―最近脚光を浴びているSOAですが、一言で表すとどうなりますか?
森 SOA(Service Oriented Architecture)を一言で言えば、ビジネスとITシステムを連携するアーキテクチャと言えます。そこが、かつてのSIS(Strategic
Information System)やMIS(Management Information System)、ERP(Enterprise
Resource Planning)などのソリューションと大きく異なる点です。ただ、最近のSOAに関する説明の中には、“SOAは情報を活用するソリューションのツールである”という説明も見受けられますが、SOAの特性を活かすにはツールというレベルでは納まりません。SOAはシステムのアーキテクチャであり、概念的にも実際の運用面でもツールとは異なるものだと理解しておく必要があります。
SOAの源流はオブジェクト指向にまで遡りますが、10年ほど前から提唱された考え方であり、それほど目新しいわけではありません。ただ、当時はSOAに必要なオーバーヘッドをクリアすることが困難であり、実用化に至らなかったのが実状です。ようやく、近年Webサービスなどが普及・定着してSOAを実現する条件が整い、一躍脚光を浴びているわけです。
SOAは開発者から見ればユーザオリエンティドであり、利用者にとってのSOAは業務支援ツールではなく業務サービスそのものです。この点にアーキテクチャであるSOAの大きな特徴があります。ソリューションは特定の課題を解決しますが、それ以外の課題解決には別のソリューションが必要になります。一方、アーキテクチャであるSOAは、企業のビジネスプロセスを統合して利用することができ、ビジネスの変化にも迅速・柔軟に対応できるのです。
―SOAがアーキテクチャであることはわかりましたが、それはどんなメリットがあるのですか?
森 SOAがアーキテクチャであるということは、一つの考え方で企業のビジネスプロセスを統合できることを意味します。それはビジネスプロセスを基本的な業務サービス単位に因数分解した処理コンポーネント(在庫確認や注文処理など)にすることで、複雑な業務をサービスコンポーネントの組み合わせによって処理できるからです。業務サービス単位からビジネスプロセスを構成することで、異なる組織間のビジネスプロセスも容易に連携できるわけです。
つまりSOAでは、業務サービスコンポーネントとビジネスプロセスはインタフェースを介して連携されており、ビジネスプロセスが変化しても迅速に必要な業務サービスコンポーネントを組み合わせることで対応できるのです(図1参照)。SOAがビジネスの変化に迅速・柔軟に対応できる理由がここにあります。 |