ザイオソフトは1998年に創業し、医用画像処理システムの開発・製造・販売を行っている。主な製品には、次のようなものがある。
院内のあらゆる場所で画像処理と閲覧が可能になり、レポート作成やカンファレンスにも3D画像が活用できるネットワークシステム「VolumeGRIDテクノロジー」は、同社が世界に誇る技術である。同社製品の主な導入先は、大学病院をはじめとする中規模以上の病院における放射線科であるが、ユーザ層は放射線科から病院全体に移行しているという。その理由には、マルチスライスCTの普及台数の増加により、院内のあらゆる科において3D画像を診断に使用する場面が増えていることが挙げられる。 医用画像処理装置のニーズはスタンドアロン型からネットワーク型に拡大しつつあると、松本氏は語る。同社では、院内はLAN、院外はインターネットから医用画像処理システムを使用できるネットワーク型3D WS「ZIOSTATION System 1000」をラインナップしている。 「放射線科のみに向けた医用画像処理装置を提供するだけでは、3D画像を求める他科のニーズに応えきれていないと考えています。そのため、数年前からネットワークシステムの開発に着手してきました。現在のハードウェアの進歩に伴い、よりストレスなく、より快適に使用できる製品となっているのです」。
スタンドアロン型の医用画像処理装置と比較すると、ネットワーク型の装置に使用するハードウェアの性能は、より高いものが求められる。特にCPUの演算能力は高速でなければならない。「ZIOSTATION」における、CPUのコア数によるパフォーマンス差を図3に示す。 ベンチマークテストには実際のアプリケーションを使用し、1,000枚以上のスライス画像をレンダリングして3Dシネ画像を作成した。その結果、シングルコアとデュアルコアを比較してもパフォーマンスは7倍近く向上したが、クアッドコア インテル® Xeon® プロセッサではさらに5割パフォーマンスが向上した。クアッドコア インテル® Xeon® プロセッサによってパフォーマンスが飛躍的に向上した理由について、松本氏は、1.インテルのCPUメーカとしての工夫、2.CPUの進歩に合わせたザイオソフトのソフトウェア設計、の2点を挙げ、次のように述べている。 「最新のソフトウェア設計のためには、最新のハードウェア情報が欠かせませんので、インテル及び日本HPからのリリース情報は大きな助けになります。弊社は数年前から、CPUはマルチコアへ移行していくことを予測して、ソフトウェア設計を行ってきました。現在、クアッドコア・プロセッサ搭載のマシンを使用してもこれほど性能がアップするソフトウェアはそう存在しないでしょう。複数ユーザからのアクセスを処理しながらも、誰もがスピーディに使えるネットワークシステムは、クアッドコア・プロセッサなら実現可能になります」。 小規模病院では、放射線科がなく3D画像作成のための人員を割けないケースや、放射線科があっても3D WSという専門性の高い設備を導入できないケースも多い。「今後もCPU及びハードウェアの性能が向上するにつれ、院内外を問わず、多くの人がネットワークシステムによって、3D画像の持つ本質的な価値を低コストに享受できるようになっていくでしょう。そのためにも、全ての人にとって使いやすいシステムを開発していく必要があります」と松本氏は語る。
2005年1月、同社はアメリカにおける開発拠点及びマーケティング拠点としてZiosoft, INC.を設立した。現在は約25名の規模だが、年内には40名以上に拡大し、製品販売や大学病院などと共同研究などを開始していく予定。ネットワーク型3DWSのニーズはアメリカの方が圧倒的に多いため、Ziosoft, INC.ではネットワークに対応することを前提にしたソフトウェア開発が行われている。特に、医用画像処理サーバとデータ保存サーバを中核に置き、院内外から画像処理と閲覧がオンデマンドでできるシステムが求められている。現在開発中なのが、離れた場所にいる複数の医師がインターネットとウェブブラウザで同時に画像処理と診断を行えるようなコラボレーション機能である。この機能は低速回線でも使用でき、一般的なPCであれば問題なく稼働するとのこと。 「未来はネットワークシステムにある」と断言する松本氏。読影医が不足している現状だからこそ、ネットワークシステムで遠隔読影をサポートし、放射線科のない小規模病院ユーザでも快適に使用できるスピードとユーザインターフェイスが求められる。インターネットを使えば、世界中どこからでも医用画像処理装置が使えるようになる。 「弊社は、汎用のOSとハードウェアを使って、妥協のない医用画像処理ソフトウェアを開発・販売している唯一のメーカです。弊社のネットワークシステムは、後付けの機能ではなく初めからネットワーク型として開発しているため、統合のとれた大規模なネットワークシステムとしてはトップクラスの性能を誇ると自負しています」。
WSやサーバなど、ザイオソフトの医用画像処理装置は、現在すべて日本HP製のハードウェアが採用されている。日本HP製のハードウェアを採用した理由を、松本氏は次のように語っている。 1.製品の信頼性が高い 製品としての精度が高く、シャーシを閉じた時ずれが生じることがなく、ケーブルを閉じこんでしまうということもない。また、保守性が考えられたつくりになっている。同社の製品は医療機器であるため、特に堅実で信頼できるハードウェアが求められるが、日本HP製ならばあらゆるトラブルが少なく、安心できるという。「やはり『東京生産』がよいのでは」とのこと。 2.ハイエンド構成にしても動作が安定し、耐久性も優れている 高性能なソフトウェアを稼動させるハイエンドマシンは、CPUとメモリを最大限に搭載し消費電力と発熱量が大きくなるため、長時間稼働に耐えきれない場合が少なくない。特に同社のネットワーク型医用画像処理装置は、複数ユーザに対応してそれぞれ同時にまったく別の画像処理を高速に行うため、CPUは最新鋭のモデルを搭載し、メモリも最大量搭載するケースが多い。そのため、マシンの消費電力と発熱量は大きな問題となる。しかし、HP WSは電源から排熱対策まで工夫が講じられているため、フルスペック搭載時に長時間稼動しても動作が安定し、耐久性にも優れていて信頼できる。医用画像処理装置は安定性と信頼性が重要なので、同社ではHPを採用している。実際、HP WSを採用してからマシントラブルが減っている。