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スタジオジブリ特別講演会 レポート


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ワークステーション新製品発表 特別講演会 スタジオジブリ様による「アニメーション制作と情報技術」
日本HPは6月26日、都内にて、インテルXeon 5100番台搭載の2モデルのパーソナルワークステーション新製品の発表説明会を開催した。その中で、株式会社スタジオジブリの管理部システム管理室長の北川内 紀幸氏を招いての特別講演も行われた。北川内氏は、現在のスタジオジブリのアニメーション制作環境を公開すると共に、それを支えるHP製品とシステムの導入経緯や構成内容についても解説。スタジオジブリが、制作環境システムを公に話すのはこれが初めてとあってか、PC業界、AV業界の各メディアの関係者たち約40名が集まった。 特別講演の会場風景
最新作「ゲド戦記」の制作においても使用されているというこのシステムの中で、HP Workstation xw8000がクライアント機として、またCGのレンダリング用マシンとして導入されているという。日本を代表するアニメ映画制作現場での情報技術活用の様子とHP Workstationがどのように利用されているかなどを北川内氏の講演内容からご紹介する。
 デジタルアニメーション市場を応援するHPワークステーション
北川内氏は「スタジオジブリが、どういったインフラでどのようなアニメーションを作成しているのか。また、現在検討中の、今後の制作環境の技術的な課題といった話まで触れられればと思う」と講演を開始した。 北川内 紀幸様
 セルからデジタルアニメーションへの移り変わり
過去22年に渡り、スタジオジブリは、14本の劇場用長編と1本の中編作品の企画、制作を手がけてきた。劇場用作品15本目となる、宮崎吾朗氏の初監督作品「ゲド戦記」は一年間の制作期間を経て、今夏7月29日に公開される。こうしたアニメーション制作において、スタジオジブリでは、フィルムの現像と最終的な音響効果を除く制作工程をすべて手がけている。
従来アニメーション業界では、手書きでセル一枚一枚に色を塗って仕上げるセルアニメーション手法がとられていたが、その多くの現場で現在はデジタル化が進んでいるという。北川内氏はスタジオジブリ内でのデジタル化の様子を「良質な国産のセルとセル用の絵の具の入手が困難になってきたのが、1997年当時。その時に制作していた”もののけ姫”からデジタルアニメーションへの移行を考え始めた」と説明する。また、映像表現を追及する中で、安定した新色の供給環境を得たいという要求や光学撮影の限界を突破するためにフルデジタル制作環境に本格的に移行したのが、1999年の“ホーホケキョ となりの山田くん”制作からだという。 ゲド戦記
 セルアニメーションを作り続ける!ポリシーを酌んだシステム全体の提案へ
デジタル化にあたってのスタジオジブリの考えについて「コンピュータを使ってセルアニメーションを作り続けることが目的。クオリティの向上が第一義であって、コストダウンや制作期間を短くするためにコンピュータを導入するわけではなかった」と北川内氏は語る。ジブリが必要としていたのは「セルアニメーション制作のワークフローをそのまま移行し、クオリティをさらに向上させ、スタッフの負担を軽減できるシステム」だった。
2003年、クライアント機として新しいパーソナルワークステーションの導入を検討していた。スタジオジブリの意向を聞いたHPは、制作工程で使用されるマシンを単に納入するといったことではなく、デジタル化におけるジブリのポリシーを全うするシステムの提案が必要と考えた。そこでHPのコンサルティングチームも加わり、様々な要件を考慮したサーバ、ネットワーク機器を含むシステム全体の提案が行われた。

 ジブリスタジオのセルアニメーション制作デジタル化におけるシステム要求

□ 各部門の担当者が素材データを活用 
□ 部門間のデータのやりとりが頻繁

データをファイルサーバに一極集中する必要性
安定かつ高速なサーバ環境とクライアント性能
使用アプリケーションの吟味、管理のしやすさ
日本HPの提案は、スタジオジブリの要求を満たしたものとして評価され、システム全体の導入に至った。導入されたネットワーク機器、サーバ等によるシステム構成は以下のとおり。

 システム構成(サーバ・ネットワーク機器)

システム構成(サーバ・ネットワーク機器) ファイルサーバ/バックアップサーバ rp5470×3台
ディスクストレージ XP128(5TB)×1台、
VA7410(6TB)×1台
テープストレージ(LTO1) MSL5060×2台
ファイバチャネルスイッチ(2Gbps) fc16b×2台
Windowsドメインコントローラ/
LDAP/DFSサーバ
ProLiant DL360G2×4台
ネットワークスイッチ ProCurve 9308×2台、
ProCurve 9304×2台、
エッジスイッチ×10台
北川内氏は「2003年のシステム導入以来、システム障害による業務停止はない。チューニングなどサポートにも尽力いただいている」とHPのシステムとサポートについて評価する。この夏には、IA64ベースのサーバと17TBへのファイル増量を予定しているという。また、制作現場におけるクライアント機には、HP Workstation xw8000が55台導入されている。xw8000のシステム構成は、以下のとおり(最多構成)。

 システム構成(クライアント機器)

システム構成(クライアント機器) HP Workstation xw8000 ×55台
OS Windows XP Professional
CPU インテル® Xeon® Processor 2.8GHz×2
グラフィックス NVIDIA Quadro4 900XGL(AGP)
HDD Ultra320 SCSI 72GB×2
ネットワーク Gigabit Ethernet接続
これら制作系のワークステーションでは、徹底的にその安定性を突き詰めている。まず、グラフィックスの設定からデバイスドライバのバージョン管理までを全モデルで厳密に一元管理している。また、インターネットには接続せず、ウェブもメールも使用できない環境にある。北川内氏は「外部接続を制限することでセキュリティを高めることができるが、制作環境としての使いやすさが損なわれる面もある。しかし、制作活動のパフォーマンスに注力するためにもこのスタンスを守っている」と説明する。
 デジタルが支えるアニメーション制作の裏側とは
次に北川内氏は、現在のアニメーション制作工程を説明しながら、デジタル技術の活用例を紹介した。動画のチェックを行う際には、QAR(Quick Action Recorder)と呼ばれるシステムを活用する。これは、原画をCCDカメラで取り込みパラパラと手でめくるパラパラ漫画のように再生し、キャラクターの演技をチェックするもの。劇場用アニメーションでは、一秒間に24枚のフレームが使用される。チェック段階では低解像度であるもののそれなりのデータとなってしまい、マシンパワーも要求されるのだという。
現在のアニメーション制作工程

 TOONZ

■セル・アニメーションの制作工程をデジタル化する、統合型アプリケーション
(イタリア Digital Video 社開発プロダクトの1つ)
■デジタルペイント、合成工程でトータルに使用
基本的にラスタイメージのデータ→「線」を大事にする
従来のセル・アニメーションの制作工程がそのまま移植されている
劇場用解像度の制作に耐えうる
プラグインの開発が自由
用途においてライセンスレベルが設定されている
トレースの作業では、スキャナでモノクロをスキャンする。紙詰まりなどで原画を痛める危険性を避けるためにオートシートフィーダは使用しない。「データ上での線の質感やペイントのやりやすさなどがここで決まる」。色彩設計、色指定の部分では、デジタル化することでオリジナル新色の安定供給が可能になっただけでなく、ここで時間がかかった場合にも仮塗りを進められるといった利便性がある。タブレットを使用したデジタルペイントでは、瞬時のべた塗りが可能であること、絵の具を乾かす時間が不要など時間的なメリットも大きい。
背景の取り込みには、業務用のデジタルカメラを使用して巨大なスキャナ代わりにしているという。このシステムでは、大きなサイズの素材も分割せずに取り込むことができる。

CG制作の部分では、ジブリのこだわりがある。それは、アナログ手法の発想を取り入れながら「手書きではできないことをすること」と「作品の世界観を壊さないようにすること」。デジタル合成作業では、オリジナルのインハウスツールを活用し16bitイメージで最終出力する。ここでのメリットはカメラワークが自由なことと現像前に完成イメージが確認できることにある。

北川内氏は「デジタル化された映像がきれいすぎてしまうと今度はフィルムのときの良さがなくなってしまう。そのためフィルムの質感に近づけるために全編にノイズ加工をかけて出力する」と説明。
デジタルペイント
このノイズフィルタをかけるためのレンダリング作業において、HP Workstation xw8000で構成されたレンダリングサーバが使用されている。レンダリングファーム制御のミドルウェア(Platform Computing社のLSF)を使ってノイズ加工するためのハードな演算処理が課せられる。

編集作業でもフィルムを切ってつなぐといった以前の手作業からデータ上の作業へと移っている。このAvidのMedia Composer Adrenaline HDシステムを使ってのノンリニアデジタル編集においても、xw8000が活用されている。
デジタルカメラによる背景取り込み
CG デジタル合成
レンダリングサーバ ノンリニアデジタル編集
 これからの課題とコンピュータとの付き合い方
北川内氏は、最後に今後の課題についても触れた。一つには32bitアーキテクチャの限界。海外の大規模ポストプロダクションでは、すでにクライアント/レンダリングファームの64bit化が進んでいると述べ、日本の制作現場でも64bitアーキテクチャの出揃いとスムーズな移行を待望すると共に32bitアプリケーションにおいても問題なく動作して欲しいという。市場におけるCRTモニタの終焉については、「キャリブレーション可能なモニターは現場で不可欠。TFT液晶モニター等の次世代技術の展開を待望する」。
北川内氏は、“クオリティを突き詰めることへの危険性”についても言及した。「高クオリティが生み出すデータの膨大化とディスク容量不足」という問題と、「他人の絵に簡単に手を加えてしまうことができ、“他人の領分“を侵しやすくなる」といったメンタルな部分での問題を考えていかなければならないとしている。北川内氏はこれまでのシステム構築を振り返り「試行錯誤の結果、生まれたシステムであり、今後も改良を重ねていく。その中で、さらなる表現追求のための“道具然”としたシステムの構築を目指している」と述べた。
「我々、スタジオジブリは工場ではなく、工房だと思っている」と話す北川内氏。最後にピクサーのジョン・ラセター監督の「The Art challenges technology, and the technology inspires the art.」(芸術は技術に挑戦し、技術は芸術にひらめきを与える)という言葉を引用し、講演の幕を閉じた。
Company Profile スタジオジブリ
株式会社スタジオジブリ (STUDIO GHIBLI INC.)
設立: 1985年6月
所在地: 〒184-0002
東京都小金井市梶野町一丁目4番25号
代表者: 代表取締役社長 鈴木敏夫
従業員数: 140名
URL: http://www.ghibli.jp/
本ページに記載されている情報は取材時におけるものであり閲覧される時点で、変更されている可能性があります。予めご了承下さい。  
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