2002年のコンパックとの経営統合をきっかけに、複雑で大規模になったIT環境をシンプルでスリムなものにするためにITの変革が求められました。IT変革にあたり、売上に占めるIT費用の比率を下げていくことを第一の目標に掲げられたのです。合併時という特殊事情にもよりますが 2002年には4.6%もありました。 これを 3%まで下げることを目標にして、この目標を達成するためにまず行ったことがITコストの内訳を調べ、どの領域にどれくらい使われているかを把握したことです。
ITコスト構造を分析してわかったことは、その大半(72%)はこれまでに構築してきたシステムの維持・管理という、どちらかというと後ろ向きの使われ方がなされていて、将来のビジネスの成長を支える戦略的なIT投資には30%弱しか使われていないことでした。これでは、今後直面する様々なビジネスの変化に適応し、競争優位を生み出す上で大きな問題となり、このITコストの構造を変革し、半分以上を戦略的なIT投資にする必要があったのです。そのためには、IT 予算自体を増やすという発想ではなく、コストの大半を占めていた維持管理の部分をぐっと圧縮し、そこで浮いたお金を戦略的なIT投資にまわすという考え方が重要です。
では、どうやって大半を占めていた維持管理の部分を減らすかということですが、そこでは徹底的なIT環境の標準化とシンプル化が重要になります。具体的には、乱立するサーバやストレージを統合したり、20万台以上あったデスクトップ環境を標準的なものにしていくことや、さらには、ITILなどによる標準的な運用プロセスを構築していくことです。 このIT予算の構造改革という変革目標を達成するために立てた、具体的な施策がITコンソリデーションによる、IT環境の徹底的なシンプル化だったのです。 そして、世界に85あるデータセンタを米国の6カ所に、合併直後に7,000以上あったアプケーション、2万5,000台あったサーバを、それぞれ1,500、6,000台にまで集約するという壮大なプロジェクトは今もなお進行中です。図1にHPにおけるコンソリデーションの取り組みの全体像を示します。
| 図1:HP社内におけるコンソリデーションの取り組み |
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