 |
≫ |
|
|
 |
 |
いきなりの仕事とは言っても、さすがに一人で放っておかれることはありませんでした。新人にはそれぞれ指導役としてメンターの先輩がつきますし、社内で検証してお客様のところで実施する形で仕事を進めていましたので、不安はありましたがそれほど大変とは感じませんでした。強いて言えば、最初の頃、色々な用語が分からないのが苦労した点でしょうか。 |
 |
Q:担当されたカルビー様のシステム移行作業について教えてください
|
 |
 |
 |
 |
ハードウェアのリプレースに合わせて、既存のSAP社ソフトウェアである R/3をTRU64とうOSからHPUXへ移行するというプロジェクトに参加しました。SAP社ではR/3等のソフトウェアを異なるOS上もしくは異なるデータベース上に移行することをマイグレーションと呼びます。そのマイグレーション作業は通常は準備期間として6ヶ月以上かかるところを4ヶ月という短期間で、且つ本番機のダウンタイムは40時間しかないという、非常に条件の厳しいものでした。
SAP R/3はお客様にとって業務の中心となるシステムですので、システムが停止すると受注・出荷がすべて止まってしまいます。そのため、大晦日の12月31日から元旦の1月1日までの40時間しか止められず、この間に移行作業を完了しなくてはなりませんでした。また、そのシステムはデータ量が1TB、データベースのテーブルが2万以上あるデータベースをもっていました。
最初に、プロジェクトメンバーが社内のサーバで移行作業の検証を実際に試してみたところ、SAP社が提供している標準的なマイグレーション方法を用いると100時間以上かかることが判明しました。与えられている時間は40時間しかありませんし、当時は他に方法もなく、お客様に対しては「とにかく頑張ります」としか言えない状況でした。 |
 |
Q:そのような厳しい課題を、どのように解決したのですか? |
 |
 |
 |
 |
その時プロジェクトメンバーの一人が、HP社内のワールドワイドで使われているSAPに関する情報交換用メーリングリストで「HPSTM」(HP Smooth Transition Method)というツールを見つけました。それはドイツHPとドイツOracle社で開発したSAP R/3用の移行ツールでした。ちょうどトレーニングを実施するということだったので、そのメンバーがドイツまでトレーニングを受講しに飛びました。
トレーニングから帰国した後に、お客様から実際のデータをお借りして検証環境を構築して試してみたのですが、当時HPSTMは開発されたばかりのツールであったため、最初はバグがあって動かないのです。プロジェクトのスケジュールを考えると検証には2週間しか時間をかけることができないので、徹夜でバグ修正をしながら検証を行いました。
この検証作業が最も大変でした。バグについてドイツの開発者に問い合わせをしても、ドイツと日本の時差の問題や、その開発者が休暇で長期間出社しないなど、問題の解決に手間取ったこともあります。最終的には必死のバグ修正とツールが想定しているOracleのバージョンの違いが問題だったことが突き止められ、なんとか動かすことができました。その結果、標準ツールで行うと100時間以上かかるところが、HPSTMを使用すると11時間でOracleのデータ移行ができることが確認されました。マイグレーションにはOracleのデータ移行処理の他に前処理、後処理、アプリケーション処理が有りますが、「40時間以内で移行完了」という要件を満たす可能性が見えてきました。
|
HPSTM検証チーム  |
|