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HP Workstation 導入事例紹介
東映アニメーション株式会社

 

190台のHP ワークステーションを完全フル活用
劇場用3D映画「ONE PIECE 3D 麦わらチェイス」

190台のHP ワークステーションを完全フル活用劇場用3D映画「ONE PIECE 3D 麦わらチェイス」
© 尾田栄一郎/「2011 ワンピース」製作委員会                       
2011年3月19日 「ONE PIECE 3D 麦わらチェイス」(以下 ONE PIECE 3D)はワンピースの劇場公開映画としては初めて3Dによる立体映画として公開された。
人気漫画からのアニメ化、そして劇場公開とすべてのコンテンツがヒットしている作品を3D映画として制作するためには、2Dのテイストを保持しながらも、3D映画としてのメリットを最大限引き出す必要がある。

制作を担当した東映アニメーション株式会社(以下東映アニメーション)では、この課題にチャレンジし、2Dの手法を取り入れ、3Dと融合させたハイブリッド制作ワークフローと190台のHPワークステーションをフル活用し作り上げていた。

ONE PIECE 3D:東映アニメーション デジタル映像部のプライドを賭けたチャレンジ

東映アニメーション 製作本部
デジタル映像部長
樋口 宗久 氏

東映アニメーション 製作本部
デジタル映像部長
樋口 宗久 氏
劇場作品200本、テレビ作品 190本※1という日本最大のアニメーション制作会社であり、ワンピースのTVシリーズも手がけている東映アニメーション。
しかし、この実績を持ってしてもONE PIECE 3Dの制作に手を上げるべきかどうかについては、社内でも議論が交わされていた。3DCGとしてワンピースのキャラクターが持つ魅力的な表情やアクションを表現する難しさ、また、原作漫画や2Dアニメーションのテイストを維持した上で3DCGによる立体映画としてクオリティと世界観を構築していけるのかを再度見直し検証する必要性があったと東映アニメーション 製作本部 デジタル映像部長 樋口 宗久氏(以下 樋口氏)は語った。

「昨年(2010年)の初めに2011年春の劇場作品として、トリコとワンピースを3Dで公開したいというお話がでておりました。当初は2本とも2D→3D変換作品の予定でした。その際、私共としてこの制作に手を上げられるかを社内で検討しました。
ワンピースは個性的なキャラクターが持つ表情、そして独特のアクションとして、顔が大きくなったり、膨らんだりする演出も多いので3DCGとして表現するのは難しいポイントが沢山あります。私共が今まで制作した2Dと3D映像、3D立体映画のワークフロー技術や経験を見直し社内で検討した結果、『私たちでやってみよう』、という結論に達しました。
これは成功すれば大きなチャンスになるとも感じ、デジタル映像部のプライドと今後の存亡をかける気構えでチャレンジしました。」

※1 2010年3月現在

ワンピースの世界観を3Dへ:ファンを裏切らないONE PIECE 3Dを作り上げる

ワンピースは漫画からTVアニメ、2D映画と様々なコンテンツで展開されているが、原作の世界観はそれぞれのコンテンツが持つメリットと溶け合い多くのファンに支持されている。
劇場用3D制作の発表から、この熱いファンの期待値は高くなってきており、東映アニメーションは多くのファンを裏切らない作品を作り上げるため、今までの3DCG映画制作のノウハウに、1956年の会社設立以来、アニメーション制作の第一線で作り続けてきた2Dアニメーションの経験を融合させたワークフローの確立へと動き出した。

「ONEPIECE 3D」はジャンプHEROES filmとしてトリコと2本立て合わせて70分間で上映され、上映時間30分間(トリコは40分)の中でのテンポの良さを大切にしました。また、3D映画とうたっている以上、例えば目の前にルフィのゴムゴムを飛び出させるような演出も当然期待されている部分であるとの認識も持っておりました。
ただこの演出に終始してしまうと、映画を見ていただく観客の大半を占める小さな子供達は、途中で疲れてしまうのではないか、という点にも配慮しなければなりません。
そこで全体としては、背景の奥行きや空中をジャンプして移動する浮遊感、キャラクターの魅力が引き出せるようなアクションシーンを立体的で迫力のある演出を行う方向にしました。立体映画としての演出は国内作品初の3D劇場公開作品『きかんしゃ やえもん』(2009年)やサンリオピューロランドの4Dシアター(3D映像に加えシートが稼動するアトラクションムービ)向け『ワンピース・グランドラインの冒険』(2002年)で得たノウハウと経験を注ぎ込んでおります。」(樋口氏)
ワンピースの世界観を3Dへ:ファンを裏切らないONE PIECE 3Dを作り上げる
ワンピースの世界観を3Dへ:ファンを裏切らないONE PIECE 3Dを作り上げる
ワンピースのキャラクターを3Dモデリングするに当たり、尾田栄一郎氏にイラストを書き下ろしてもらい、それを元に3Dモデリングを作成し、原作イメージを踏襲した3D用のキャラクターを作り上げた。
ワンピースの世界観を3Dへ:ファンを裏切らないONE PIECE 3Dを作り上げる
3Dの演出効果として、浮遊感(画面左)、アクション(画面中央)、奥行きがある背景(画面右)のカットを組み合わせることで、映画全編を通じて引き込まれるような3Dの空気感を作り上げている。

ハイブリッド制作:2Dと3Dの融合から生まれるクオリティの高い3D映像

東映アニメーション 製作本部
デジタル映像部ライン・プロデューサー横尾 裕次氏

東映アニメーション 製作本部
デジタル映像部ライン・プロデューサー
横尾 裕次氏
東映アニメーションの経験が生かされたもう1つに2Dアニメーションの3D化があった。
2Dアニメーションのキャラクターは真正面から見た顔は通常描くことがなく、また顎のラインについても魅力的に見えるラインをその都度描いている。しかし3Dはどこから見てもキャラクターとして成立する必要があり、一歩間違えるとキャラクターモデルとして破綻しがちな角度もクリアする必要がある。
このモデリング制作については、プリキュア(TVシリーズのエンディング)で制作した2Dから3DCG化のノウハウと、2Dと3Dアニメーションのワークフローをクロスさせたハイブリッドワークフローを活用したと、東映アニメーション 製作本部 デジタル映像部 ライン・プロデューサー 横尾 裕次氏(以下 横尾氏)は語った。

「2Dキャラクターは目のバランスや顔の大きさなど何も考え無しに3Dモデルに起こすとかなり無理がでてしまいます。そのため、私共はTVシリーズのワンピースで作画監督の経験がある方にアニメでのキャラクターの作画方法をお聞きし、それを参考にモデルを起こし、さらに修正を加えながらモデルを完成させていきました。
例えばルフィが喋る時の口の動きでは、一般的な「あいうえお」の口の形状で喋らせるとどうしてもルフィらしさがなくなってしまうので、2Dアニメーションで作画する時の口の位置や大きさ、開き方を参考にしながら微調整を行っていきました。キャラクターの表情は本当に一番苦心して、時間をかけて作りました。
2Dアニメーションの作画監督と密にコミュニケーションをとりながら制作を進められたのは、私共ならではの制作ワークフローだと思います。」
2Dで表現されている作画を3Dでも生かすため、2Dの作画監督のチェックを入れながら制作を進めていったが、特にキャラクターの顔の表情を作り上げるため、基本的な表情用以外に設定された特別なターゲットは30〜40になり、動きの部分は経験のあるアニメータによる手付けで行われた。
2D手法と3Dのハイブリット制作ワークフローは、この作画監督や監督とのコミュニケーションにも使われた東映アニメーションの自社ツール、アニメーションチェッカーがある。
このツールを使えば2Dアニメーションのように、作画監督が動きのレイアウトやタイミングの支持を直接フレーム単位で書き込んでいくことが可能となる。
ハイブリッド制作:2Dと3Dの融合から生まれるクオリティの高い3D映像
キャラクターの顔の3Dモデリングでは、どの角度からみても違和感のないように慎重に作り上げられた。(画面左、中央)
顔にはリグターゲットが30〜40設定され、細やかな表情もアニメーションできるように工夫されている
ハイブリッド制作:2Dと3Dの融合から生まれるクオリティの高い3D映像 ハイブリッド制作:2Dと3Dの融合から生まれるクオリティの高い3D映像
ハイブリッド制作:2Dと3Dの融合から生まれるクオリティの高い3D映像 ハイブリッド制作:2Dと3Dの融合から生まれるクオリティの高い3D映像
東映アニメーションの自社ツール「アニメーションチェッカー」により、3Dで制作していながら2Dイメージで作画指示が書き込まれているため、作画イメージを持った3D映画の制作が可能となった。
「ONE PIECE 3Dでは2D手法と3Dの融合をもう1歩進めて、3Dの中に2Dの作画テクニックを取り入れたり、その逆もあります。例えば漫画でも良く使われる効果線を3Dにして迫力を出したり、煙などのエフェクトはCGに手書きの作画を加えて2Dアニメーション的な効果を演出しています。
また、ONE PIECE 3Dは24コマで動かしていますが、アニメーションが持つ独特の動きのタメ・ツメも入れており、3Dの立体映画でありながら2Dアニメーション的なテイストを盛り込んでいます。」(横尾氏)

465カット−6ヶ月の制作期間:デザイナーのこだわりを受け止め、実現したHP Z600ワークステーション

東映アニメーション 製作本部
デジタル映像部 システム開発
山下 浩輔 氏

東映アニメーション 製作本部
デジタル映像部 システム開発
山下 浩輔 氏
チャレンジの多いONE PIECE 3D制作であるが、その制作期間はわずか6ヶ月であった。
時間が短い中で制作を進めるためには、強力な制作用ワークステーションとレンダリング環境が必要となる。
ONE PIECE 3Dの制作として使用されたマシンはレンダリング用 90台、デザイナー用 100台(1人2台使用)になったが、そのすべてがHP ワークステーションであった。

「ONE PIECE 3Dの制作にあたり、当初から所有していたレンダリング用として1Uサーバーが30台ありましたので、そちらを最初は使用しておりました。
しかし、制作も押し詰まっていく中でレンダリングマシン増設を行う際に導入するマシンは、HP ワークステーションに即決しました。
ワークステーションに決めた理由は、デザイナー向けの制作マシンとしても利用でき、マシンの取り回しができる点とレンダリング環境としてサーバーを使用するとOSの縛りがあったためです。」
465カット−6ヶ月の制作期間:デザイナーのこだわりを受け止め、実現したHP Z600ワークステーション

東映アニメーションで使用されているHP Z600ワークステーション。
制作で使用されたアプリケーションは、Autodesk Maya、After Effectsを中心とし、レンダリングはMayaソフトウェアで行われた。
「HP Z600ワークステーションは2009年から導入しておりましたが、過去15年以上CGの現場で導入してきたマシンの中でも1番の名機と言えるかもしれません。
制作に適したワークステーションは、例えるとラリー仕様の車に当たると感じています。最高のスピードが求められる一方で、タフで厳しい環境にも耐え、そしてまさかの時にも即修理対応ができ再スタートができるようなマシンが必要となります。
その為には、PCではなくパーツも厳選され、マシンの限界性能をひたすら維持できるクオリティを持っている事が条件です。実際にHP Z600は導入以来ほとんど故障が無いので、サポートのお世話になることも無く、ダウンタイムもありませんでした。

また、プロジェクトの進行に伴ってデザイナーの移動に合わせてマシンも移動させることも多いのですが、HP Z600には上部にハンドルがついているので持ち運びも楽です。ちょっとした事かもしれませんが、細かい部分にもデザインが施されているのは制作現場を知っているためだと思います。
ONE PIECE 3Dではレンダーファーム用として60台のZ600を追加導入したのですが、驚いたことに初期不良は1台もありませんでした。通常これだけ1度に導入すると、何台かは何かしらトラブルがあるのですが、まったくありませんでした。
ONE PIECE 3Dは6ヶ月という非常に厳しい制作スケジュールで動いていましたので、納品されたらすぐレンダリングへ参加させるようなスケジュールで全てのマシンが割り振られていて、「待機マシン」や「予備」といった体制がとれる状況ではありませんでした。
そのため、トラブルがあったらどう対処すればいいのか、という思いも掠めていましたが、これは杞憂に過ぎませんでした。」(山下氏)
465カット−6ヶ月の制作期間:デザイナーのこだわりを受け止め、実現したHP Z600ワークステーション 465カット−6ヶ月の制作期間:デザイナーのこだわりを受け止め、実現したHP Z600ワークステーション
3D立体としてレンダリング時間は倍になり、さらに後半の戦闘シーンでは群集も登場したため強力なレンダリングパワーが必要となった。HP Z600で構成されたレンダリングファームでは、24時間ノンストップフル稼働でこのレンダリングを支え続けていった。
このONE PIECE 3Dで導入されたHP Z600ワークステーションは日本HP 東京ファクトリー & ロジスティックスパークで製造された記念すべき「MADE IN TOKYO」500万台目でもあった。多くのマシンを製造し、その都度品質向上を繰り返してきたHPであったからこそ、短期間での3D立体映画制作という常にマシンの限界値に挑む状況において、初期不良無しで乗り切ったといえる。

今アニメーションの中でCGが使われる割合が増え、また多くの制作プロジェクトを抱える東映アニメーションでは、スタッフの増員とマシン増設を検討しているが、そこで選ばれるのはHPワークステーションである。これは、今までそして今回のONE PIECE 3D制作を完遂した高い実績が証明した信頼性があるためだ。
最後に樋口氏は今回の制作を振り返りこのように語ってくれた。

「3D立体はレンダリング時間が単純に倍になります。その中で6ヶ月という短期間でONE PIECE3Dが完成できたのは、まさにHP ワークステーションが安定して稼動してくれたおかげです。私たちのデザイナーから生み出される作品はこだわりが強く、マシンへ求めるレベルは高くなります。
しかし、HPワークステーションはそれに答えてくれます。これからも信頼できるパートナーとして活用させて頂きます。」
  ◆ 東映アニメーション株式会社  
  URL:  http://www.toei-anim.co.jp/ 日本HP外のウェブサイトへ  
  映画「ONEPIECE 3D 麦わらチェイス」  
  公式サイト:  http://www.jump-heroesfilm.com/ 日本HP外のウェブサイトへ  
記載されている会社名、製品名は、各社の商標もしくは登録商標です。
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