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メインフレームをオープンUNIXに変換

継続的な革新によって競争上の優位性を強化

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オープンシステム移行により、ビジネスの柔軟性と俊敏性を実現

POSCOは1999年以降、グローバル化、民営化、デジタル化という大きな変化に対応すべくPI(Process Innovation:プロセス革新)を積極的に進めており、全社的なプロセス、情報システム、社風を含むすべての分野で革新に取り組んでいます。第2次PIとして、MES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)プロジェクトを展開し、浦項製鉄所(PohangWorks)および光陽製鉄所(GwangyangWorks)のメインフレームをオープンUNIXに移行/統合しました。POSCOはこの結果、製造部門の統合と標準化を実現し、シックスシグマ活動の推進を支援するインフラストラクチャを完成させました。
オープンUNIXに移行
好循環な製造実行
フレームワークの導入
シックスシグマの実現
システム構成図
インタビュー
PDF(547KB)
POSCO

背景および目的

展開ソリューション

社内業務の効率化と顧客満足の最大化に向けた、好循環の製造実行フレームワークの導入
顧客向けの品質/出荷日を念頭に置いた製造実行の実現
ITインフラストラクチャの高機能化による、ビジネスの柔軟性と俊敏性の実現
ハードウェア:HP Superdome
プロセッサ:PA-RISC
DBMS(データベース管理システム):Oracle 10g RAC

展開範囲と日程

導入の成果とメリット

浦項製鉄所および光陽製鉄所のメインフレームをオープンUNIXに移行
日程:2002年1月〜2005年1月(第2次PI)
顧客重視のビジネスプロセスに移行
システムの保守費用の削減、生産性の最大化
RTE(Real Time Enterprise:リアルタイムエンタープライズ)の基盤作成
シックスシグマに対応したインフラストラクチャが完成

POSCOは、従来型の企業から、IT機能を備えたデジタル企業へと変貌を遂げました。1999年から始まった第1次PIにおいて、POSCOはデジタル情報管理フレームワークの作成とERP(Enterprise Resource Planning:エンタープライズリソースプランニング)/SCP(Supply Chain Planning:サプライチェーンプランニング)の構築を目標に掲げ、顧客重視のビジネスプロセスへと刷新しました。デジタル式のビジネス情報システムであるPOSPIA(POSCO UTOPIA)の展開により、納期を60%以上、月末の決算処理を6日から11時間未満にまで短縮し、E-コマースでの購買量を98%まで増加させました。特にPOSPIAの展開時に、POSCO本社で運用していたメインフレームをオープンUNIXのHP Superdomeに移行したことで、ビジネスの俊敏性と柔軟性が2倍に高まりました。

POSCOは、好循環の製造実行フレームワークを導入して社内業務を効率化し、顧客満足を最大限に高めることを目標に、MES(統合製造実行システム)を展開しました。MESは第2次PIの中核となるもので、このPIでは顧客主導のビジネスプロセスへの移行に焦点を当て、浦項製鉄所および光陽製鉄所のメインフレームをオープンUNIXに変換しました。POSCOは、シームレスなデータフローによるRTEの基盤を作ると同時に、MESを完成させて保守費用を削減しました。POSCOは、継続的な革新によって競争上の優位性を強化し、現在はシックスシグマに対応したインフラストラクチャの開発を行っています。

浦項製鉄所および光陽製鉄所のシステムをオープンUNIXに移行

POSCOは、第1次PIの結果を踏まえ、第2次PIでは「管理革新を加速し、全社的な統合システムを完成させる」ことを目標に掲げました。第2次PIでは、「POSPIA」に基づいたCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)およびSRM(Supplier Relationship Management:サプライヤリレーションシップマネジメント)を活用してサプライチェーンの強化を図ることで顧客との提携関係を構築し、また浦項製鉄所および光陽製鉄所のプロセスを再設計して、新たなMESを展開することに力を注ぎました。

POSCOの製造実行システムは、それまで浦項製鉄所と光陽製鉄所で別々に稼働していました。製造部門の標準化は、第1次PIでは実現していませんでした。その結果、マーケティング部門が受注し、POSPIAに注文を入力しても、実際に製造を担当する製鉄所で情報を変換する必要があり、無駄な時間とコストがかかっていたのです。浦項製鉄所と光陽製鉄所の間では、製造データコードの標準化は実施されていなかったため、既存の製造実行フレームワークではシックスシグマなどの革新活動を次の段階に進めることが困難でした。

POSCO管理革新事務局 情報システムグループ チームマネージャ Yoon Seok-won 氏
POSCO管理革新事務局
情報システムグループ
チームマネージャ
Yoon Seok-won 氏
POSCO管理革新事務局情報システムグループのチームマネージャであるYoonSeok-won氏は「第1次PIと第2次PIの相乗効果を得るには、ERPとMESを顧客の目線から垂直統合する必要がありました」と語っています。また同氏は「また、浦項製鉄所と光陽製鉄所の製造実行システムを水平統合し、製造管理業務の効率を高める必要があったのです」と述べています。POSCOは浦項製鉄所と光陽製鉄所のバックボーンシステムとして、富士通とIBMのメインフレームを運用していました。メインフレームのような閉鎖的な環境では、目まぐるしく進化するIT技術を取り入れる上で制約があり、E-ビジネスの導入は不可能でした。特に同社は、現在のレガシーシステムは、目まぐるしく変化するITトレンドにより、5年後には保守が難しくなっているだろうと判断しました。


これらの理由により、POSCOは両製鉄所のメインフレームをオープンシステムに移行し、ベストプラクティスを取り入れた標準化プロセスと基準に基づいて、MES導入に力を注ぎました。製鉄システムの場合、24時間365日体制で稼働する必要があるため、システムの信頼性は非常に重要です。システムのダウンタイムは売り上げだけでなく、組織の信頼性をも失うことを意味します。POSCOは、開発の特定の段階でレガシーシステムをMESに置き換えるビッグバン方式を採用したため、サーバを選択する上で信頼性が最も重要な基準となりました。最新技術につながるような柔軟性と拡張性もシステム選定の重要な基準でした。POSCO管理革新事務局情報システムグループのチームマネージャであるYoon Seok-won氏は「バックボーンシステムがオープン化されていくのが少しずつ分かりました」と語っています。

また同氏は次のようにも述べています。「第1次PIで本社のERPシステムをオープンUNIXに移行したため、第2次PIでMESをオープンシステムに移行することは困難ではありませんでした。その代わり、CS(顧客満足)とWebをベースとしたシステムとしてMESを開発するかどうかに重点を置きました」。

POSCOでは、浦項製鉄所と光陽製鉄所のMESシステム用にHP Superdomeを選びました。HP Superdomeは、性能密度、投資保護、サーバ統合の面で世界トップクラスです。このサーバは、メインフレームで使用されているCPUと比べてクロックスピードやキャッシュレベルが大幅に向上しており、演算能力は2倍以上です。また、サーバを高度に統合し、各パーティションの性能を向上できたため、処理能力の低いサーバを付加的に統合できるようになり、結果としてTCOの削減につながります。

好循環な製造実行フレームワークの導入

POSCOはシステムの選定後、MESプロジェクトに着手しました。浦項製鉄所と光陽製鉄所の業務基準、画面情報、項目の標準化を進め、両者のシステムを水平統合した結果、プロセスの統廃合に成功しました。さらに、変更したプロセスの目標を達成するための14の革新課題を掲げ、製造環境においてそれらを実行しました。システムの開発時、POSCOはまずWebシステムと親和性の高いJava言語を取り入れ、より迅速な導入と保守を実現する最新の開発手法であるCBD(Component Based Development:コンポーネントベース開発)技術を利用してシステムを実装しました。

POSCO管理革新事務局情報システムグループのチームマネージャであるYoon Seok-won氏は「包括的なシステムと煩雑な移行を考慮したことから、最新のIT技術を活用して開発期間の短縮とコスト削減に専念しました」と語っています。同氏はさらに「両製鉄所の業務機能を標準化し、業務単位でコンポーネント化することで、ERPコンセプトをパッケージ化しました」と付け加えています。

MESの開発は、(1)製鉄/変換、(2)冷間圧延/出荷、(3)製鋼/熱間圧延の3つに分けることでMESのリスクを軽減し、信頼性のある運用を目指しました。まず、大規模な開発と運用に伴うリスクを最小限に抑えることに力を注ぎ、浦項製鉄所で運用を開始してから、光陽製鉄所に展開しました。2002年1月から開始した第2次PIは、2005年1月に完了し、数多くの成果をもたらしました。浦項製鉄所と光陽製鉄所が別々に運用していた業務基準/画面表示を標準化することで、前後工程での製造の進捗情報をリアルタイムに共有できるようになりました。

さらに、顧客、マーケティング、製造間でのコミュニケーションが向上しました。また、ベストプラクティスの導入により、全体的な製造レベルが向上しました。もう1つの大きな成果が、BRS(Business Recovery System:ビジネス復旧システム)の導入です。浦項製鉄所および光陽製鉄所のシステム構造は同じであるため、BRSによって自然災害の発生時に迅速な復旧が行えます。

何よりも大きな成果は、ビジネスプロセスが製造重視から顧客重視へと刷新されたことです。POSCOは、顧客に代わって受注から出荷までの業務を実行すると同時に、ERPでMESを運用できるようになりました。

シックスシグマの実現

POSCOは、第2次PIの成功をもとに、今後もMESなどの改革に取り組む予定です。まず、ダウンタイムの最小化とバックアップシステムの高性能化を目指します。さらに、システム監視の強化による非効率な運用の排除と、業務を支援するシステムの安定化に努めます。

2008年まで継続予定の第3次PIにおいて、POSCOは「Global POSCO」の原則に基づいて、同社のシックスシグマ手法である「QSS(Quick 6 Sigma:クイックシックスシグマ)」の拡充とBPM Business ProcessManagement:ビジネスプロセス管理)手法の融合を進め、相乗効果の最大化を目指します。

POSCOは、ビジネス環境の目まぐるしい変化を捉え、それに対応していく必要性を認識しており、継続的な革新活動を通じて、グローバルリーダとしての地位をさらに強化する戦略を立てています。

システム構成図

浦項製鉄所 MES 構成図
  図1:浦項製鉄所 MES 構成図

光陽製鉄所 MES 構成図
  図2:光陽製鉄所 MES 構成図

インタビュー

ビジネスとITの融合による競争力の強化

POSCO管理革新事務局
情報システムグループ
チームマネージャ
Yoon Seok-won 氏

POSCOのPIの背景と成果は?

目まぐるしく変化する製鋼業界をリードするには、継続的な革新が必要でした。POSCOはERPプロジェクトとPIを融合し、第1次PIでこれを成功させたことでグローバルリーダとしての地位を高めました。MESプロジェクトでは、第1次PIで完了しなかったCRMとSRMの展開を手がけました。第2次PIでは、浦項製鉄所と光陽製鉄所のビジネスプロセスの標準化とシステムの水平統合に主眼を置きました。現在取り組んでいる第3次PIでは、シックスシグマの推進とBPMの導入を手がけています。

メインフレームをオープンUNIXに移行した背景は?

製造実行システムは、浦項製鉄所と光陽製鉄所のメインフレームをベースに運用していました。両製鉄所のビジネスプロセスは異なっており、データが標準化されていなかったため非効率でした。さらに、社内ユーザを重視した閉鎖的なシステムを利用していたため、顧客重視のシステムに移行するのが困難でした。そのため、オープンUNIXへの移行が必要不可欠であったのです。HP Superdomeを導入することで、両製鉄所のシステムを水平統合できました。

MES導入の成果とメリットは?

製造機能の信頼性とユーザの利便性が高まったことが、PIの最大の成果です。プロセスとシステムが改善されたことで、製造の前後工程をリアルタイムで確認し、製造部門にフィードバックを行えるようになると同時に、製造データを個別管理する必要がなくなりました。最終的には、RTEに発展するための基盤が出来上がり、POSCOは第3次PIでシックスシグマ活動を推進するためのインフラストラクチャを完成できました。

今後の主なIT課題は?

MESをはじめとするPOSCOのシステムは、製鋼業界の特性上、24時間365日体制の稼働が必要不可欠です。システムのダウンタイムは売り上げだけでなく、組織の信頼性をも失うことを意味します。これらの理由から、POSCOではバックアップシステムを高性能化してダウンタイムを最小限に抑え、さらにシステムを監視することで業務の効率化を図っていく予定です。

会社概要

POSCO
URL: http://www.posco.com/homepage/docs/eng/jsp/s91a0010001i.jsp(英語) このリンクをクリックすると、HP社外へリンクします。
http://www.posco.com/homepage/docs/jpn/jsp/s91a0030001i.jsp(日本語) このリンクをクリックすると、HP社外へリンクします。

事例キーワード

業種: 製造
ソリューション: データベース
製品: HP Integrity サーバ

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