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電子政府構築への提言

〜ITガバナンスのためのインフラ最適化とは〜(日経BPガバメントテクノロジー2005年夏号より抜粋)

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セキュリティと低コストを両立する共同センターのメリット

水平統合型のITインフラには、ほかにも有利な点が多い。災害などに備えてサーバーやストレージなどを二重化しようとすると、縦割り型システムだと各個別システムごとに二重化の投資が必要だが、水平統合型システムならば投資を大きく圧縮することができる。同時に、運用管理のプロセスを共通化することにより運用コストを削減することもできる。

加えて、ITインフラの全体最適化は、電子政府構築計画の基本方針を実現するカギのひとつでもある。そして、ITインフラの全体最適化のためには、業務やアプリケーション、テクノロジー、運用などの手法を標準化する必要がある。こうした標準化によって、複数自治体による共通センターの設置や一部業務のアウトソーシングといった選択肢が、現実的なものとして浮上する。

電子政府構築への提言
IT投資の半分を占めるITインフラコスト削減の効果も大きい
セキュリティと低コストを両立する共同センターのメリット
全体最適化へのアプローチと縦割り型を脱却したHPの取り組み

全体最適化へのアプローチと縦割り型を脱却したHPの取り組み

では、ITインフラの全体最適化に向けて、どのようなステップを踏む必要があるのだろうか。そのアプローチを示したのが図2である。
   
  図2.インフラストラクチャ全体化実現へのアプローチ
  図2.インフラストラクチャ全体化実現へのアプローチ
  まずITインフラのビジョンを策定し、いくつかのステップを経て本格展開に進むというのが、ITインフラの全体最適化への道。ピラミッド状のレイヤーの中身は細かく定義する必要がある。

「ITインフラビジョンを策定し、テクノロジーアーキテクチャを定める。そしてパイロットや移行計画を策定した後、共同センターなどの本格展開につなげるのです。ITインフラとひと言にいっても、人によって受け取り方は様々。テクノロジーアーキテクチャを策定する際には、図に示したような細かい定義が必要です」

図2では、アプリケーション実行環境やデータベースなどはアプリケーションインフラストラクチャに、被害対策やオフィスアプリケーションはコアインフラストラクチャに分類されている。アプリケーションインフラストラクチャとコアインフラストラクチャの2階層が、HPではITインフラと定義されているという。

実は、HP自身がこのアプローチによって、EA(Enterprise Architecture)に基づくITインフラの全体最適化に取り組んできたと大沢氏は語る。

「1993年ごろまでは、HPの情報システムもビジネスユニットごとの縦割り型でした。全体最適を目指して、それを水平統合型に移行させてきたのです。共通化による効率向上によって削減したコストは、戦略投資に振り向けるようにしています」

例えば、HPでは90年代前半から社内電話の管理をIT部門が行っているという。細かいことのように見えるが、こうした組織の役割の再定義、あるいは組織構造の改革がなければ、IP電話の導入といったIT インフラ改革も進めにくい。水平統合型のITインフラに移行するには、組織の形を見直す作業も不可欠である。

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