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屋外のテント一つ、それが復旧本部。とにかくお客様の業務を復旧したかった

■ 実際に現地に到着したお客様の工場はどういう状態だったのでしょうか?

斉藤 正光 斉藤: もうすごい状態でした。足の踏み場がなかったです。震源地のすぐ近くでしたから。こんなになってしまうのかと、地震の恐ろしさを身にしみて感じました。建物の中もぐちゃぐちゃになっていました。帽子や手袋などが階段や廊下に脱ぎ捨ててあり、地震時に逃げる人々の様子が生々しく残っていました。

■金田: 社屋内は倒壊の危険があるため、屋外に運動会のときにあるようなテントが1つ立てられ、それが復旧本部。翌日にも関わらず100名ほどの社員の方が出社しているんです。皆さん自宅も被災されているのにですよ。テントの前で社長が朝礼を行い一致団結する姿をみて、何とかお客様の役に立ちたいと、心から思いました。
お客様の業務をとにかく復旧してさしあげたかった。社員の皆さんは自宅が被災されているのに、出社してがんばっている。最初は100人だった毎朝の朝礼の人数が、日に日に増えてくるんです。テントの数や仮説トイレの数がどんどん増えてくるのが嬉しかった。同時にその姿を見ていると、何とか役に立ちたい、何とか復旧したいと、こっちも必死になりました。

最初の作業は、お客様の要望により他社製のサーバの発掘

■ 普通の保守とは大幅に違うと思いますが、具体的にはどのような作業をされていたのでしょうか?

斉藤: お客様の課長さんの部下として働きました。もうどちらの領域なんてなくて、お客様と一体です。当初の作業は道をつくって瓦礫の山からサーバや機器を掻き分けて探すこと。みんなで発掘作業と呼んでいました(笑)。

■金田: 実は一番最初は、お客様の希望で他社製のサーバの発掘をしました。僕らしか到着していないのですから、こんな時に「競合が」なんて言っていられないですからね。後で聞いた話ですが、取引業者への支払いを滞らせないためだったそうです。
次にも別の競合のサーバの発掘を行いました。電気が復旧していなかったので、動作確認にHPのオフィスを使うことをご提案しました。結局、大きな発電機が届いて間に合いましたが、この提案をとても喜んでくださいましたね。

斉藤: お客様のニーズである、HPのサーバが管理していた工場の製造データを参照すること、そして業務を復旧すること、こればかり考え、それまでは帰らない覚悟でした。限られた環境の中で、お客様と一緒にアイディアを出し合って、がんばりました。文字通りお客様と一丸となって復旧にあたったという感じです。
お風呂も入れなかったので、臭かったと思いますが、お互い様(笑)。毎日青いジャンパーと白いヘルメットという服装で通っていたので、この格好をしていると、じきに守衛さんも顔パスになりましたね。

HPのTCEとお客様の安全管理が可能にした復旧作業

■ 顔パスですか。いかにお客様に信頼されていたかですよね。HP以外のベンダーの様子はどうだったのでしょうか?

■金田: まずHPが一番に駆けつけたことに本当に感謝してくれました。次に到着した企業の方と一緒に作業にあたりました。二日後に、ある競合会社のエンジニアが到着したのですが、午前中の余震で「退去命令が出た」と何もしないうちに帰ってしまったんです。これにはお客様も相当落胆された様子で、「HPさんも帰らなくていいのですか?」と聞かれました。もちろん見捨てて帰るつもりもありませんでしたが、HPの考えとしてTCEを簡単に説明したところ、感激してくださいました。
しかしながらいくらTCEといっても、危険な場所ですから安全管理は必須です。お客様は、全ての作業に関して、時間、人数、作業場所、作業内容などを登録し余震の状況を判断しながら作業許可を出すなど、しっかりした安全管理をされていた。とても有難かったです。
このお客様の安全管理を信頼することが出来たので、復旧作業に専念できたのだと思います。

■ 素晴らしい信頼関係ですね。HPのサーバ類も相当の被害をうけたのですか?

斉藤: 意外なことに、HPのマシン自体の損傷は予想より少なかったんです。特にラッキングされたものはほとんどそのまま、倒れてもいませんでした。このラックの性能にはびっくり。その後通電したときも結構な数のサーバが正常に起動し、とくにハイエンドストレージのXPはデータロストゼロ!あれだけの規模の地震で耐震装置の限界を超えてしまっていたのにも関わらず、全てのデータが保全されていたこととには驚きました。

■金田: お客様もテント生活の中で事務用品も満足な状況じゃなかった。そこで指示連絡などの用途にと、プリンタを数台さしあげました。また会議室にHPオフィスの使用を提案したりしました。ハードウェアのサポートはもちろんですが、とにかくお客様の業務を復旧するためにHPとして協力できることは精一杯何でもしました。
TCEのもとに真っ先に駆けつけたこと、途中で帰らなかったこと等、今回のような非常事態になって、価格では分からない本当のHPの底力を分かってもらえたと思います。価格では他のベンダーのほうが安いかもしれませんが、サポート力の歴然とした差から、価格以上の価値があると判断してくださったのです。

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