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今回は、ITサービスマネジメントの分野において、システムの運用管理に関するベストプラクティスとして注目されている「ITIL」導入のコンサルタントとして、またITILの普及促進を行っている団体「itSMF
Japan 」の理事としても活動を行っている塩田
貞夫氏にお話を伺いました。 |
聞き手:宮原 徹(株式会社びぎねっと)
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グローバルデリバリ統括本部
ソリューションサービス本部 アドバンスソリューション部
ビジネスクリティカルコンサルタント
塩田貞夫 『ISO/IEC20000-1
要求事項の解説』
(塩田貞夫著作)
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ISO/IEC JTC1 SC7/WG25国内委員会 委員
情報マネジメントシステム運営委員会 委員
ITSMS 適合性評価制度技術専門部会 委員
特定非営利団体 itSMF Japan 理事
ITIL Foundation Certificate in IT Service Management 資格者
ITIL Manager's Certificate in IT Service Management 資格者 |
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Q:まず、塩田さんの経歴をお聞かせいただけますか? |
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1979年に、当時のDEC(ディジタル・イクイップメント・コーポレーション)日本支社の京都サービスセンターにエンジニアとして中途入社しました。5人ぐらいしかいない小さな所帯でしたが、当時のDECは大学や病院といったところの技術系システムに非常に強かったので、そういったお客さんに対するサポート業務に従事していました。
その後、1981年から1983年まで、金沢サービスセンター開設に伴い、北陸で勤務することになりました。サービスセンターというと聞こえはいいですが、スタッフは私だけ。マンションの一室が事務所で、ロッカーが1個あって、そこに測定器と保守用の部品が入っている、なんて感じでした。それでも病院のお客さんを中心に北陸3県で40社ぐらいを受け持っていました。 |
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お客さんには病院が多かったのですが、特にCTスキャンですとかNMRスキャンの装置に接続されているコンピュータが主でした。
あと、新聞社のお客さんでは、版下製作システムを使っていただいていました。テープからデータを読み込んで、製版用のフィルムを作るシステムです。このシステムが止まると新聞が印刷できなくなるわけですから、朝刊に間に合わせるために作業は夜中にやることになります。ですので、泊まり込みでの作業も随分とやりましたね。他には大学の研究室とか、発電所とかもお客様でした。その後、1984年に京都に戻りまして、多少リーダー的な仕事もするようになっていったわけです。 |
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仕事自体はフィールドサポートなので大きく変わりはないのですが、エンジニアが10数名おりまして、彼らの業務を管理するような立場です。管理といっても100%管理職というわけではなく、システムのトラブルが起きれば火消し役として出動するわけですから、プレイングマネージャーとでもいえばいいでしょうか。
私はどちらかというと現場の方が好きなんですが、そんな感じのマネージャの立場を2001年までの間に3回ぐらい経験しました。マネージャとしての考え方と、現場の第一線で働くエンジニアとしての考え方を両立させるという点で、とても良い経験をさせてもらったと思っています。 |
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Q:そのあたりで、現在のお仕事に繋がる転機が訪れたわけですか? |
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2000年前後から、現場の仕事が徐々に減っていくのを感じていました。昔に比べるとコンピュータのテクノロジーがコモディティ化(※)していって、1から作る時代から、組み合わせる時代に変わっていったというのが、最も大きな要因だと思っています。
今だから言えることですが、ハードウェアが小型化していき、ソフトウェアがモジュール化していったのも、大きな変化でしたね。例をあげると、1988年にVAX8800というシステムが発表されました。とても大きなコンピュータです。同時期に、Sun
Microsystemsのワークステーションで、小さな機種が出てくるのですが、これがVAX8800とCPUの能力を示すMIPS値が一緒なんですよ。「なぜだ!?」ってお客さんに迫られてね。(笑)
ハードウェアは高性能でコンパクトになるし、ソフトウェアは誰でもインストールできるようになった。そうすると、エンジニアの価値は?ということになるわけです。
1998年にDECはコンパックに買収されました。その頃もサポート部門にはいましたが、仕事はどちらかというと技術コンサルタント的なことが多くなってきて、徐々に仕事が変わっていく時期でしたね。
そんな感じでエンジニアが技術コンサルタント的な仕事に変わっていくのは何も私だけに起きていたわけではなくて、世界中である種の職種転換が行われようとしていました。ある時、イギリスでコンサルティングのセミナーが開催されるので、日本からもエキスパートを参加させろという指示が来たんです。イギリスに行ってみたかったので、コンサルティングの専門家でもなかったのに、行かせてくださいと上司に頼みこんで、(笑)今考えると、随分身勝手なお願いでしたが、なぜか承認がおりまして、半分は物見遊山でイギリスに出かけていったわけです。これがITILとの最初の出会いですね。
※ コモディティ化:商品やサービスが一般化共通化することで価格が下がっていくこと。 |
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イギリスの片田舎にある、まるでゴルフ場を思わせるような緑一色の中に建っている洋館に、ヨーロッパ中からエンジニアを集めて、コンサルティングのワークショップを行いました。各国から2名ずつ参加していたのですが、日本からは私だけが参加していました。 まず最初に講師の指示で各自自己紹介していくのですが、全員が自己紹介し終わったとたんに「上司に行けと言われたので来た」と言った奴は帰ってくれと講師が真面目な顔して言うんですね。その頃、ヨーロッパでは世界中で一番激しくリストラが行われている時期でもあったので、そんな時期に、各国から選りすぐりのエキスパートを集めるには、それなりの重要なミッションが背後にあったのだと思います。これはえらいところに来てしまったと思いましたよ。 |
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Q:ワークショップでは具体的にどのようなことを行ったのですか? |
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ワークショップでは「Availability Review Service」を教わりました。システムのアセスメントとはどういうものか、お客さんのシステムをAvailabilityの観点からチェックし、レポートする。コンサルティングのベースとなるノウハウを教えるのが主な内容でした。
このコンサルティングのサービスをヨーロッパから世界に広げたい、というのが、ワークショップが開かれた目的だったわけです。
集められているエンジニアはほとんどが現場のフィールドサービスの経験者であり、エキスパートばかりでした。現場に強くて、ソフトウェアやハードウェア両面の知識を持ち、さらには運用などにも詳しいだろうということを前提に、自分たちのスキルで何ができるか、ということを考えさせられました。
ワークショップは小グループに分けて、ロールプレイング形式で行われました。ある人はユーザ役、ある人はアセスメントを行うコンサルタント、ある人は議事録を取る役目というように、役割分担を行いました。必ずしも英語に堪能な人ばかりではないのに、いきなりグループでロールプレイングさせるわけですから、とても大変でしたが、コンサルティングについて本格的に学ぶ初めての機会でしたので、得るところが多かったですね。逃げようにも周りに何も無い一軒屋に加えて、朝8時から、夜は9時までびっしりと鍛えられ、おまけに夜にはホームワークが出されて、翌朝に発表させられるので、気が抜けませんでした。この時、学んだサービス内容が、実はITILベースであることを、後日知ることになるわけです。 |
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