変革を進める基本的な指針として、標準化やシンプル化が重要となりますが、それはすなわち、共通化の可能性が高いビジネス機能は標準化してITのシンプル化にもつなげることを意味します。図2に示すのは、HP社内における114のビジネスプロセスを調べた共通性に関するデータです。共通性の高い、グリーンの領域は、全世界で共通、もしくは3つから4つのプロセスで定義されます。共通性の高い領域として、人事では95%、ファイナンス領域では、83%の共通性が見られました。低い領域としては、商習慣などが地域や国ごとに異なるセールスオペレーションがあります。
しかし、それらを含めても全ての領域で50%以上の共通性があったのです。重要なことは、これらの洞察に基づいて、目指すべきプロセスのアーキテクチャを構築していることです。ここで、共通性の高いビジネスプロセスを持つ、人事システムにおける具体的なシンプル化の取り組みを紹介したいと思います。
以前の人事プロセスやシステムは、地域や国によって異なる領域が多かったのですが、プロセスの統合を進めました。そして、プロセスを支えるアプリケーションやインフラなど各階層にわたってシンプル化を進めたのです。アプリケーションレベルでは、これまでの10個のPeopleSoftインスタンスを一つに集約し、すべての従業員、マネージャが全世界共通の従業員ポータルを通して人事データにアクセスできるようにしたのです。
これによりインフラレベルでは、サーバの台数を63%(41台→10台)、ストレージを60%(7TB→3TB)削除することができました。さらには、人事プロセスの変更をシンプルな環境の中で以前に比べて迅速に実施することができるようになりました。また、幾つかのアプリケーションサーバは共有ホスティングされています。これまでのようにアプリケーション毎にサーバなどのインフラを準備・構築するのではなく、仮想化、自動化の技術を使用した共通基盤上に構築しています。
| 図2:「HP人事システム事例」 |
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