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実際にzx6000を4台で構成されたクラスタの実働に対する評価は?
「インテル® Itanium®2プロセッサは期待した通りの性能が出ていますね。筑波大との共同研究で、第一世代のインテル® Itanium®のクラスタを使う機会がありましたが、それに比べてパフォーマンス、安定度共に随分上がっているな、と感じます。」
Linuxによる運用については?
「私は元々BSD系の人間なのですが、96年からのSCでの展示では反響が大きく、ブースを訪れるアメリカの研究機関の方々から口々にLinuxへの対応を熱望されたんですね。やはりユーザに導入されることが主眼ですから、私自身BSDからLinuxへ移行しました。
日本国内では反発も少なくなかったのですが、確かに96年当時のLinuxは不安定でした。先ほどお話しした、筑波大との共同研究でインテル® Itanium®プロセッサを使ったクラスタを構築した際にも、
Linuxのネットワーク性能のせいもあって、パフォーマンスが出ない、ハードウェア的にも不安定、という問題は依然ありました。
そうした経緯もあって、『インテル® Itanium®2は大丈夫だろうか?』とやや懐疑的な思いもありましたが、インテル® Itanium®2マシンを最初に評価用にお借りした時の第一印象は『なんて静かなんだろう』でした。次に『安定している』、そして『速い』、という思いを抱きましたね。それが導入のきっかけになったわけです。」
HPのフラッグシップ・ワークステーション、zx6000への評価は?
「HPはインテルの新しいプロセッサにいち早く対応するという点を評価しています。
zx6000に決定した理由のひとつは、ラック収納可能であるという点です。インテル® Itanium®ファミリーの製品はサーバタイプが多く、クラスタには不要なI/Oが付いているものばかりだった。2Uサイズでラッキングができて、かつ
1GHzのプロセッサを搭載したワークステーションとなると、結局HP以外に選択肢はない、という状況でした。」
今後の課題と捉えてらっしゃる部分は?
「やはり価格でしょうか。特に大学や研究機関の場合ですと、1台あたりの価格が高いと購入の手続きが煩雑になってしまいます。PCの価格が下がって店頭で気軽に調達できる状況と比べると、やはり敷居が高い点は否めません。
それと現在のIA64ワークステーションは、やはり消費電力と発熱の問題があります。特に電力は、現在は4台で12アンペア程度ですので、これでは大規模なクラスタが組みづらい。したがってこの点でもより大規模なクラスタのリーディングケースがつくりにくい、と言えます。次世代インテル® Itanium®に期待したいところです。」
クラスタ・コンピューティング導入について、HPに寄せる期待は?
「クラスタ・コンピューティングの導入ケースには、ベンダー主導ではなく、企業ユーザの要求がまず先立っていて、ベンダー側が対応しているという例が見受けられます。そこでは営業やSE、サポートの連携が必ずしも洗練されていない。これは課題であると捉えるべきじゃないでしょうか。
企業ユーザはクラスタの導入コストの低廉さに注目しますが、『サポートが手薄では結局使えない』ということになってしまいますから。」
最後に、石川助教授にクラスタ・コンピューティングの適用について展望していただこう。
「まず、大学や研究機関などの研究テーマとしても、クラスタに取り組むケースはますます増えています。これからますます裾野が広がることでしょう。
バイオ系の事例は今さら挙げるまでもありませんが、最近自動車業界ではクラスタの導入がかなり増えているようです。私が期待しているのは、製造業のピラミッドの構造の頂点に位置する自動車メーカーから、部品メーカーなどの国内のあらゆる製造業種に普及していくのではないか、ということです。CFD(流体解析)などの処理もクラスタに向いていますし。
これまでは例えば、1000台規模のクラスタがバイオ系で稼動しているなどの事例でも、それは並列計算をしているわけではなくてPC毎に独立してジョブを処理していく分散コンピューティング──最近グリッドコンピューティングとして注目されていますが──という内容が意外と多かった。これでは
SCoreの通信性能などのメリットは活かされているとは言いがたい。
最近は自動車業界を筆頭に、ベクターマシンのリプレイスとして使われるケースが増えてきているので、いよいよこれからだ、と考えています。」
インテル、HPの共同開発によるインテル® Itanium®アーキテクチャ、そして新世代Intanium2プロセッサは、その卓越したパフォーマンスでクラスタ・コンピューティングの性能を押し上げた。また、SCoreに象徴される先進的なグローバル・オペレーティングシステムの発展の可能性にも、大きく影響を与えていると言えるだろう。
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