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「情報戦略」「情報インフラ」「情報共有」など、企業において「情報」という言葉は盛んに使われており、古くは1970年前後から「情報化社会」をキーワードに、未来の社会に関する議論が活発に行われました。
さて、「情報」とはいったい何なのか。その学問的な定義は諸説あります。たとえば擬人的な表現を用いて「情報とは、知るということの『実体化』である」(高橋秀俊氏「情報とは何か」『東京大学公開講座 情報』、東京大学出版会、1971年)との定義があります。これは人が五感を用いて、何かを認知するときの、その「何か」が情報であるという意味です。
大辞林・第二版では「ある特定の目的について、適切な判断を下したり、行動の意志決定をするために役立つ資料や知識」との定義もあります。情報を「資料や知識」とする説明には、日本独特の曖昧さが見られます。英語の軍事用語においてinformation(情報)とknowledge(知識)、もしくはintelligence(知能)とが明確に区別されているのに対し、日本では一般にinformationもknowledge、intelligenceも情報に含まれる、と考えられています。
こうした定義の曖昧さと広い意味が、企業における「情報」マネジメントの難しさに、つながっていると言えるのかもしれません。企業価値を高め、競争優位を勝ち抜くための「情報」とは、いったいどのようなものなのでしょうか。 |
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情報学的な観点では、情報は「対象の不確実性を減らすニュースである」と説明することができます。ニュースは「知らせ」と置き換えることもできます。この定義は情報理論のベースとなっている考え方です。
例えば、桶狭間の戦いでは、2000人の織田軍が4万5000人の今川軍を急襲して勝利しました。この戦いで最大の功労者とされ、信長から最高の褒美を得たのは、今川軍が酒盛りをやっていることを知らせた梁田正綱でした。その知らせが不確実なことを確実にし、人数で圧倒的に劣っていた信長軍に勝利をもたらしました。情報はときに、たいへんな価値を持つということです。
現代のビジネスシーンにおいても、市場取引における情報活用の有効性に象徴される「情報の桶狭間」が実は頻繁に登場しています。市場変化、リスク変動といった不確実性を確実に減らすこと。それが、ビジネスおける情報マネジメントの大きな目的の一つと言えるでしょう。 |
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企業だけでなく、社会全体が情報であふれています。特にここ数年のITの飛躍的な発展により、情報が生み出される環境も激変しました。中でもインターネットの登場・普及によって、作成され発信される情報は爆発的に増加しています。
この地球上で、いったいどれだけの情報がつくられ、それらがどんな媒体に蓄えられ、どんな経路で流通しているのでしょうか。カリフォルニア州立大学バークレー校の「How Much Information?」プロジェクトは、それを徹底的に調べ上げています。2003年に発表された同プロジェクトの調査結果を引用すると、2002年に新たに作成された情報は、全世界で5エクサバイトに達しています。エクサとは10の18乗を意味する単位であり、1ギガの10億倍と、とても大きな単位です。
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同プロジェクトでは、人類が今日まで残してきたすべての情報量を2003年〜2004年のわずか2年間に新規作成された情報量が超えていることを指摘しています。こうした情報量の急激な増加を、米国では「information TSUNAMI(情報津波)」あるいは「information Explosion(情報爆発)」と呼び、今後、人類はこうした状況にどう対応すべきかが検討されています。
企業においても、1960年代後半からのメインフレームによる集中処理から、1980年代の分散コンピューティングへと移行するにつれ、情報を扱うコンピュータの数も劇的に増えました。メインフレーム時代には、情報を扱う部署は限定されていましたが、大容量のハードディスクが安価に入手できる現在では、大量の情報が部門サーバや個別のPCに散在し、どんな情報がどこに存在しているのかを、把握できなくなっています。 |
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| *文部科学省公表資料「情報爆発時代に向けた新しいIT基盤技術の研究」より掲載 |
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| このような環境の中、価値ある情報を管理する能力は、企業にどれだけ備ったのでしょうか。情報を管理する上で重要な視点は、情報そのものの価値にあります。 |
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