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2008年は京都市とパリ市が1958年『京都・パリ友情盟約』(姉妹都市)締結以来50周年となり、また日本とフランスは交流150周年を迎える年となります。
この嘉節の年に、京都・パリという世界でも古い文化と美術を誇る都市が、より相互が共感でき、さらなる友情を築くために、京都市・相國寺承天閣美術館・京都国際文化交流財団及びパリ市は、記念事業として「相國寺・金閣・銀閣名宝展」を2008年10月16日〜12月14日にパリ市立 プティパレ美術館で開催の運びとなりました。
この展覧会にあたり、日本の象徴的な建造物でもある金閣寺・銀閣寺に関して歴史的な背景を含め自然な景観を含め感じてもらうために、ソニー株式会社の4Kプロジェクタによる高解像度、885万画素という高精細な環境で上映が執り行われました。(4K解像度:水平−3840ピクセル 垂直−2160ピクセル※)
※通常4K解像度は、4096×2048となりますが、この度のVRシステムではHD画質(1920×1080)の4倍=3840×2160となっています。
パリ開催を前に、2008年10月2日 東京で「相国寺・金閣・銀閣名宝展」で上映されるVR作品の記者説明会が行われ、金閣寺の4Kバーチャル・リアリティ(以下VR)が上映されました。
このVRコンテンツは凸版印刷株式会社(以下凸版印刷)が京都国際文化財団と協力して制作し、上映システム及びコンテンツ制作にはクアッドコア インテル® Xeon® プロセッサをデュアルで搭載(計8コア構成)した日本ヒューレッド・パッカード株式会社(以下 日本HP)のワークステーション「HP xw8600 Workstation」が使用されました。
パリに持ち込まれる上映システムはこのHP xw8600が5台で構成されています。アプリケーションマスターとして1台、そして残りの4台で4K解像度の出力をレンダリングするシステム構成となっています。 |
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元々CGが生まれたきっかけのひとつとして、現実では見られないものをコンピュータで表現するというコンセプトがあります。VRは、この現実では見られない表現に加え、仮想体験するという定義も含まれた映像技術です。今回上映された「金閣寺」のコンテンツでは、まさにこの2つの定義を踏まえ作りあげられました。VRでは仮想的な空間を演出することにウェイトが置かれ技術を見せるだけで終わってしまうコンテンツが多い中、この「金閣寺」では実際に足を運ばなくては感じることができない、荘厳で煌びやかな雰囲気と、金閣寺の傍らにある鏡湖池と庭園までを含め、その場にいるかのような空気感までを見事に表現しています。この空気感までも再現するために、制作を担当した凸版印刷では特別な許可を得て約2万枚の写真撮影を行い、そのデータをリファレンスや一部テキスチャとして使用しています。
さらにこのコンテンツは、パリ「相国寺・金閣・銀閣名宝展」にて上映されることもあり、歴史的な背景を含め、実際には見ることができない木材の組み上げや襖絵などの内観まで作り込んでいます。さらに「銀閣寺」のコンテンツでは、時間をさかのぼり建立当時の姿をも再現しています。
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またVRとして、鏡湖池の中心から直径300mの空間をコントローラにて自由に見て回れるインタラクティブな要素も組み込まれ、まさに日本の歴史的建造物を多くの人が見て、感じて理解してもらえる演出も施されています。 |
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凸版印刷では、1997年からVRに取り組んでおり、今回上映された「金閣寺」に加え「銀閣寺」も制作を担当しました。凸版印刷がVRへの取り組みを行ったきっかけは、印刷で培った技術を失われてしまう可能性がある、文化・芸術を後世に残すためのデジタルアーカイブに活用することができると考えたためでした。文化事業推進本部 デジタルコンテンツ部 課長 真梶 重徳氏はVRについてこのように語りました。 |
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「凸版印刷では、印刷の技術をさまざまな方面で活用しています。よく使われる言葉ですが、空気と水以外にはなんでも印刷を行うということです。
私達が持つ再現性の高い印刷技術を使用することで、後世に残すべき建造物などの文化、芸術をデジタルアーカイブとして保存することはできないだろうか、と考えたのがきっかけでした。文化遺産を伝えるためには、実物がもつ色などのクオリティを忠実に再現する必要があり、さらにVRであれば、ただ見るだけではなく体感する分野にまで踏み込んでいけるため、私達の技術と非常によい形で融合できるのです。
また、弊社ではVRエンジンも自社で開発しているため、表現したい色や動きを含めて必要に応じ開発を加えていくことで、コンテンツに最適なアウトプットを得るとこができます。」 |
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2006年VRコンテンツ「世界遺産 ナスカ展 - 地上絵の創造者たち」において凸版印刷はVRシステムとしてHP xw8200 Workstationを採用しました。そして今回の金閣寺・銀閣寺においてもHP xw8600 Workstationを採用しています。VRコンテンツの制作から上映に至るまでHPワークステーションを選ぶその理由について、真梶氏にお聞きしました。
「弊社ではVR開発当時はUNIXベースのワークステーションを採用していましたが、2000年にダウンサイズを行い2003年にはPCベースに開発を移行しました。PCワークステーションに移行する際に、いくつか検討したハードウェアはあったのですが、グラフィックボードとの親和性やマルチスレッドの効率が一番高かったのがHPワークステーションであったため、導入することにしました。そして2006年には「世界遺産 ナスカ展 - 地上絵の創造者たち」にてHPワークステーションで一貫したワークフローを構築し、この経験と実績が今回の金閣寺・銀閣寺のVRコンテンツ制作にも引き継がれたのです。」
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金閣寺・銀閣寺の制作には約1年、10数名のスタッフで行われました。フォトリアルであり、歴史的な背景と自然、空気感をも再現するというコンセプトを実現するための手法について、文化事業推進本部 デジタルコンテンツ部 主任 三枝 太氏はこう語りました。
「金閣寺のコンテンツは、ポリゴン数が500万以上になりましたが、仮想体験をしてもらうためにリアルタイムのフレームレートは30フレームと通常のビデオと同じ速度を実現しています。CGモデリングはAutodesk® 3ds Max®を使用し、できうる限り当時の金閣寺や銀閣寺が建立される工程に沿ってモデリングを行うことにより、コンテンツとして梁や柱のみを見せる場合にも違和感がなく表現できたのです。特に力を入れた点としては、やはり色の再現とプロポーションになります。
VRとしてリアルタイムで見てもらいますので、CG上でレンダリングした結果とVRエンジンで表現される場合に違いがでてしまうこともありますので、その度にVRエンジンにカスタマイズして色表現を合わせ、金閣寺・銀閣寺が持つプロポーションの美しさをリアルタイムにどこからでも感じられるように、細かい検証を繰り返し行いました。また、京都が持つ荘厳な雰囲気は回りの景観を含め感じられるため、樹木の1本、そしてその葉に至るまで、風や空気感を表現するために制作の手がかかっています。
コンテンツの制作には、完成というのがありますが、VRシステムには完成というものはないと思っています。これは常に開発と改善を行うことで完成度が上っていくためです。その過酷な開発やグラフィックの再現性という土台を支えているハードウェアが高性能クアッドコア インテル® Xeon® プロセッサと高い信頼性を持つHPワークステーションなのです。今後はVR上映システムとして、さらにコンパクトになればより多くの方にVRを楽しんでもらえるますので、さらなる小型化が実現できればと思っています。」
2008年10月16日〜12月14日にパリ市立 プティパレ美術館で展示されるこの「金閣寺・銀閣寺」のVRコンテンツは、今回のプレス上映会で使用されたシステムを持ち込み、200インチのスクリーンで上映されます。日本の歴史的文化を紹介するために活用される凸版印刷のVRシステム。そして、そのバックボーンを、高性能インテル® Xeon® プロセッサと過酷な開発に耐え高品質なグラフィックとリアルタイム性を実現するHPワークステーションが支えています。 |
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