現在、世界の船外機の年間総需要はほぼ80万台前後で推移している中、ヤマハマリンは10年来着実にシェアを高めてきた。2002年には船外機生産台数一位となり、文字通り業界のリーディングカンパニーとなった。
この背景には世界規模での環境問題への関心の高まりと、それに呼応しての環境負荷の少ない4サイクルモデルの開発、また2サイクルでありながら4サイクル並のクリーンな排ガスと静粛性を実現したHPDI(High Pressure Direct Injection:高圧直噴)モデルの開発がある。軽量・コンパクト・高出力という船外機の要件を満たしながら、環境負荷を著しく低減したHPDIは次世代型環境対応エンジンであり、それが世界に認められた結果でもある。
「マリンエンジンは、15年ほど前は2サイクルエンジンが主流でしたが、環境対応強化の結果、現在は4サイクルエンジンが主流になりました」と、開発一筋の汲田 敦氏は話す。
ヤマハマリンの市場での成長を牽引したのが、1994 年11月に登場した4サイクル船外機「F50A」だった。それまでの2サイクルモデルに比べ、驚く程の低燃費、低騒音の「F50A」は爆発的にヒットし、当初の年間5,000台の生産予定がわずか1年間で1万台余を突破するベストセラーエンジンとなった。中型以上の4サイクルモデル開発が軌道に乗ったのも「F50A」がきっかけだった。その後、ヤマハマリンは単気筒2馬力からV型8気筒350馬力(輸出専用モデル)の船外機まで、使用環境やボートの種類などに応じて実に1,000を超えるバリエーションラインナップを揃えている。
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