やそこに浮かぶ人工物などに使われる。これらを立体的に描こうとしたり、大きな物体が動いている様子を表現しようとすると、細かいディティールの動きを再現するのに、作画では大変な手間が掛かるというのが大きな理由だ。
逆にCGはそう言ったところを比較的得意とする分野でもある。
『ガンダムUC』におけるCGの使い方はそれだけに留まるものではない。「例えば、キャラクターが座るコックピットなどは、各種装置などがあるため作画する場合には細かい描き込みが必要です。
描き手によっては個性が出てしまうケースもあるため、最初のディティールからずれていってしまうこともあります。そこでCGでコックピットを作り、そこにキャラクターを座らせます。
それを360度あらゆる方向に回してカットの見せ方を決めて、それを作画の参考用として使います。
現場では『CGガイド』と呼んでいますが、いわゆる『アタリ画像』としてCGを使うということなんです」と藤江氏は語る。

作画のためにCGを“アタリ画像”として活用する新しい試み

線の多いコックピットのようなメカニカルなディティールを掴むためにCGを使う。ある意味、とても贅沢な使い方だが、これによって作画スタッフはキャラクターの細かな表現を描くことに集中できるというわけだ。
CGと作画のよさを共に活かそうとする工夫が、効率のよいワークフローを実現しているのも、第1スタジオの特長といえる。

  『ガンダムUC』で実現するCGと作画のコラボレーション

「作画主体のガンダム作品において、主役級のモビルスーツをCGで表現することは、これまでほとんどありません。ですから、作画とCGのバランスが崩れないよう、細心の注意を払っています。
そして作画スタッフもCGとのバランスに気を配ってくれるという相乗効果で『ガンダムUC』が生み出されています」という藤江氏。

最新作のepisode 4「重力の井戸の底で」では、巨大なモビルアーマーが街を蹂躙するシーンが印象的だ。「シャンブロというモビルアーマーは、モビルスーツよりも巨大な建造物という位置付けです。こちらは逆に作画によって生み出されたディティールを、CGで見栄えが良いように調整しています。細かなパーツやメカらしい動きを出していますが、『ガンダムUC』の世界観を損ねないよう作画の表現方法とCGの良さを組み合わせています」と語る藤江氏。

見えないところにまで活かされるCGならではの細かく作り込まれたメカ

見えないところにまで活かされるCGならではの細かく作り込まれたメカ

実際にシャンブロが登場するシーンでは、巨大なアームは作画、本体はCGといったように、カットごとに監督を含めた制作スタッフ全員でどの部分にCGを入れるか協議を重ねているという。「CGによる描写は、作画では難しかったり、時間が掛かったりするようなカットに使います。例えばepisode 4では、空中でユニコーンガンダムが投下されるシーンがありますが、そこでは”巨大な建造物が落下していく”という内容を伝えるため、あえてCGで作り込みました」と藤江氏。

実際にそのようにして作られたシーンは、大きな機械が慣性や重力の影響で落下していく様子を見事に描いている。しかし、見る人にはそれがCGだとは中々分からないほど自然だ。「CGを作るときにライティングなどにかなりの時間を割いています。より自然に見えるような工夫が随所に盛り込まれているのです。一般の方が初見でCGと見抜くのは難しいシーンもあるはずです。

逆にCGに詳しい人や、モデリングやアニメーションの経験がある人には興味を持って見て頂けるはずですよ」と語る藤江氏。

“巨大な建造物であること”を表現するシーンではCGが活躍

“巨大な建造物であること”を表現するシーンではCGが活躍

これまで作画中心だったガンダムシリーズにCGによる表現を加える。簡単そうだが、CGありきの作品とは違い、シリーズ全体の世界観をそのままに、より細かな表現やクオリティの向上のためにCGを”エッセンス”として使っているのが『ガンダムUC』の特長なのだ。「そうやって、シーンごとにCGの要素を盛り込んでいくことで作品に奥行きが出ます。これまで見たことのない戦闘シーンや、メカのギミックが見る人に驚きと新鮮さを持って貰えるとうれしいですね」と藤江氏は笑顔で語る。

  CGによる表現力を高めるハイスペックなワークステーション

総務部 システム管理 柴田信哉氏
総務部 システム管理
柴田信哉氏

「サンライズのスタジオは全部で現在、13あるのですが、そこに設置されているコンピューターシステムをすべて管理しています」と語る柴田氏。様々な種類のシステムの中で、ワークステーションは185台あり、第1スタジオでは20台が稼働中だ。「『ガンダムUC』の制作という面では、episode 1〜3まではHP xw6400 Workstationを使っていましたが、ストーリーが進み、内容が盛り上がってくるに従い、数多くのモビルスーツも登場するようになりました。CGも先に述べた使われ方を含め、多用されるようになってきたため、システムを刷新することにしたのです」と柴田氏。

システム要件が厳しくなるのと同時に、CG制作で使われるソフトウェアAutodesk 3ds Maxのバージョンアップも加わるなどの理由もあったため、episode 4の制作スタートに合わせてHP Z400 Workstationへと、制作環境をアップグレードしたのだという。

「このタイミングでもうひとつ大きなシステム変更を加えました。それは64bit環境への移行です」と柴田氏は語る。
64bit環境への移行は、周囲を取り巻くソフトウェア環境や外部協力企業のシステム環境との整合性など、複数の要因があったのだという。しかし、最も決定的だった理由は「メモリ空間を劇的に広げることができること」だと柴田氏は語る。

「コンピューターを新しくする目的としては、プロセッサーの速度向上などハードウェア的な進化を求めるケースが多かったと思います。もちろん、これまで数十分掛かっていた作業が数分で終わるのであれば、十分な恩恵を受けられるといます。しかし、それ以上に64bit化によって得られるメモリ空間の増大は、処理速度の向上といったレベルではなく、これまで出来なかったことが出来るようになるという大きな変化をもたらしてくれると考えています」と柴田氏。

第1スタジオ内のCGディレクターが作業するブース内に設置されているHP Z400 Workstation
第1スタジオ内のCGディレクターが作業するブース内に設置されているHP Z400 Workstation
第1スタジオ内のCGディレクターが作業するブース内に設置されているHP Z400 Workstation

第1スタジオ内のCGディレクターが作業するブース内に設置されているHP Z400 Workstation

  効率化の実現で得られた恩恵を作品づくりに活かす工夫

大容量のメモリ空間を活かし、細かなディティールが描写されているCGを展開していく

大容量のメモリ空間を活かし、細かなディティールが描写されているCGを展開していく

HP Z400 Workstationの導入によるハードウェア的進化と、64bit化による環境の変化は、様々な部分で作品づくりに貢献している。「先ほど述べたように、あるカットの作画をサポートするためにCGを使うといった流れが定型化してくると、他のカットにもそれを活かそうという動きが出てきます。何度もトライアンドエラーを繰り返して、より作品のよさを伝えるために効果的なカットを模索していくのですが、ここで時間が掛かっているようでは、話になりません。どんどんトライしてより良いカットを探していくことが出来るのは、作品にも大きな影響を与えています」と藤江氏。

さらに、これまではあまり現実的でなかった描写も、新しい環境ではこなせるようになったという。「例えば『戦艦10隻を一斉に飛ばせるシーンは作れるか?』といったような以前は答えに迷ってしまう問い合わせがあっても、今なら『出来る』という判断に自信が持てるのです。
ネェル・アーガマという戦艦は、砲塔などの細かいパーツが多く、データとしてはかなり重いのが難点でしたが、今では簡単に開けます。マシンスペックの恩恵をストレートに体感しているところです」と藤江氏は語る。

『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』の魅力について語ってくれた両氏
『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』の魅力について語ってくれた両氏

大容量のメモリ空間を活かし、細かなディティールが描写されているCGを展開していくアニメーション作品において、斬新なカットが増えることは演出上からも大きな変化を与える。「感覚的なものに近いのですが、『このシーンepisode 3まで動いていなかったよね』、などと周囲と話したりしています」と笑顔で語る藤江氏。episode 1〜3ではシンプルだった描写が、episode 4以降はより細かな描写へと変わっていく。ファンとしては、そういったシーンを見つけてみるのも、作品を楽しむ方法かもしれない。

「64bit化によってすべてがうまくいくとは限りません。例えばレンダラーの環境が32bitのままだと、こちらで作ったデータをレンダリングできないというケースもあるのです。周囲と歩調を合わせて、バージョンや環境の違いに配慮しながら、少しずつ進化させていくことが重要なのです」と語る柴田氏。

システムの刷新は周囲に大きな影響を与えるが、クリエイターという立場では必ずしもそうではないという。「作品を制作する立場の人にとっては、64bit環境になったので複雑なデータを作ろう、という感覚はないのです。単純に、今までハードウェアやOS環境の制約があって実現出来なかったアイデアを形にしてみたというだけの話しなんです。クリエイティビティという点では、ごく当たり前の発想ともいえるでしょう。私としても、せっかく作った新しい環境ですから、そういうアイデアをどんどん形にしていって欲しいと思っています」と笑顔で語る柴田氏。環境移行の過渡期において、先に述べたようなトラブルは発生しがちだが、仕上がった素晴らしいアニメーションを見れば、苦労も吹き飛ぶのだという。

  品質の高いHP Workstationで制作活動もノンストップ

ガンダムシリーズの将来にも影響を与える新しい試みを続ける両氏と第1スタジオのスタッフ。今後のさらなる活躍にも期待が高まる
ガンダムシリーズの将来にも影響を与える新しい試みを続ける両氏と第1スタジ
オのスタッフ。今後のさらなる活躍にも期待が高まる

「これは以前の環境でも同じなのですが、HPのワークステーションは故障が少ないというのも大きなメリットです。制作活動の繁忙期にコンピューターが度々故障しているようでは、作業も進みませんからね」と柴田氏は語る。これまでは、トラブルが少ないことに驚いていたそうだが、現在ではそれが信頼に変わっているという。

「それと制作をする上で驚くのは静音性の高さです。デスクの近くに本体を設置していますが、雑音はほとんど感じないぐらいです」と藤江氏。創作活動をする上で、作品に集中できる環境をうまく構築するのは意外と難しい。周囲の雑音は集中力を妨げる大きな要素だが、その点HP Z400 Workstationはあらゆる工夫で静音性を高めていることが、作品づくりにも貢献しているといえる。

「今回の導入にあたって、グラフィックボードの要件が低い部署には、よりコンパクトな筐体のHP Z210 SFF Workstationを配置しています。適材適所といいますか、CG制作など要件の高いところと、静止画を多く扱う部署で、それぞれの環境に合わせられる豊富なラインアップがあるのはうれしいですね」と柴田氏は語る。

『ガンダムUC』という作品の中で、これまでにない表現力を加えるCGと、そのCG制作を支えるHP ワークステーションシリーズ。「『ガンダムUC』も回を重ねるごとに盛り上がりを見せています。システムもなるべく細かくバージョンアップしていき、良い作品作りに役立てたいですね」と語る藤江氏。今後も『ガンダムUC』ファンに素晴らしいシーンの数々を見せ続けてくれるはずだ。

ガンダムUCの公式サイト 日本HP外のウェブサイトへ

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