そんな中、昨今、事業継続のための対策に積極的に取り組む企業が増え、その傾向は業種や業態、事業の規模によらず、中小・中堅企業にも広がってきています。背景には、不測の事態に十分な対策や準備で備え、企業として社会的な責任を果たしていこうという意識の高まりがあるようですが、もう一つ大きく後押ししているのは、2009年以降で制定される可能性のある事業継続(BCP:Business Continuity Plan)の国際標準(ISO)化の動き。
新たな法施行によって、今後“事業継続の力”が、企業の一つの評価基準となり、法遵守の観点からも、いよいよ待ったなしの様相となっているのです。そこでは、例えば情報システム分野の場合、事故・災害などが生じた時に「いかに代替システムを構築するか」という局所的なことではなく、「いかに企業の業務を継続できるか」「人やプロセス、インフラを含めた全体のマネジメントができるか」が問われるようになり、それが企業の当然、行うべきこととして定められています。
事業継続・災害対策が、企業にとってコストを要することであり、難題であることは確かです。しかし、今のビジネスのあり方を考えてみても、それを積極的に実行することが、その企業の大きな「強み」になることは間違いありません。
その大きな理由の一つが、ビジネスの「サプライチェーン化」の進行。今や企業は、大企業も中小・中堅企業も個別で成り立つことは少なく、業務を相互依存し、多くの企業がつながりを持つことでビジネスが成り立つシーンが圧倒的に増えてきています。そうした状況では、一つの企業の業務停止はすぐに他の企業にも波及し、他社の業務の停滞、ひいてはビジネスの全体がストップするような事態も珍しくありません。
そうなると、一つの企業が態勢を備えるだけでは、リスクを回避することは難しく、サプライチェーン上の企業が、同じ意識を持って臨み、足並みをそろえ、万全な体制を構築する必要があります。つまり、そこできちんと対策を行うことは、サプライチェーンの一つとして「やらねばならぬ」ことであるのと同時に、その企業は取引先から「安心できる企業」という評価を獲得できる大きなメリットもあるわけで、このことは企業の競合優位の要素として、大きなプラスになるのではないでしょうか。