各国の事情やニーズに合わせた製品開発を目的に世界各地で数多くの設計者たちが設計プロセスに携わっています。彼らが設計ソフトとして使用するのは、インハウスCADソフト「ESPRi(エスプリ)」です。同社が世界共通でインハウスソフトを使用する理由とその優位性はどこにあるのでしょうか。同社、プロセス・IT部 ITアプリケーション戦略グループ主事の伊藤栄紀氏に話を聞きました。「インハウスのソフトを使用するのは、設計プロセスで必要とされている機能をできる限り迅速にユーザにフィードバックするためという理由があります。利用視点、ユーザ視点でのシステム化手法としてヤマハ流の取り組みとも言えます。設計から生産準備までのプロセスで使用される同CADシステムには、ヤマハならではの設計ノウハウがたくさん盛り込まれています。現場に近いところで、現場を理解した開発者が、継続的に現場との接点を持ちながらシステム全体を見渡しシステムを構築する。これによって日々のシステム開発力、人材の育成に繋がっていきますし、このような技術力の蓄積が、ひいては将来にわたる製品開発競争力にも貢献すると考えています。」また、伊藤氏は「同じCADを使うことで、海外に居る設計者でも日本に居るのと同じ環境で設計行為に専念できる環境が構築でき、それによって様々なメリットが生み出されます」と話します。 設計のシステム環境の違いは、設計者たちとそのプロセスにおいてどう影響するのでしょうか。「例えば、インターネットなどのインフラが発達してきたものの、国や拠点を跨っていざデータ交換を行うとなると相変わらずリードタイムが存在します。異なるCADフォーマット間でデータを授受する場合のデータ修正の手間も、それぞれのCAD機能が向上する過程でむしろ不具合が増えているのではないかというのが正直な感想です。 これらは、本来ユーザには直接関係ない課題のはずで出来る限り設計に専念してもらいたいと考えていますが、各CADがそれぞれのメリットを優先するあまり、このような品質面を犠牲にしているのが現状だとすると、いかに不要な影響を無くすかを考えなければなりません。開発に携わる人の流動性も高まっており、場所を移動しても同じようなOutputが求められます。そういった中で、ツールや環境の違いによる開発の遅延をいかに少なくするか、究極はユーザが距離や場所の違いを意識せずに同じように仕事ができる環境を提供することが必要だと考えています。」 現場の設計者たちのストレスを少なくし、無駄なタイムラグや作業をなくす意味でも市販ではなく独自のノウハウを駆使したインハウスソフトが同社設計プロセスには必要不可欠なものとなっているようです。
静岡県磐田市新貝2500
海外35カ国・60工場でヤマハブランドの製品開発、生産、供給が行われている。
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