―競争優位の土台となる変化への迅速・柔軟な仕組みを実現する上で、SOAは大変有効だということがわかりました。では、実際にSOAでシステムを構築する際、どんな点に注意したらいいのでしょうか?
宮原 前回解説したようにISAC(アイザック:IT Strategy Accelerated by Consulting)等によってアジリティ強化の優先順位を決めSOA化を行うわけですが、SOAでは従来の開発モデルよりも、ルールを厳密に決めておかねばなりません。SOAはアーキテクチャですから、適切なサービス構築のルール、厳格なインタフェースが必要となるからです。それらを決めるにはガバナンスが不可欠となります。
また、ルールを徹底するには、全社員のSOAへの理解と支援はもちろんですが、新たなスキルと価値観の変革を求めたり、組織自体の変革が必要なケースもあり、いずれもガバナンスなしには解決できません。ガバナンスがなければ、「SOAはただの無秩序なWebサービス」になりかねません。
―通常ガバナンスは企業統治と訳されますが、SOA化に当たってガバナンスはどんな役割を担うのでしょうか?
宮原 SOA化はテクノロジーだけでなく人やプロセスを巻き込んだトータルな企業変革となります。また、SOA化はビッグバンではなく長い道のりとなるので、既存の問題点に取り組み、長期的な変化に備えるために、あらゆる部門の協力が必要です。そこで、HPではSOA適用にあたって考慮しておくべき事柄を8つのドメインにまとめ、協力的なアプローチの道筋を示しています(図1参照)。 |